1.《ネタバレ》 意識して映画館に通う映画ファンに向けた、映画愛溢れる宝物の様な作品。
満点では無いのは唯一の欠点、伝えたい事が山ほど有るのは心の底から判るけど上映時間が少々長い為。
映画好きなら、皆それぞれの心の琴線に触れた名場面が有り、
それらの所謂「名シーン」にどの様な人達がどれだけ情熱を注いでいたのかが判り、
取り上げられた作品達を纏めて再鑑賞したくなる。
特筆すべき事は沢山有るが、厳選すると以下の3点だろうか。
・ハリウッドでバーブラ・ストライザントが何故あれ程迄にリスペクトされているのか、
本作を観て漸く理解出来た。
「スター誕生」位しか観た事は無いのだが、自らの感性を信じて観客に最上の作品を
届ける事に最大限の情熱を注いで来た事が良く判った。
当時既に大スターだったとは言え、女性差別は沢山あった筈なのにそれに挫けず自らの意志を通す姿勢。ただ尊敬のみ。
・ハリウッドに於ける技術の伝承が数多のクリエイター達の明確な意志を持って
綿々と受け継がれている事に驚嘆。
これ即ち映画音響技術が今や確固足る文化の一つとして地位を築いているから故。
比較する土壌は違うが、伝承者不足に悩み衰退している日本の伝統工芸や、
それこそ日本で今も汗水垂らして映画音響を作成している現場の方々の事が頭に浮かび、
なんともやるせ無い気持ちになった。
・登場する女性達が皆活力に満ちている。
自分の仕事に誇りを持ち、活き活きと自らの仕事の素晴らしさを語る様、
本当に素晴らしいと思った。
最後に、エンドロール終了後に粋なメッセージを投影してくれた劇場の皆さんに感謝。
(立川シネマシティにて鑑賞)