6.《ネタバレ》 導入~序盤の雰囲気と演出は相変わらず素晴らしく、これから起きるであろう惨劇を予感させるのに十分な効果を発揮しています。正統な続編にも関わらず、1作目、2作目とは違う切り口で始めているため、最初の悲劇はどのような形で訪れるのか、期待せずにはいられません。まさに怖いもの見たさの欲求を満足させてくれる演出になっています。
ですが、前半の雰囲気や丁寧な作りが嘘のように、中盤から後半になるにつれ雑になっていく感じに、正直興ざめです。被害のスケール自体は大きくなったのですが、その分俗っぽさが増し、一番の見所であるはずの終盤がただのモンスターパニック映画と変わらない仕様に。これにはヘルレイザーのファンはがっかりでしょう。
セノバイト(魔導士)達は、ピンヘッドと同列の、神に近いような存在だったからこそ魅力があったわけで、ピンヘッドがお手軽に作り出して子分みたいに従えるのは、前2作への冒涜にすら感じられるわけです。
また、テリーやドクといった魅力的なサブキャラを出しておきながら、二人のラストは見せずに気づいたらピンヘッドの子分にされているってあんまりでしょう。
一番残念だったのは、パズルボックス。パズルボックスで扉を開けた瞬間、壁の隙間から光が差し込むあの緊張感こそ、ヘルレイザーの一番の見所なのに、それを無くしてしまうなんて・・・。
3作目だけを独立した映画として見れば、素直に面白い作品と言えなくもないですが、これはあくまでも1、2作目の続編。だとしたら、ヘルレイザーの魅力となっていた部分は素直に踏襲してほしかったと思います。