★1.《ネタバレ》 主人公はとある悪ガキ。カツアゲその他、悪事に余念の無い毎日。だが偶然拾ったチケットが彼の運命を変える。マジックショーか何かと思い、足を運んでみれば、そこに現れたるは、おおー、20世紀演奏史に燦然と君臨する名バイオリニスト、かのヤッシャ・ハイフェッツその人ではないですか。本物だよ本物。と私が興奮してどうするの。サン・サーンスの序奏とロンド・カプリチオーソの演奏が始まる。演奏が続く。まだ続く。あーあ。最後までフル演奏しちゃったよ(『ロッキー』ですら試合のシーンは端折ってるのに)。しかし悪ガキの目は輝きだす。演奏会後、ボー然と歩く悪ガキ(うんうん。私も経験あるよ)。悪ガキはバイオリンを買って帰り早速練習。お。弾けるやんか。実は亡父に教えてもらった経験があったのさ。しかし義父が登場、楽器を取り上げられ大喧嘩、ついに悪ガキは家出。ナケナシの金で買ったホットドッグを路傍でパクついてると、一匹の野良犬が。悪ガキは犬にホットドッグを分けてやる。オイオイ、犬がホットドッグを食べるなんて、共食いじゃないか(←違います)。と、やおら犬が一軒の家に飛び込む。悪ガキも入っていくと、そこは偶然にも音楽学校。さらに都合良く、悪ガキには絶対音感がある事が発覚。晴れて音楽学校の生徒に(・・・いいのか?)。校長役は曲者W・ブレナン。実にいい味出てます。音楽学校では悪ガキの逆カツアゲ等、どうでもいい挿話も挟まりますが、もっと大きな問題が。実は音楽学校は借金で火の車。てな訳で、あとはミュージックオブハートと大差ありません。音楽会を開いてハイフェッツに来てもらおう、ってな展開。はいメデタシメデタシ。いやいや、本作の方がドタバタしてまとまりが無くて面白いです(笑)。巨匠のバイオリン盗難事件やら、オバチャン軍団と警官隊の睨み合いやら、見どころ盛り沢山。ま、最後は巨匠が本当に音楽会に来てくれるんですが、曲目がメンデルスゾーンのホ短調Vn協奏曲に突然差し換えられるのにスラスラ演奏してしまう子供オーケストラ。器用過ぎるゾ。ま、とにかく、ハイフェッツの演奏シーンでは、ヴィルトゥオーゾの指捌きを究極までアップで拝める貴重な機会となっています。これだけでも必見です。ま、これを除くと実は大した映画ではないかも知れませんけどね(あと個人的には、子供トランペット奏者が「歯が抜けちゃった」って言う場面がホノボノしてて好きですね)。 【鱗歌】さん 9点(2004-11-03 01:35:34) |