★6.《ネタバレ》 もうこれは、ひたすら「俳優・笠智衆」を鑑賞する作品です。ステテコ姿でとことこ歩くだけですでに芝居になっていますし、台詞はあれこれ言わずに一言でびしっと決める(「ここには誰もおらん!」が最高です)。また、大半が寝たきり状態なのに、表情だけですべてを伝える杉浦直樹のサポート演技も渋すぎ。一方で、杉村春子や倍賞美津子は、不自然な説明台詞をいろいろ喋らせられているのが残念。演出の興味関心が笠さんに一点集中しちゃったんだろうか、と思ってしまうくらいです。●ただし、実は一番画面上に出てきて嬉しかったのは、婦長役の五大路子さんだったりします。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 6点(2022-01-22 00:03:48) |
5.各々の夫婦関係に多少の軋轢は感じるものの、父息子関係の葛藤が全くなく他人行儀だし、母娘関係の諍いもなんかイマイチだし、全体的にはヒネリのないキレイないい話で、山田作品の刺々しさ期待しているとパンチが弱いと感じる。死にゆく人物を中心とした家族の再構築という意味では『早春スケッチブック』にプロットが似ているが(こっちは「北国の春」の合唱だった)、それを小津風に薄めてしまって中途半端な作品になってしまった感じ。 |
4.病院を抜け出してから急に面白くなった。やっぱり病院の中いうのは、面白くないもんやね。 【ケンジ】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-04-19 14:46:55) |
3.「ながらえば」、「冬構え」、そして本作。扱っているモチーフもテイストも全然違いますが、日本の湿っぽい「グラン・トリノ」と呼びたい。潔く老いて居ることを教えてくれます。すばらしい! 【なたね】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-01-20 19:16:42) |
2.《ネタバレ》 『ながらえば』よりもいいできだと思います。笠智衆と杉村春子が出ていることもあって、どことなく小津安二郎の映画を彷彿とさせるところがありました。小津作品が、堅牢だった日本の家族関係が緩やかになっていくさまを描いていたのに対し、本作はバラバラだった家族が、息子の病気をきっかけに再び集まるというプロット。ただしそれも一時的なもので、息子が亡くなればまたそれぞれ散っていく。とはいえ、以前とは違った関係になっているところが、余韻を残しました。この微妙なところがリアルでけっこう。各人物の心情も過不足なく描かれ、しみじみとした人間ドラマになっていました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-12-27 22:14:22) (良:1票) |
1.この頃になると、笠さんも少し衰えが目立ってきたかなと思います。癌に侵された息子と父、家族の交流を描いています。 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2004-01-10 23:24:19) |