42.《ネタバレ》 子供の時、日曜洋画劇場で淀川さんが「今夜の映画は怖い怖い映画ですよ~」と解説をしていて、その時点でビクビクワクワクしながら鑑賞しました。まったく予備知識無く観たので、本当に「敵」の正体が分からず120%映画を楽しむことができました。大人となった今ではもうこんな見方は出来ないですから、貴重な体験でしたね。
映画の内容はというと、エンタメ作品としてほぼ完璧と言ってもいいほどの出来です。物語とキャラクターと世界観が、それぞれ互いに影響し合いながら見事にストーリーをテリングしています。この語り口の巧さには脱帽します。
ヘリ(乗り物)で、派手な音楽をガンガン鳴らしながら映画の世界へ誘う冒頭部分。これはダイハードと同じ手法の導入部ですね。
そして各々キャラ紹介。キャラ単体ではステレオタイプですが、「あいつと接する時はああいう態度。こいつと接する時はこういう態度」といった具合に、キャラの「関係性」までさりげなく描いていているのもヨシ!持ってる装備でも個性が表現されています。
対ゲリラ線でキャラたちのプロフェッショナルぶりを描きつつ、そんな彼らでさえ怯えるほどのプレデター最強ッぷりも素晴らしい。
人間の声をコピーしたりして、妖怪のような不気味さもあります(笑)。常に監視されている状況なので、昼間太陽がさんさんと降りそそぐ中でも終始不気味な世界になっています。
ジャングルが舞台だということを十分に活かしたアクションや仕掛けも見応え沢山。BDの映像特典を観て知りましたが、常に斜面を移動することで不安定さを煽ったのだとか。演出が渋い!ただジャングルで撮影した結果ああいう映像になったわじゃないんだなあ。
プレデターとシュワちゃんの一騎打ちになると、もはやどっちが怪物かよく分からない壮絶ぶり。シュワちゃんが投げた石の音と軌道から隠れ場所を狙撃するプレデターも激シブだ!
女性捕虜のキャラクター性が少々弱いという欠点もありますが、映画全体の出来から言えばささいなもの。「俺たちは消耗品(エクスペンダブルス)さ」というセリフも、今だからこそニヤリとさせられます。「人間が争う場所」にプレデターが現れる、というのも示唆に富んでいると思います。文句無しの傑作!