★27.《ネタバレ》 まあとにかく景色というか自然が綺麗。 そしてカット割を細かくするのではなく長回しで役者と背景をじっくり撮ってくれてるので、奥行きや季節の空気感など非常に感じられて見ていて楽しいです。 地主と百姓の息子。立場は違うけど奇妙な友情、時に衝突しながら、最後は共に天に召される展開は、時代が違えばもっと違った形の友情を育めたのではないかと思うばかり。原題の「20世紀」の犠牲になった若者たちという感じです。 まあ、現代からすれば、社会主義も大概じゃね?とは思うばかりですが、それはやはり自分の住む国を基準に考えてしまうからでしょう。 長らくDVD化されませねしたが、確かにこれは児ポ法に引っかかってもおかしくない描写もあり、非常に複雑な立場だったんだな、とは思いますが、残虐性や卑猥さもこの作品には必要だと思います。20世紀を生き抜いた彼らの証として。 5時間越えの作品ですが、内容も濃く、長さを感じさせない作品でした。 【クリムゾン・キング】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-01-07 02:19:01) |
26.《ネタバレ》 二人の男の人生を長時間に渡って、悠々と描き切った映画。相棒と同じバディものであるところが、新鮮。若い時にみたので、細かい所は覚えていませんが、 飽きることなき、そして終了時は満足した記憶があります。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 8点(2018-12-21 13:40:49) |
25.《ネタバレ》 ベルトリッチの代表作は『ラストエンペラー』よりこちらじゃないか。ファシズムの盛衰を5時間以上かけて、一気に描いた演出力には舌を巻く。政治色が強く見難いように見えて、メロドラマをふんだんに盛り込んで見易い。かと思えば、農村の営みと紙一重なエログロもふんだんに盛り込んで見難くて、どっちなんだか。DVD化に時間がかかったのは児童ポルノ要素が少なくないからで、土を掘って腰を振ったり、裸マントで"皮"を剥いたり、男児犯してジャイアントスイングで殺害とか今だったら撮影不可能だ。最初見たときは社会主義礼賛かと思ったが、極端な政治思想に支配されると、賢さを放棄した労働者層の不満が爆発して対極の思想に傾くのはどの国もどの時代も同じか。ドパルデュー、デ・ニーロ、ドミニク・サンダが物語の中心にも関わらず、ドナルド・サザーランドの怪演が衝撃的すぎて彼しか印象に残っていない。いずれにしても今日の大作より、真に大作していた。もう色んな意味で似た映画が撮られることはないだろう(モラル的な意味で)。 |
24.《ネタバレ》 見応えあった!地主の功罪を問うた1900年代。戦争もはさむが、そこはあまり描かず、ドラマは2人の男の生活にずっと焦点を絞って描いてる。後半の軸は、地主のデニーロに取り入るサザーランドの犯罪を中心に展開するが、第1部と第2部、それぞれ見せ方を変え、観る者を惹きつける圧巻の5時間ドラマだった。この映画が上映されたのは「ET」「炎のランナー」と自分が映画にのめりこんだ頃の作品だ。当時は長い映画だなぁと思っていたが、印象的なタイトルで心に残ってた。その映画をついに観たぞ!ベルトリッチは、自分が40歳代になって、良さが分かってきたが、やはり映画の天才に違いない。2000年代に入ってからの映画より、1980年代の映画の方が、やはり自分のセンスが培われた頃の作品なので、すっと体に沁みてくる気がする。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2016-06-01 22:45:41) |
23.1976年にこれを見て(まだ共産主義に未来を感じることができたので)、もうちょっと前半がスピーディーだったら、自分の人生に残る作品になっていたように思う。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-19 12:50:47) |
22.《ネタバレ》 五時間の長丁場ということで、見る前は途中で退屈して放棄することも覚悟したんですが、休み休みとはいえ、完走できました。 毎度のことながら歴史好きの人間にとっては、自分の知識が欠けている外国の歴史を知ることができるのは、新鮮な喜びです。前近代的な社会がファシズムに飲み込まれ、敗戦を気に一転無秩序状態。(あれを民主主義というのはどうかな、あの時点でイタリア王国は存在してたわけだし、共和国に変わってからも社会主義になったことはないので、ある種暴徒と化した民衆が自分らで人民裁判したり、農地解放したりするのを民主主義というには抵抗を感じます)この流れが非常にわかりやすく理解できました。思うに、民主主義の土壌がない国が急激な近代化を遂げた場合、左右どちらかの暴力的な全体主義(社会主義とファシズム)に流れがちなのでは。少しイタリアの現代史を勉強したくなりました。 またアダとアニタには魅力的な女優を、そしてレジーナには魅力が乏しい女優を配するようなキャスティングも好きです。(こういう細心さって、英米映画には欠けがちですよね。さすがイタリア映画) ただ、牛の脱糞シーンや、豚の解体シーン、あるいは酒で痙攣をおこす女性など、意図不明な露悪的なシーンには少し嫌悪を感じましたが。 【rhforever】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-08 11:53:53) |
21.ギリシャ悲劇から派生したようなアンゲロプロスの『アレクサンダー大王』を観た年だったので、こちらはイタリアオペラ、何かと比較してしまった。あちらが集団の力学としての歴史という視点だったのに対し、こちらはオーソドックスな個人のドラマの集積としての歴史。当然あちらのロングとこちらのアップの対比もあり、顔のアップはおのずと演技のオペラ的誇張を伴う。メリハリがつくという利点と、パターン化されるという欠点が、こちらにはあった。本作で一番生き生きしてたのは、ファシスト夫婦だったろう。逆説的に言えばこの二人が最も非政治的な存在で、オペラの悪役のような感じ。そういう大衆劇化された歴史の面白さはあったが、物足りなかったのも事実。少年時代が一番いい。地主と小作の友情ってのに無理がないし、とにかく風景が美しい。オルモが食堂でレオに呼ばれて、一族の構成員であることを確認されるシーンが特に素晴らしい。農民たちはこう団結しこう生きているのだ、って。忘れてならないのが、エンニオ・モリコーネの音楽。労働歌というか革命歌というか、そんな本来暑苦しかるべき・握り拳が似合いそうな曲想を、歴史の霧を通して一度ナマナマしさを濾過したような響きがあり、懐かしがっているように、時代遅れとなったメロディを哀惜しているように、染み入ってくる。名曲が多い彼の仕事の中でも、とりわけ忘れ難い名品だろう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-05-10 09:57:19) |
20.《ネタバレ》 歴史の波と階級格差に翻弄されたロバート・デ・ニーロとジェラール・ドパルデューの親友ふたり。 しかし、衝突し合いながらも、老いるまでどつき合う二人を見ていると、心の奥底では繋がっていたのだと感じる。 環境によって、仲がいいはずの親友同士が、こうした諍いを起こすのは、私達の世界にもある話で、ある意味、とても哀しい話ではある。 だが、ラストでそれは美しく飾られ、幕を閉じた。 ベルナルド・ベルトルッチは、こうした歴史大作を作らせると巧い。 『ラストエンペラー』と並ぶ、ベルトルッチの一大叙事詩的作品であり、見応えのある作品だった。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-14 23:10:46) |
19.《ネタバレ》 イタリアでなぜファシズムが生まれ、国中を席巻していった過程を見事にドラマ化していますね。長編なんですが、まったく飽きることなく観ることができました。まあ、ドナルド・サザーランドの役はちょっとデフォルメされているような気もしますが。 しかし、ラストのまとめ方は本当に常人の想像を超越した見事なものでしたね(こうくるか・・・という感じでした)。 【TM】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-05 00:52:52) |
18.《ネタバレ》 かれこれ二十数年前友人たちと皆で映画に行こうということになり、皆は「遊星からの物体X」を観に行き、私はデ・ニーロがでてると言うだけで大阪の梅田にこの映画を一人で観にいきました。勿論前知識はありました。当時の新聞にヨーロッパは前後編別上映だが日本は同時上映し五時間を越える、みたいなことが載ってました。結論を言えば劇場で観て本当によかったということです。当時のチミノ作品のように三時間を平気で越える作品を長いと敬遠する人もいますが作品によります。監督の意図のもとにその一瞬の画面に意味を持つもの(アングルであったり照明であったりストーリーであったり・・・)が連続してフィルムに焼付いていれば例え五時間でも退屈することはありません。冒頭サザーランド達が追われるシーンがあり後半に同じシーンがありますが、その過程をどのように観て後半のそのシーンでいわゆるカタルシスを覚えることができるかもひとつの目安になるでしょう。映画は最初の十分だといつも思ってますがその十分で私は引き付けられ、二十数年たった今でもかなりのシーンを覚えてます。それだけでも私には満点です。 後日「遊星からの物体X」も観に行きました。こちらも傑作です。 【すんくじら】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-04-26 09:58:45) |
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17.《ネタバレ》 リバイバルに気づき映画館へ行きました。飲み物、食料を十分に用意し、そしてクッションを二個持参して鑑賞しました。観賞後、無事完走した何とも言えぬ充足感に包み込まれました。長時間作品で、きついエロ・グロの描写があるので、未見の方はしっかりとした覚悟を持って臨んで欲しいと思います。ラストシーンはせつないような、ちょっと救われるような、とても奇妙な感傷にひたりました。とにかく、役者陣の演技がたいへんすばらしいです。もしも、スタッフ、キャストの中で、あなたが誰かのファンを自負するならば、この作品こそが登らなければならない山だと言えます。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-13 12:32:41) |
16.【りく&あん】さんと同じくデ・ニーロがカッコ良くない。魅力を感じなかった。魅力を感じなかったっとい点では他の登場人物にも言える事でこれでもかって位になびく赤旗には正直悪寒が走った。だけどストーリー自体は入り込めやすいので5時間は気にならなかった。 【ゆきむら】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-06-06 15:21:47) |
15.イタリアの農村の風景、農民達の共同性豊かな生活、地方領主の権勢、時代の情景などが、見る側の想像力を強く揺さぶるように伝わりました。どの登場人物も、型にはまらず、生き生きとしてエネルギッシュです。・・・・特にオルモ、アッチラが最後まで印象的。アッチラを見ていると、豊かなものに対する屈折して執拗なルサンチマンが、ファシズムのエネルギーを供給し続けた状況がよく理解できました。アルフレートについては、跡を継承したあたりから、描く方のビジョンが混迷して、躍動感がなくなった印象を受けました。・・・・・ただ、人物達があまりに生き生きと、自分たちの生を全うし始めるので、だんだん収拾がつかなくなり、最後の1時間ほどは、断片的で脈絡が不明な寄せ集めになったのではないでしょうか。特に最後など、農民は祖父達のように静かに眠りにつき、地主は、正義、神の裁きを受けるということを、アンナカレーニナ以来の、鉄道の象徴を使って示したのかもしれませんが、とってつけたようでした。・・・・とはいえ、全体として記憶に残るシーンにあふれていました。例えば冒頭のシーン。脈絡を知らず見ると、アッチラ、レッジーナが哀れに見えますが、4時間後、事情を知った上で、同じシーンに接すると、全く違った感情がわきます。客観的認識とは一体何なのかが問われていたのでしょう。・・・・全体として、私たちが歩いてきた道を、想像力豊かに描いた素晴らしい作品だと思いました。 【王の七つの森】さん 9点(2004-09-21 09:20:23) |
14.きつい。登場人物に魅力が感じられない。動物を殺すシーンを誇らしげに入れてるのが腹立つ。など、不満な点が多いが、確かに時間の長さは感じさせない。(とはいってもさすがに疲れたが。)ドナルドサザーランドは馬鹿役がよく似合う。 【ぷりんぐるしゅ】さん 2点(2004-02-16 21:31:26) |
13.かっこ良くないデ・ニーロをおそらく初めて見た映画。ちゃんとおぼっちゃんの顔になってるのが凄い。だって「タクシードライバー」と同じ年の作品ですよ。この映画、学生の時に見といて良かった。ただでさえ最近映画を見れる環境に無いのにこの長さはかなりきつい。私の場合、長さを感じずに見れたと記憶していますが、時間に余裕のある方はぜひ一度ご覧あれ。このスケール、いかにもベルトルッチ。 【R&A】さん 7点(2003-12-15 18:20:54) |
12.いや長いね。ここまで長い映画を一気に観せるっていうのもどうかと思うが。(まぁ映画館では途中で休憩があったけど) とりあえず観ている最中、背中は痛くなるわ、首は痺れるわで結構大変でした。もちろんデニーロはかっこいいし、ドミニクサンダは綺麗だし、サザーランドもいい味だしてます。でもストーリー的にいまいちのめり込めなかったところがあったし、特に赤旗が延々となびくラストはやっぱりきつかったなぁ。尻もきつかったし。 |
11.ついにでたデ・ニーロのぼかし!いやまぁ、それはともかく、さすがに長い、、、、。おいらの集中力の問題だなこりゃ、、、、。 【あろえりーな】さん 5点(2003-08-27 00:38:09) |
10.オールナイトの映画館で見ました。長さを感じさせない映画でした。ドミニク・サンダが本当にきれいです。 【omut】さん 6点(2003-08-04 07:36:31) |
9.個人的に、映画の出来は最初と最後で決まると思っているのですが、この映画に関しては、最初のドラクロワも、ラストの線路も素晴らしいですね。霧もやの農村・革命の日の晴れ渡った空の対比も見事。早くDVD化されないかな。 【上海魔人】さん 10点(2003-06-07 13:35:19) |
8.5時間壮大なパノラマで描かれた映画。時代背景と友情が敵対心に変わる人間模様を織り交ぜ、スケール大きく描く。ファシズムの台頭と衰退を絡めた展開はみる者を引きつける。でもちょっと長すぎるかなぁ・・・ 【ゆたKING】さん 6点(2003-02-20 18:16:20) |