19.《ネタバレ》 一度体験して、その素晴らしさを知ってしまったら、それがない生活にはもう絶対に戻れないもの。その例えとしての「ウォシュレット」なんでしょう。 もし今を記憶したまま、とつぜん30年以上前の昔にタイムスリップしてしまった、としよう。僕としては、スマフォもネットもYouTubeもないのはたぶん我慢できる。不便にはなるけど、煩わしさを感じることも多いし、こんなものたちはなければないで何とかなるよきっと。しかし、ウォシュレットは別格。もうこの爽快感と便利さを知ってしまったからには、それがない生活 (ウォシュレットの存在しない世界!) にはもう戻れる気がしません。 だからおそらくは、過剰な便利さよりも本当に一つだけ必要なものとは何だろう? といった問いかけのお話しなんです。 「システムの氾濫と腐敗」 見逃しがちですが、おもちゃ屋の彼が詩の朗読会で読んだこの言葉が意味深だったように思えます。荻上監督らしく、まったりとしたとぼけた味わいでしたが、本作は発展する過度な文明社会に対する監督なりの答えかもしれませんね。 もちろん、ウォシュレットにこだわらず、考えるもよし。 なくても大丈夫なもの、そして本当に必要なもの。 あらら、、なぜか今ある人間関係がたくさん浮かんでしまったわ (笑) 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 6点(2020-07-25 01:06:15) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 おもしろかったと思う。もたいまさこ演じる【ばーちゃん】が、せりふは、一か所だが、大変存在感があった。 途中に出てくる手作りギョーザや、寿司など、アイテムもばっちり。【かもめ食堂】の、まったり感を期待して観たが、 あれとは違ったコミカルな演出が、良かった。 最後に出てくる【ウォシュレット】のシーンは、ちょっとオーバーな気もしたが。 【G&G】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-03-07 10:12:22) |
17.《ネタバレ》 いい映画でしたね。最初は無表情な“ばーちゃん”に嫌悪感を抱きますが、次第に温かいものを感じるようになります。わずかな表情の差で演技する、もたいさんはさすがですね。一人でつまみをかじりながらビールを飲む主人公に黙って餃子とご飯を差し出し、自分もつきあってビールを飲むばーちゃん…言葉は無くてもそれだけで充分に愛情を感じさせてくれます。いいシーンでした。そのばーちゃんが亡くなった時は自分も思わず涙が頬をつたいました。時折はさまれるコミカルなエッセンスもいいアクセントになっていますね。まあ、この映画は常識に当てはめて見ると多分つまらないでしょう。ファンタジーとして見る映画です。 【イサオマン】さん [地上波(邦画)] 8点(2015-12-16 22:50:19) |
16.《ネタバレ》 かもめ食堂が雰囲気のある映画で結構好きだったので期待してみたのですが、はずれでした。全編英語で、B級のハリウッド映画を見ているようでした。これ、そもそも海外でとる意味があるんでしょうか?この監督がハリウッド映画をまねてマスターベーションしているだけに感じてしまいます。これだったら、日本を設定にして、外国人の祖母のほうが、奥行きのある映画に仕上がった気がする。まず、ハーフか、クオーターの欧米人が、全く日本に興味がなく、日本語力がゼロという点が疑問。一緒に住んでいる祖母が日本人で、英語を全く話せないのに、伝える努力が全くないというのも愛を感じない。ネット社会なのだから、ちょっと調べれば簡単な日本語くらい見つけれるし、辞書でもあれば片言でもコミュニケーションがとれるのに、お金を借りる時でさえ、それをしようと努力をしない。単に金をだまし取っているようにすら感じてしまう。ばーちゃんという呼び方だけがものすごい違和感を感じてしまう映画でした。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 2点(2015-03-23 14:22:28) |
15.コメディホームドラマですが、日本の映画でありながら全編英語というのがユニークでした。やはり日本のウォシュレットは最高ですね。ストーリーもなかなか面白かったです。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-08-26 20:07:19) |
14.《ネタバレ》 ミラーを拭く男の緒形拳のようにもたいまさこもほとんど台詞がない。 それは非常にもどかしくイライラする設定。以心伝心なんてありえない だろう、英語圏の人間となんて。 【かれく】さん [DVD(邦画)] 2点(2013-05-06 16:06:40) |
13.前作や前々作に比べると、独特のクセは少し控えめなんだけど、それでもやっぱり人物が無機質でプラスチックなんだよなあ。ここはこうやって何を言わんとしているのですというのが、見えすぎなのです。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-04-14 22:37:31) |
12.《ネタバレ》 山田監督の100選で鑑賞、荻上のスローな映画は好きなのですがね、前の「めがね」が今ひとつ感性に合わなくて、ためらっていたのですが、それなりに良かったと思います。一言も発しない、「ばーちゃん」が控えめに出ているのですが、案外、それがキーで中心だったんですね。最初の家族のバラバラさが、「ばーちゃん」の死後、一変しているのなんか、数々の何気ないエピソードとともに、幸せな感じがしました。 【min】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-04-12 20:36:45) |
11.《ネタバレ》 言葉も心も通じない異国のばーちゃんと、孫たち一人一人がそれぞれのきっかけでばーちゃんと少しずつ通じることが出来た。ママのミシン。餃子とトイレ。エアギター。引きこもり兄のピアノとスカートは最後に見事四人を繋げた。味のある小物使いと空気感、そしてそれだけに終わらせず、人情味溢れる素敵な作品だったと思う。悲しいシーンを清々しくズッコケさせたラストも秀逸。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-13 15:07:22) |
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10.《ネタバレ》 この監督独特の『意味の無い感じ』を醸しつつも、ばーちゃんとママに遺された家族の交流というテーマがあったので、今までの作品よりは集中して観れたかな。 しゃべらないもたいさん、独特の間、クスリとさせようと散りばめられた笑い、どれもそーゆー『味』なんですが、まだまだ一種強迫観念のようなものを感じてしまいます。 『この味がわからないのはオシャレじゃないのよ!?』と。 まぁそんな卑屈な気持ちで観ちゃっちゃしょーがないのかもしれませんが。 【ろにまさ】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-03-02 17:17:48) |
9.そもそも、考えてもみれば、会社勤めもしていない婆さんが、皆の朝のピーク時にトイレを長時間に渡り立て篭もり占拠しているなんてありえない話なんですよね 一体どんだけ周りに対して気遣いのない婆さんなんだって。一体どんだけ空気の読めない婆さんなんだって。そのへん少しリアリティさに欠けてしまったでしょうか 残念だ。もたいまさこ演ずる ばーちゃんキャラが今回どうも好きになれなかったことが減点材料となってしまった。残念だ。 でも、その他の面ではすごく良かったんですよね 家族・兄弟の結束力を示すドラマとしてひじょうに良い出来栄えだったかと思います。さしあたって、妹が兄をかばい、彼氏もどきを非難しながら、兄の手を取り店外へと連れ去るシーンなど あそこかなりジンときた。あそこ好きな場面の一つとなりました。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-06 22:06:23) |
8.よかったと思います。話としてはありがちなんだけど、登場人物のキャラクターと、それによってかもし出される雰囲気が好き。悪人が登場しないところもいい。『かもめ食堂』よりも、ドラマ『すいか』っぽい感じがします。言葉が通じなくても心が通じればオッケー、みたいなところがあって、何とはなしに嬉しくなってきます。まあこの映画に関しては、あれこれ理屈を並べるよりも、実際に見て味わうに如くはないでしょうね。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-05 22:12:14) |
7.《ネタバレ》 これは好きですね。足の付かないベンチに座っている姿。語らず、しかしすべてを了解しているような不思議な大物然としているばーちゃんが好き。「あそこ」からきれいさっぱり退場するすがすがしさ。荻上監督、「かもめ食堂」以来、何となく満たされていなかったあの気分を、全く新機軸で取り返してくれました。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-09-16 22:37:54) |
6.《ネタバレ》 退屈ではあるけど、B級アメリカ青春映画として見れば普通で嫌いでもない。 【reitengo】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-06-26 23:05:24) |
5.《ネタバレ》 この監督さんの作品は初めて観たのですが、なかなか独特な雰囲気がありましたねぇ。最初のほうは、オタクで淡々としたキャラの主人公にちょっとやんちゃな妹、ひきこもりの兄というその構成と語り口がいかにも紋切り型で、なにかのアメリカ映画の真似事のようにしか感じなかったのですが、全編に渡ってちりばめられるユーモアが凄く独自性があるなと思いました。クスクス笑っちゃったし、見終わった後はほんの少し元気を分けてもらったような気分。冷静に振り返って考えてみると、中身やメッセージ性はほぼゼロの内容なんだけど、しいて言えば日本のトイレは世界一ということかな、、、、(笑)。便座が温かいと最高だし、ウォシュレットは特に女性には必需ですし。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-09-11 22:57:10) |
4.良く言えば、味のある作品だけど、一歩間違うと単調でつまんない作品になってしまう。 僕はぎりぎりセーフで多少楽しめたけど、かなり微妙なラインを狙ってる作品だと思う。 とりあえずTOTOの宣伝みたいな映画だけど、ラストのウォシュレットがいちばん笑えたので、そういう意味では成功してるのかも知れない。 あと、中盤では少し泣けるシーンもあって、意外と悪くない作品に思えた。 僕にも妹が居るので、妹に優しくされるという設定には弱いです。 贅沢を言えば、ばーちゃんにはもっと喋ってもらいたかった。 意味は通じなくてもいいので、日本語の台詞が欲しかったですね。 そういう設定だから仕方ないんだろうけど、もたいまさこの味が失われてるような気がしました。 【もとや】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-30 14:21:17) |
★3.《ネタバレ》 難しい映画ですね。 意味はいかようにも取れるのだけど、何かメッセージ性があるのかと言うとそれも微妙なんだよね。なんだか、踏ん張りきれないものがある気がして。 例えば、ラストの大オチに関して言えば、物凄くブラックなオチなんだけど、そのオチを持ってくる上でのカタルシスが不十分な気がするんだよね。最後まで綺麗に流して観られるように作るのは日本の映画には多いのだけど、ここでそんな綺麗な流し方をしても爽快感を味わった気分になれない気がします。ばあちゃんの重要な一言も脚本上のキーワードとしてラストでもう一度使うチャンスがあったと思うのだけど、そこまでまくりきれなかったところが残念。(と、ここまではタイトルに引っ掛けた感想) 全体を通してみると、ちょっとストーリーにバランスの悪さがあるように感じられます。特に前半は後半と比べると、物凄く観ている側を引きつける様なものが無くて、ただ単に人物のプロフィール紹介に近いことしか出来ていない気がしました。だから後半のテンポの良さに比べて、前半部分がやたらと時間が掛かっているようなきがしています。それと登場人物の生かし方が勿体無さ過ぎ。かなり個性的なキャラクターを出しているのに有効な使い方が出来ていない。前述したとおり、キーワードの使い方が不十分だし、オタク(Geekと使われているけど、どちらかといえばNerdの方が正しい気がします)に対しても非常にステロタイプでその辺の描き方に監督自身があまり理解していないという印象が強く残りました。後半に進むに従って面白くなるのだから、前半でちゃんと観客に対しての心の引っ掛かりみたいなものをしっかりと作った方が良かったんじゃないかと思います。 【奥州亭三景】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-05-22 17:41:46) |
2.《ネタバレ》 動き出す物語。『かもめ食堂』を起点とし、作品を重ねるごとに淀んで行った感のある『めがね』『プール』『マザーウォーター』に対して、荻上監督は前に進もうというベクトルを示したように思えます。ばーちゃんの存在によってバラバラだった兄妹が家族として意志を持って動き始める、その背景にある物への執着からの脱却は、ラストに至ってそこまでか!とブラックな笑いにまで昇華させたり。ただ、荻上監督の語り口は従来とあまり変化していないように思えて、それがこの「起伏がありクライマックスでの盛り上がりが設定されている映画」に対して相応しくは思えなかったのですよね。お馴染みのタッチ、登場人物の動作を淡々と追う、そこから今は捉えられても、じゃあそこまで重ねてきたドラマ、生はどれだけ反映されてゆくのだろうか?って言うと、それを想起させるまでのモノは存在しなくて。そしてそこから未来へ向かってゆく動のベクトルを感じさせてもくれなくて。ただ状況が転じてゆくだけなので、肝心のキャラの意志、映画の意志が大変に薄いものに感じられてしまいました。結果としてなんとなく前に進んでみようかと思うって程度の感覚の映画で、でも、それは映画作品自体が、と言うよりも作ってる人達の意識が、みたいに映ってしまうのはどーかと思ったりするんですよねぇ。あと、もたいまさこはイメージが固まり過ぎていて、そのイメージに依存しているようなフシがあるのも、ちょっとね。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-05-09 21:07:03) |
1.わりと多くの人が思い当たることかもしれないが、中学生くらいの頃、僕は結構トイレに“依存”していた。 特にお腹が痛いわけでもないのに、毎朝トイレに30分くらいこもっていた。その年頃特有の精神的なものだったろうと思う。 もちろん今はそんなことは殆どないのだが、以来、僕にとって「トイレ」という場所は、何となく精神を落ち着かせる場所になった。 この映画の中で、もたいまさこ演じる“ばーちゃん”は、トイレから出る度に深いため息をつく。 そのため息には、不安と安堵が入り交じったような何とも言えない心情が滲み出ている。 トイレで行う「排泄」という行為は、どうしても軽視されがちだけれど、僕たちが「生きている」ということの「証」を残すための行為とも言えると思う。 長く生きれば生きる程、その日常の行為から、今生きている自分自身の姿を鑑みることが出来るようになるのかもしれない。 だからこそ、“ばーちゃん”は、その度に深いため息をついているのではないかと思った。 母親を亡くしたアメリカ人の孫たちと、日本人のばーちゃんのささやかに奇妙な共同生活からは、人が人を思うほんの少しの温かささえあれば、人間はどのようにも生きていられるということをしっかりと感じることができる。 「自分らしく生きる」という簡単に言えて、決して簡単ではない生き方を、「かもめ食堂」、「めがね」の荻上監督らしい独特の世界観で見事に表現していると思う。 そして、この監督の映画に毎回登場するもたいまさこは、本当に素晴らしい。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-09 17:09:05) |