★6.本作のテーマはいわゆる「名ばかり管理職」ってヤツですかね。 ぬくぬくと保身に走る上司のために、詰め腹を切らされるサラリーマンの悲哀と怒りが、前半コミカルであった本作の色調を、クライマックスではスプラッター作品へと豹変させます。 この豹変ぶり、ちょっと「文学部只野教授」などを思い出してしまいました。 もちろん単に残酷描写で煽るだけの作品ではなく、切れ味鋭いカメラが、さらに煽ってるっちゃあ煽ってるんですが、映画を大いに盛り上げます。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2018-04-08 10:58:57) |
5.《ネタバレ》 リベート、裏金、買収、隠蔽、詰腹、何でもアリの今様ドラマにぱっとしない都々逸(?)や踊り。終盤まではミュージカル風コメディかと思いきや、結末は予想に反してのアンハッピーエンド。揃いも揃って武士の風上にも置けない弱くて情けない宮仕えの面々でしたが、ずっと昔から変わらない人間性の一面を見せつけられるような時代劇でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-04-05 23:07:48) |
4.《ネタバレ》 とても悲しいお話。 武士になりたいと願い、武士に殺される。 現実にこういうこともあったのだろうか。創作の中だけてあってほしい。 ラストの大立ち回りが見ごたえあり。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-02-06 15:45:45) |
3.《ネタバレ》 のんびりした出足でほのぼの進んでいくのかと思ったら、本陣をどっちの藩が取るか、というしょうもない一点と、それをめぐるわずかなすれ違い(権三の到着時のずれ)からいきなりドラマが動き出す(とはいえ、この本陣問題、場面を変えれば今でもありそうだけど)。そこにいろいろ思惑が絡んで、怒濤のラストになだれ込んでいくのです(関西弁を操る相手方の人足頭領がいい味を出しています)。ただ、最後の槍の立ち回りはいらなかったかなあ、せっかくの心理の綾が消えてしまいました。むしろ、権三は結果として容赦なく消されるものの、そこに戻ってきた槍とか奉行とかが絡んでくる、というようにはできなかったのかな。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-02-02 03:24:09) |
2.《ネタバレ》 〝侍〟と言えば誉め言葉の代名詞として使われ侍精神には賞賛に値する面もありますが、その反面恐ろしい部分も混在するのが事実。そもそも封建社会のもと(殊に江戸時代)武士道は主君に都合の良いように組み込まれた思想体系。身分制度による差別や、面子・建前を重視し過ぎ生を軽んじるといった醜く残酷で好ましくない面も存在します。そして侍も人間なれば現実には良き面よりも悪しき面を実践していた者の方が多かったのではないでしょうか。酒を差し入れてくれた優しい侍までもが斬りかかってくる恐怖。侍の醜悪さを表面化させたラストの壮絶な大立ち回りはかなりショッキングです。・・・ところでこの物語展開どこかで見た気がするなぁと思ったら、偶然が重なり様々な思惑が絡み合い最後に一つに収束していくスタイルは…『ロック、ストック~』じゃないですか!いや~日本ではこんなに以前にやっていたのですねぇ。 【ミスター・グレイ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-11-27 18:20:22) |
1.大川橋蔵と江利チエミという2大スター共演の時代劇。この組み合わせだと単純明快なものを想像しそうだけど、悲劇性の高いシリアス時代劇というのがけっこう意外だった。伊藤大輔監督の格調高い演出もあいまってなかなかの傑作に仕上がっている。ラストの立ち回りのシーンは真っ赤な血が吹き出たりしてこの頃の東映時代劇にしては描写が残酷なのには驚いた。「椿三十郎」の影響がちょっとあるのかもしれない。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-18 02:57:52) |