3.《ネタバレ》 金子みすゞ本人や当時の詩文界に関するある程度の予備知識がないとかなりきつい。その辺全く真っ白な状態のまま観たので、置いてけぼり食うこと甚だし(単に私が無知なだけなんだけど)。観ている側が知っていることを前提に話を進めているような感じ。のんびりした雰囲気にも関わらず、場面の転換が速く、よく飲み込めないまま次のシーンへ行っている。西條八十など当時の大御所文化人にも認められた童謡詩人ということなのだが、その辺の凄さが十分伝わってこない。ただ悲劇的なラストへの静かな盛り上がりが印象深い。家父長制的封建主義が色濃く残る社会の中で一人の女性が自立しようとのたうちまわる様が静かな中にも良く表現されていたと思う。