2.《ネタバレ》 内容は「嵐が丘」のような愛憎渦巻く昼ドラ的大河ロマンということになろうか。まあただしあくまで大筋がそうであってそのドロドロに焦点を当てて見せようとはしていない。またラオール・ウォルシュの他の西部劇同様に純然たる西部劇でもない。主人公の出自の謎と運命の女の登場と殺しの策略が描かれているのだからこれはもう堂々とフィルム・ノワールだろう。馬とともに歩く主人公のはるか奥の山手に人影が見えるという西部劇の舞台である大地の地形を効果的に取り入れているが、その上方の人物は対峙してガンアクションを披露することはない。西部劇としての違和感はあるもののけしてこの展開は嫌いじゃない。でも主人公の無表情も相まって総じてじめじめしすぎているのが難。最後だけ西部劇らしくてホッとした。強引だけど。