1.《ネタバレ》 パリっ子の思春期の兄と妹、そしてうんと年が離れたまだ幼い弟。
3人のきょうだいが親の事情で南仏プロヴァンスの海辺の田舎町に住む、疎遠になっていた祖父母の元に預けられた夏休み。
優しい祖母とは正反対、孫と一切打ち解けようとしない祖父(ジャン・レノ)と、そんな祖父と打ち解けようとしない孫たち。
でも、最後はきょうだいにとって忘れられない夏休みになるんだろうな。と誰もが思うその通りに話が進んでいく。
夏の日差しが降り注ぎ、オリーブや果実の匂いが漂ってくるかのよう。ゆったりと流れる時間に癒される。
大きな出来事は終盤に祖父が孫娘を救出に向かうことくらい。
何気無い田舎町の夏休みの日々を綴りながら少しずつ祖父と孫達の距離を縮めていく。
ゆったりとした時間が流れる作品でありながら、作品のテンポはいい。
すっかりじいじの役が似合う年齢になったジャン・レノは勿論ですが、3人の孫達もいい演技を見せる。
中でもまだ幼い末っ子がいい仕事をする。特にラストの和解。
ローズ・ボッシュ監督。前作「黄色い星の子供達」は戦時下のユダヤ人の悲劇を描いたシリアスな実話ものでした。
一転して本作は祖父母と孫達の心の交流を描いたハートフル・コメディ。どちらもいい映画。
ローズ・ボッシュ監督作はこの2本しか見ていませんが、これからも名前を覚えておきたい監督です。