2.《ネタバレ》 人はみな、自分の人生には意味があると思いたい。自分が生きてきたこと、やってきたことを誰かに認めてほしい、そう願うもんなんじゃないだろうか。
「とある任務」を果たすために過去に戻ろうとしている男と、彼が出した「過去への同行者募集」広告に応募してきた女。女は雑誌社のインターン学生で、この広告主を取材するためにやってきたのだが、この変わり者の男と共に行動するうちに、だんだん彼に惹かれていく。
タイムトラベルというSF世界の話でありながら、やってることは野山を駆け回っての基礎訓練だの研究所に忍び込んでの材料集めだのって、“日常生活”の延長線上が延々と続く。
まぁタイムトラベルはマクガフィンで、メインは風変わりなラブストーリーの方なんでしょう。でも、この「男の純情」はなかなか泣かせるし、コイツは単なる妄想狂なのか?ってハラハラさせられて、最後に見事なカタルシスを与えてくれる脚本には感心した。ラストは、ひゃっほー!です。
思うに、これって別に一人で行けばいいじゃんって話を、わざわざパートナーを探すのがミソで、やっぱり彼はね、自分がやってることを誰かに理解してほしいって願いがあったんじゃないかと思う。「自分だけが真実を知っている」なんて、恐ろしく孤独なことですからね。
このナイーヴな世界感がヘタレな自分にはツボでした。