119.《ネタバレ》 さてこの作品は「羊たちの沈黙」でアカデミー賞を総ナメにした、
ジョナサン・デミ監督作です。
そのときに犯人がゲイであるという演出に、
ゲイ=偏執殺人鬼というイメージを与えると誤解されると、
ゲイ団体から抗議があったのです。
同映画の特典でそのことを話していたのですが、
だからこの「フィラデルフィア」を謝罪のために作った。
・・いやぁだからって作ってしまうんだからすごいです。
この年の作品賞はじめほとんどの賞はスピルバーグ作品でした。
「シンドラーのリスト」のほうがやはり暗いですよね(爆)
いやぁ私は何度観ても泣けますよ。
あれと同年で比べるのはマズイ。
「運命の瞬間(とき)/そしてエイズは蔓延した 」が医学の立場から、
真面目に描かれているのに対し、
弁護士の立場から描いた異例の作品です。
しかしよく似てはいるのです。
1993 劇場未公開ということからもかな~りな損をしている作品。
しかもこちらは実話を元にしているのですよ。
科学者のひとりが実は感染していたというのも、
フィラデルフィアでは弁護士が実は感染していたという・・
職場の解雇が病気が原因だったかどうかというサスペンス的な面白さは、
さすがにデミ監督は演出がうまい。
私はなぜか年寄り弁護士団体の発言が気になって、
これは語り部役をこの悪役(わかりやすく言えば)連中にさせているんだ。
エイズという病気を実にうまく語らせています。
輸血(薬害も同じですね)での感染は同情するが、
性行為での感染は・・
このセリフは同感しましたがこの時代が予防策とか知られてなかったのかも。
旧約聖書と新約聖書に書いてある・・
反対の意味でこれもよくわかりますね。
アダムとイブ以外の行為は書いていないということです。
こういった訴えられたほうの側になぜか共感してしまう。
それが差別の理由に結びつくということなのですが・・
死のふちにいる隣人の怖さと自分の周りのいとおしさ・・
マリアを聴くトムを見たあとのデンゼルの表情がよかったです。