29.《ネタバレ》 健さんの鶴。爪楊枝マンゴーを次々渡す田中裕子は良かった。しっとりとした良い映画にも出来たと思う。
富屋食堂、特攻の母こと鳥濱トメさん、朝鮮人の特攻隊員の光山少尉のことは、この映画で知った。
富子の「殺した」スピーチ、金山少尉の遺言は創作のようだ。こういう肝心なところがフィクションだから、敢えて実名は使わなかったんだろう。
今の時代ネットで色々調べられる。勉強になった。ぜひ鹿児島に行った際は、知覧に寄ってみようと思った。
「検閲を受ける遺書に、本当の気持ちが書けるか」「貴様らにもすぐ出撃命令が出る。特攻が特攻に言い残すのか?」
どちらにしても最後の言葉を残せないが、遺書ではなく遺言を残す金山少尉。
「大日本帝国のために死ぬのではない。」「朝鮮民族万歳。」
…まさかとは思うが、山岡は許嫁の智さんに、あの日まで少尉の遺言を伝えていなかったんだろうか?
あと、ふと思ったけど、金山少尉の遺族はなぜ戦後、誰ひとり知覧に来なかったんだ?
残された人は、サハリンでも硫黄島でも御巣鷹山でも、行ける限り会いに行くイメージが強いけど…文化の違いかな。
そして韓国へ…
親族と対面し、まずお辞儀と挨拶をする山岡夫婦。
対してお辞儀もしない韓国の親族。
遠くから来た異国のお客さんに、玄関先で本題に入らせる。
…通訳を連れての訪問、親戚一同で出迎えてる訳だから、事前にアポイントを取っての訪問にも関わらず、玄関先で立ち話。
山岡夫婦に怒りをぶつける韓国の親族…一人は彼が遺言を託した部下で、一人は彼が愛した許嫁にもかかわらずだ。
ここで健さんが、金山少尉の遺言本文を丸々ぶっ通し読み上げ。
それを韓国語で通訳。親切にもこちらも丸々ぶっ通し。
アリランを歌い、頭を下げて遺品を渡す健さん。
遺品を受け取らず、頭も下げない韓国人親族。
車椅子のお婆さんが受け取る。そしてやっと、家の中へ。
昭和天皇崩御ののち、昭和のスター高倉健に、韓国人の玄関先で頭を下げさせて「朝鮮民族万歳」と言わせる。
そのために黙読できる遺書ではなく遺言にしたのね。
さすがに土下座ではないが、健さんを誰よりも低頭させるための車椅子?
当時話題になっていた、慰安婦問題を連想させるために老婆?謝罪と賠償?
健さんにさぁ、こんなコトさせるんじゃあないよ!