★167.《ネタバレ》 やっぱり点数高いですよね、高くなりますよね、いわゆる「心温まる映画」、誰もに好かれる映画ですよね。しかし、この映画のとっつきやすさの理由として、“(我々とは別世界であるところの)リアルな貧しさ”というものがあるのなら、これは考えもの。主人公の少年が、①実際に貧しい家庭の素人役者である ②実は親父が石油王であり金で主演をもぎ取った のどちらかによっても、映画の評価や人気が微妙に影響されかねない(実際は残念なことに①らしいですが)。あと、「素晴らしいイラン映画でした。日本映画も見習うべき」などと言いきれないのは、「イランではこういう無難なテーマの映画でないとなかなか撮りにくい」ということだったりするし。あと、内容的にも、●主人公の少年を「何ら落ち度がない、とっても良い子」として描くだけなのは、いささか素朴過ぎるのではないか? ●遅刻しないように毎日走ってたら誰にも負けないくらい足が速くなりました。ってそんな強引な。それじゃ妹ちゃんも相当速くなってるのかね。●少年の1位を喜ぶ大人と、3位ではなかったことを悲しむ少年との、ギャップ。金魚たちだけが、少年を理解してくれている。しかしその一方で、少年のもうひとつの功績である、親父との新商売の開拓が実を結んで、実は親父さんが靴を買ってくれていたのでした。1位はとるし、靴はゲットするし、めでたしめでたし。って、そんな贅沢なオチでいいのか? 等々、皆さんもっとツッコんでくださいよ。いや、私はツッコミたくないんです、この映画好きですから(笑)。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-11-08 23:17:25) (良:1票) |
166.《ネタバレ》 「あ~、正直に全部話せば済む事なのに・・・」と思ってしまうこと自体が、子どもの感性を失って大人になってしまったという事なのだろう。そうだった。子どもの頃は、大人に怒られる事が何より怖くて、そうならないように必死だったのだ。言いたい事はたくさんあったのに言葉にならなくて、いつも泣いてばかりいた。今は、すぐに泣くアリに、ちょっとイラッとくる大人になってしまった。イラっとしてしまうのは、昔の自分の不甲斐なさを思い出すから?お屋敷訪問のシーンで、アリが見事にセールス出来たとき、「アリは凄いなあ」と心から感心するお父さん。いつもは怖いのに、妙に素直で可愛かった。 【おおるいこるい】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-25 16:30:36) |
165.《ネタバレ》 子供はどこの国でも一緒だな、という印象。あれだけ頑張ったのに報われない、誰も認めてくれない。けど金魚だけが慰めてくれた…って感じのラストが良かったです。イランというと産油国=お金持ちというイメージがありますが、靴一足があれだけ貴重なほど、貧しい人は貧しいんですね。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-16 10:08:40) |
164.あまり知られざる街でおこる活気があり心あたたまる作品だった。路地を走るスピード感がとても心地よかった。妹の靴をはいてる女の子の後をついていって結局その女の子がかわいそうになってあきらめてしまうところもいいシーンだった。なかなか自分たちの思い通りにはならないことがあるけれでも、この映画をみて、まぁそれでもいいかとおもえてしまいます。 【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 9点(2011-10-16 09:03:49) |
163.《ネタバレ》 イランのことはあまり知らないしこの作品で伝えたいことが分かりきれてないだろうけど、そんな馴染みのないイランの映画だからこそ人を思う気持ち家族を思う気持ちの普遍性を感じ、強く胸に沁みます。そして何よりあの兄妹が良い顔をするので目が離せない。できれば彼らの喜ぶ顔が見たかったですねえ。お兄ちゃんが凄く優秀でインターホンの件のところで思わず笑ってしまいました。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-09 13:35:55) |
162.《ネタバレ》 優しくて暖かくて大好き。そうそう子供の世界って大人にはわかってもらえなくて理不尽に怒られるよね・・怒るなよーアリ大変なんだぞっ でも理不尽づくしでもなくて、溝に靴落として泣いてたら近所のおじさんが助けてくれるし 担任の先生が教頭にとりなしてくれたりする。たまたま体育の授業があって運動靴に引け目を感じなくてすんだり、ここらの監督の優しい眼差しにじーんとする。妹、ひいては生活のために4キロ走るお兄ちゃん。泣かずに見られない。この妹 普段はヨメさんのごとく不機嫌顔が多いのだけど、笑うととても可愛い。弱冠7歳にしてラストで見せる「やっぱりそんなものよね」的な諦念の表情ときたら。幸せな展開を予感させる冷たい水と赤い金魚がきれい。お父さん早く帰ってこーい。 【tottoko】さん [地上波(字幕)] 10点(2011-07-19 15:38:39) (良:3票) |
161.《ネタバレ》 とにかく2人の兄妹のいたいけな感じが、ハンパない。冒頭、ザーラの靴が持っていかれたシーンから、とにかく映画が終わるまで、この2人にこれ以上悪いことがありませんように願い続けた本作でした。何も起こらないことを祈り続けた映画なんて初めてです。お父さんに買ってもらった靴を履いてうれしそうにしているシーンを、エンドクレジットでも良いから観たかったけれども。でも。やっぱりよかった。ちょっと、迷ったけど10点です。 【なたね】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-07-11 21:50:20) |
160.《ネタバレ》 タイトルに金魚。映画の中にも金魚がちょこちょこ。何かを象徴しているのでしょうが、その何かが最後までわかりませんでした。でも映画自体はとても面白かったです。小学校の女の子たちが、みんな小さい白いフード(?)をかぶっている様子がとてもかわいらしかった。最後のシーンで、お父さんの自転車からさりげなく見える2足の靴が最高に良かった。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-07-06 20:31:28) |
159.評価が高かったので、期待して観ることに.. “素朴” を絵に描いたような、作品でした..名作、とは言わないが、なかなか良かったです.. 【コナンが一番】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-29 12:48:12) |
158.《ネタバレ》 もう、あの妹ちゃんが反則なわけです。可愛いだけじゃなくて、ちょっとした視線や表情で、微妙な心理をきちんと表現している(「機嫌の悪い顔」がこれほど魅力的に映る女優って、大人でもなかなかいないのでは?)。止まった演技も走る演技も両方できる。あの兄貴ならずとも、この子のためなら何としても靴を手に入れてやるってなもんです。レースの最後、呼吸音の重なりだけで場面を進めるという技も凄い。実際、走っているときはああいう感じです。 【Olias】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-06-29 02:36:28) |
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157.《ネタバレ》 イランの市井の人々の暮らしぶりと、人間同士の交流の温かさが心に沁みる逸品。 少年の表情と涙にやられた。 そして、その少年の涙に私と同じくやられ、規則を曲げて特別にマラソンのタイムトライアルをしてあげる教師。 この下りも暖かみがあって秀逸なるシーンだ。 兄妹同士の数々の、心の通じたやりとりも印象的だった。 妹の靴をなくしてしまったことで、必死にそれを取り戻そうとする兄。 ただ靴を取り戻す、たったこれだけのことが兄にとっては一大事であり、その為に死力を尽くす。 そして最後のマラソン大会のシーン。 3着商品が靴であった為、過って1着になってしまったことを少しも喜ぼうとしない兄。 そんな失敗を、妹に申し訳なくて話せない兄。 こんな兄と妹との心の交流が、申し分なく素晴らしく描かれている。 まさにイランが生んだ類い稀なる傑作と呼べる内容で、スキが見当たらない。 イランの町風景の映し方、人々の心温まるエピソードの数々、そしてこのラストの締め方、全てが高いレベルにある人間ドラマだった。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-07 00:12:25) |
156.イランの少年が誰かのためにがんばるのは「友だちのうちはどこ?」が好きですが、あれの10年後に作られた、これもいい作品。 どちらも子供をシビアな環境において、あちらは詩的でこちらはリアリズム、女の子も出てくる。 女の子の方が「人並みに」って気持ちが強いと思うのですが、直してはいていた古い靴さえなくしてしまったザーラは、すてきな靴をはいてる友だちがうらやましくって家までついていったりする。 その子が新しいのを買ってもらって古いのを捨てちゃうとカッとなってしまい、「あたしのほしかったあの靴を、まだはけるのに捨てるなんて!」と思っているのが伝わる。 ザーラの心も細やかに描写されているので説得力があります。 お兄ちゃんの靴を溝に流してしまって必死で追っかけるのも貧しい人にとってものがどんなにだいじか見せる。 アリがすぐメソメソ泣かないともっといいのにと思いましたが不満はそれくらい。 最後はああ!と思うんだけどお父さんを見てまたああ! かわいい妹のうれしい顔を見たくて、お兄ちゃんが走る! 走る! 【レイン】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-02-14 00:00:00) |
155.《ネタバレ》 妻投稿■うちらのルームシェアではみんな発達障害ゆえにダチの娘の4歳のチビに相当お手伝いさせてしまっているのですが、いやはやこういう映画を見せられるとチビに大変申し訳ないという気持ちと、これのどこに「貧しくも“美しい天使のような”世界」があるんだと英題つけた人に口泡飛ばしたい気持ちでいっぱいなのですが、とりあえずチビに運動靴はちゃんと買ってあげると心に誓いました(笑)。■私は映画の中で、おっちゃんとアリが自転車に乗って高速道路を走るシーンで、道路の両端にガラス張りのビルが建っているというシークエンスと、子供たちが走る区画されたコンクリートロードで名誉と栄光を叫ぶ大人たちが興奮している真ん中を走るsceneがかぶりました。子供が赤い靴の為に頑張るのと同じように、大人たちも同じくらいささやかな物の為に大人の世界で頑張っているのだと言う事が、メッセージとして表現されていたような気がします。金魚が足にまとわりつくラストと、高級住宅街で息子に自転車の上でしがみつかれて嬉しそうな父親の姿。あの父親の姿は、父親の物語のラストシーンだった気がします。父親が天使ではないように、子供も天使ではない。等身大。だからこそ美しいのだと思います。 【はち-ご=】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2011-02-11 03:09:15) |
154.淡々としているのに、見入ってしまう魅力がある。愛おしい映画。 【eureka】さん [DVD(吹替)] 8点(2011-01-15 23:11:47) |
153.《ネタバレ》 金魚こそ、祝福の、激励の、そして、今度来る新しい靴の象徴。足にキスするのは、良き未来があることを述べ、痛む足をケアし「よくやった」と伝え、靴くるからね、と足をつついている。悲しみの象徴で終わる映画は山ほどあるが、幸福の象徴で終わるのはそうない。子供の時って、本当に純真で、どうでもいいことで、津波が来る位の心配をして、言いたいことも言えず、悔しいけどがまんしたりして……この感覚を持ったことがない人、おそらく裕福な家でお育ちの方でしょうが、この映画は何にも分からないでしょうね。主演の二人の子供がかわいいという意見が多いですが、なんてことはない、そこには自分の小さな頃の顔が鏡のように映っていただけですよ。 【K-Young】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-27 21:38:52) |
152.《ネタバレ》 マラソンのごぼう抜きは燃えた。短距離と違って長距離は精神力も重要、妹思いの優しいアリを見ていると心が洗われる。そしてラストがなかなか面白い。一等になってしまいモジモジしてるアリと、三等じゃなかった事を感じ取った妹のザーラ。金魚のくだりを抜けばこれでENDだけど、その後の二人の笑顔は想像できる。あえてその部分を描かないのは賛否ありそうだけど、なかなか粋だと思った。ちょっと分からなかったのがイランの学校の仕組み、男女が重ならないようになってるらしいけど、それは説明してくれないと困る。また男子用の靴(三等景品)と女子用の靴を取り替えてもらうという発想はあるのに、運動着(一等景品)を売って靴を買うという発想は出てこないのね・・・。記念撮影で下を向くアリにこう言いたかった 「喜んでいいよ・・・」 【リーム555】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-13 18:16:25) |
151.《ネタバレ》 確かに主人公一家の暮らしは貧しく描かれる内容は切ない。何度も映し出されるかわいい飾りのついたきれいな靴を履いた同級生の足元を見つめる妹の視線や高級住宅街の街並みを見つめる兄の視線からは貧富の差が確かに感じられます。 しかしその貧しさを強調するよりは路地を力強く駆け抜ける兄妹の姿、高級住宅街の庭師の仕事で収入を得た後、もっと働いて冷蔵庫を買って、お前たちの靴も買って、大きな家に引っ越そうと夢を語り合う自転車に二人乗りする父と息子の姿などを通して貧しくも力強く生きる家族を描く視線には素朴な優しさが感じられます。 その後仕事が順調なことを感じさせる買い物をするラストのお父さんの姿に嬉しくなる。なぜならその自転車の荷台には綺麗な赤と白の2足の靴が・・・!そしてマラソン大会で頑張りすぎてしまった兄が靴を脱ぎ脚を水に浸す。その足元に集まってくる金魚。とても優しく素敵なラストシーンでした。 欲を言えばお父さんが買ってきた靴を見た兄妹の喜ぶ笑顔と喜ぶ子供の姿に満足そうなお父さんの表情も少し離れた所からそっと見せてほしかったなあ・・・。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-09-11 12:12:58) |
150.《ネタバレ》 流される靴やブレーキの効かない自転車は凄まじいハラハラ感です。へたなサスペンスものの比ではありません。3位の子と商品交換してもらったら良かったのに・・・なんて覚めたおっさんは考えるのでした。残念な気持ちでいっぱいでそんなこと思いつかなかったんだよね。欧米では作れないイランならではの、味わい深い作品。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-24 18:12:55) |
149.《ネタバレ》 主人公の家族は裕福ではないけれども、ことさらに貧困を強調するわけではなく、こどもたちが家事を手伝う様子や、街中のいろいろな職業の人々の姿から、生活感は濃厚に匂い立ってくる。この兄妹の駆け回る町の路地もまたすっばらしい。キアロスタミの「友だちのうちはどこ?」を思い出す。そんな中で、お父さんが庭師の仕事を探しに行く都市部の高級住宅地とか、先生にテストで100点穫ったごほうびにもらう金色のボールペンとか、子供の視点からの「まばゆいもの」へのまなざしが際立つ。自分の小さかった頃の「目」を思い出してしまう。目にまばゆいもの、いろいろあったなあ。妹にとっては、ほかの女の子の履いている靴も、みんなまばゆい。 ラストに、それまでずっと子供たちに付き添っていたカメラが宙に上がり、金魚のいる丸い池のま上からその池に足を浸すおにいちゃんの姿を写し、さらにカメラは池の中に潜っておにいちゃんの足と金魚たちを写すとき、この作品はみごとにすてきなファンタジーにずれ込んで行く。ちょっとやられてしまったなあ、という感じ。 おにいちゃんの半泣きの顔、妹の微笑んだ顔がすばらしくって、この顔で配役したんだろうに決まっている。 【keiji】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2010-05-29 08:41:29) |
148.《ネタバレ》 貧しい家だが、父は山盛りの砂糖を簡単に懐にできる状態であっても不正は働かない。母は隣の老人にスープを分け与える。老婆は木の実をお礼にくれる。少年と少女のコミカルで思いやり溢れる暖かな余韻を残す映画だった。 【東京ロッキー】さん [DVD(吹替)] 9点(2010-02-12 13:43:50) |