38.《ネタバレ》 “The Visit”『滞在』 夜中に吐きながら歩き回るお婆さん。『夜9:30を過ぎたら大人しく寝なきゃダメ!』なんて前フリが活きているから、次の晩はどんな怖いものを観せてくれるんだろう?なんて期待してしまうし、その期待にしっかり応えてくれたお婆さん…じゃなくて映画でした。 床下の鬼ごっこ。初見時は怖さ満点だったけど、何回か観ていると、とてもお茶目なイタズラ好きのお婆さんに観えてきます。ほのぼのした次の瞬間に驚きを残すの、巧いよなぁ。老婆+お尻丸出しなんて組み合わせ、凡人には思い付かない、シャマランの持ち味全開に思えました。 シャマラン作品らしく後半に仕掛けがありますが、本作はこの仕掛けから逆算して組み立てられた作品のように思います。このネット社会で、お互い顔も知らない状況にしていますが、結構自然だったと思います。パソコンのカメラは壊しても、ビデオ撮影はOKだから、気が付きにくい風にしています。仕掛けが解っている2回目も(仮に途中で仕掛けに気が付いても)、それはそれで観方が変わって楽しめました。 祖父母と孫の初めての交流。日中の穏やかな時間が、観方を変えると、孫たちをもてなそうと精一杯頑張る祖父母に観えて健気です。日中にも徐々に顔を出してしまう異常行動。祖母は本当の娘をシンモフィテリア星に送ってしまった=カバンに詰めて井戸に沈めて溺死させているので、正常なときに娘のことを聞かれると壊れます。ベッカはその反応を15年前の母への気持ちと勘違いしてます。それでも、何とか一週間、良い祖父母を演じようとしています。孫たちも、徐々に異常に気がついていても、出されたご飯やお菓子をペロリと食べてるのが可愛い。 この老夫婦の目的は、4人でシンモフィテリアに行く(井戸で心中する)ことのようです。そのため、祖父母は地下に隠していたけど、ステイシー(訪ねてきた知り合いの女性)はブラブラさせていたんですね。 孫たちと心温まる完璧な一週間を過ごしたのは、正常時の妻クレアのトラウマを克服させるためだったんでしょう。 登場人物全員がトラウマを抱えているようです。祖父にしても、恐らく工場で白いものが見えてクビになって仮装パーティに行けなかったとかでしょうか? 終盤に姉弟が自分の力でトラウマを克服するのも一本の映画として上手いと思います。映画の最後にあれほど悩んでいた父の映像を入れ、更に賛否両論(?)の『弟が ぜひにと言うので』がサイコーでした。鏡を見てメイクできるベッカと、おむつの汚さと死の恐怖を歌えるタイラー。結論として弟くんカワイイ。 もう監督=M・ナイト・シャマランというだけで、ある意味見る前から“最後にオチがある”ってネタバレしています。そんなレッテルを貼られているので、観る前からオチを見破ろうと予想しながら観るし、そのオチが期待以上だったか以下かで、評価されている部分が強いのかなと思います。 でも、本作の老婆の裂けたズボンとか、想像したこともない映像を観せてくれて、原作ものやリメイクものが多い中、オリジナル作品で勝負していて、近年どんどん長くなっている上映時間も短くスパッとまとめられる。作品にムラはありますが、もっと評価されて良い監督だと思います。なので点数ちょっと甘め。 【K&K】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-08-31 16:11:40) |
★37.この映画が本当に言いたかった事とは、実は、「若い世代からしたら爺さん婆さんの世代の言動はいちいちアヤしくて理解不能かもしれんが、爺さん婆さんの世代からしたら、何かと言えば動画だのラップだのというあんたたちこそ意味不明なんだよ!」ということなんじゃないか、と。いや、誰も賛同してくれなくても結構ですが。しかし関係ないけど、「YouTuber」ってのはアレ、職業と言っていいのかい?(ブツブツ・・・)。 さてこの作品、姉弟の撮影する動画、が構成の基本になっている(一部、プロの手?と思しき風景ショットあり)、一種の疑似ドキュメンタリ形式。複数のカメラの映像に基づくので映画の視点が切り替わったり、はたまた登場人物がカメラの存在を意識する場面があったりして、我々もまた、カメラの存在、というものをつい意識してしまう。この構成が本当に有効であったかどうか? カメラの存在、編集という作業、が我々に意識されれば、そこには実は隠れた意図があるんじゃないか、とか何とかいう疑いも湧いてくる訳で、ある意味、映画を収束から開放(多義性)へと向かわせる効果もあるのかも知れません。が、それ以前に、どうしてもそこには不自然さが伴い、せっかくの緊迫感が削がれてしまったりもします。その状況でも撮影を続ける不自然さ。映像の緊迫感を支えている視点、「一人称」であるはずの視点が、ちゃっかり切り替わってしまう、この「編集」という第三者的な人為作業・・・。 その構成自体の危うさが、作品の持ち味なのかも知れませんが、少なからず、制約になってしまっているように感じました。 物語上は、大小いくつもか仕掛けがあるのですが、「大」が大きすぎると「小」があまり活きてこなくなるのも、これもシャマラン作品の宿命なんでしょうか。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-07-16 05:52:31) |
36.《ネタバレ》 POV映画好きとしてはシャマランもこれに手を出したんだなぁって感慨深いです。 オカルトとかじゃなくシンプルに人間怖い系は面白いですね。 「立ちっぱなしで何も出来なかった」をしっかり回収してくれて良かった。 ラップ坊や?可愛いじゃないですか。 将来有望なおでこと生え際ですよもっと温かい目で見ましょう。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-06-01 21:32:32) |
35.《ネタバレ》 これは佳作。主役の子供達と一緒に臨場感を味わうことができる、退屈しない作りです。ラスト付近の鬼ごっこ的な展開は無理矢理ホラー映画っぽくした感がありましたが、鑑賞後の後味も良かったです。 【クレイバード】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-05-21 20:59:56) |
34.《ネタバレ》 POV形式ですが「記録映画」として撮っているのでだいぶ観やすいです。 そして序盤から不穏なことが起こりつつ、オカルトか?それとも?と思わせる描写や最後の種明かしなど、展開もうまく、怖いシーンもきっちり怖いのでとても面白い作品でした。 【クリムゾン・キング】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-31 00:39:19) |
【TERU】さん [インターネット(吹替)] 2点(2022-07-03 21:18:05) |
32.《ネタバレ》 おばあちゃん恐すぎるんだよう(>_<) 何度か悲鳴をあげつつ鑑賞。 ホラーとは何か違う恐さもある。異常すぎて恐い。 オムツ顔にグリグリされた弟をみたとき、一生のトラウマやん、大丈夫?って思ったけど、最後、元気にラップ歌えてて安心した。 【ブリーバンデカンプ】さん [地上波(字幕)] 5点(2021-08-15 10:57:48) |
31.《ネタバレ》 実は祖父母ではなく精神病患者の強引さを非常に感じますが、 如何にもなホラー描写は中々ドキドキさせられました。 爺さんと婆さんの狂っている演技も良かったです。 終盤の爺さんのウ〇コで潔癖男子が覚醒したシーンは笑ってしまいました。 【とむ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-06-30 00:39:05) |
30.《ネタバレ》 POV形式で撮っちゃうとシャラマンだかシャマランだかわからんがな…と思いながら観ていたわけですが、数多ある似たようなB級C級ホラーと比べると緊張感や不気味さとか、要するに「雰囲気」的なものはさすがに一枚も二枚も上ですね。 ストーリーは恐ろしいほどシンプル! 「お前らほんとの祖父母じゃなかったんかい」というところからの種明かしが驚くほどシンプル 単に精神病院逃げ出してきただけかい!っていうね。 途中宇宙人的な話みたいなフリもしてたし「また」宇宙人かと思ったらまさかの「ただの精神病院抜け出してきた人」 いやシンプルにそれが一番怖いですけどね。 そしてこの手の映画ではお約束的なオチのどんでん返し的なところも一切ない。 殺したら単純に死ぬ! シンプル! いやこのシンプルさは、ある意味新鮮です。 そして最後にラップで語られる状況説明と被害者近況笑 まぁ家族の絆を再構築、父親との確執も解決?でよかったんじゃないでしょうか。 でも、僕はまぁまぁ面白かったんですが、期待して観たらきっと怒る人いますよね、これ。 てか木にぶら下げられてた女の人、あんな目立つことしてたら早晩見つかるだろうし、っていうかあの女性が行方不明なんだからどっちにしろ翌日までには捕まってましたよね、この人たち。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-06-24 03:00:47) |
29.《ネタバレ》 ホラーは、余り観ません。 当方、いい歳しているのですが「怖い」からです。 夜中に一人で観ていて、心底「怖い」と思った映画は、シャイニングとリングに続き三作目 カメラワークがビデオ撮影のようにグラグラと動き、無音のまま物語が進む。 昼間や明るいシーンが多く、怖さを余り感じない筈なのに怖い。 この辺りは、監督の手腕でしょうね。 「そろそろ来るぞ」と身構えていたら、ドアの向こうで全裸婆さんが壁を引っ搔いているじゃないですか‥‥お、恐ろしい 「あの人たちは、祖父と祖母ではない」という母親(この女優さん。誰かと思ったら、ワンダヴィジョンの魔女役の人でした)の言葉には背中がゾクゾクっとしましたね。 やはり、ホラーはじわじわと来る方が、怖さがえげつないですな。 P.S 子供のラップは、少々うざかったです。 【TerenParen】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-21 23:42:40) |
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28.《ネタバレ》 前科があるシャマラン監督だから、途中まさか宇宙人が乗り移ってる?と思わせる、自らの映画を使ってミスリードする掟破りの展開。 まんまと引っかかったから、母親がそれは両親じゃないって言った時には結構怖かった。 しかし、パソコンのカメラで遠目で写した映像で、そんなことまでわかるものなのかは少し疑問。 血をドバドバ出さないながらも、生理的な嫌悪感で震えさせる手腕はさすが。 オムツで顔拭かれた割に能天気な弟には少し辟易(笑) |
27.《ネタバレ》 最近、ホラー系にこういうのが多いの~。POVにすると、無理に、映像作りをする人物を登場させなければならないので、いつかこの手法も廃れるだろう。老夫婦の行動がいまいち理解困難で、少々、シナリオに無理があるが、結構、頑張って製作した努力は認めてやろう。 ※ラップしているガキが気に食わん。俺も最初からこいつが嫌いだった・・・ |
26.《ネタバレ》 私は自他共に認めるシャマランの良い客でして、毎度彼の術中にハマります。今作もけっこうな数の「途中でネタが分かった」という声を耳にするともうびっくり。世の中聡い人って多いんだなあ。ワタシは素直なので最初っから姉弟目線で話を追います。祖母が奇行を見せ、祖父までなんかヤバイ、となってもお姉ちゃんと一緒に「お年寄りなんだからしょうがないよ」と思うのだ。地域の住人だって訪れてくれるんだから、病気の前はちゃんと社会性があったみたいだし、ホラお母さんだって「元ヒッピーの変人夫婦なのよ」って言うし。 これらの材料にすっかり手なづけられたワタシのような客は、その実態が判ったとき心底震え上がるのだった。いやーもう、怖いやらシャマランやるなーと感心するやら。 そしてまた、この頑張った姉弟の成長譚となっているのも心憎い脚本ではありませんか。二人とも去った父親の枷を振り切って前に進み始めたのですね。ちゃんと鏡を見て髪をとかす姉と、恐怖体験の克服をラップにのせて披露する弟。ちょっと他にないほど、微笑ましく感動的なエンディングに感じました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-04 23:55:41) |
25.《ネタバレ》 ブレアウィッチですか?ってくらいに映画の性質が似ている気がします。確かに途中で老夫婦は別人であるということに気付く人がほとんどだとは思いますが、気付いた後も緊張感や恐怖感は続いていきますが、ほんとに「姉の映画」を撮っていただけと言われると、なるほどなと妙に納得してしまいます。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-24 00:41:24) |
24.《ネタバレ》 衛星放送の吹き替え版で視聴しましたが、字幕で見た方がさらに怖かったかもしれませんな。 基本的にホラー映画は苦手ですがシャラマン監督に引かれて見た次第。しかしホラー映画と言うよりサスペンススリラーでした。 まず、すっかり騙されましたが、そこがこの監督のうまいところでしょう。 子供達がヴィデオカメラで写すまでも自然な流れを作り不自然さはありません。そのヴィデオカメラ視線が臨場感を出しており本当に怖かった。 ヒッチコック作品を思い出した。満足な一編でした。 【仁】さん [CS・衛星(吹替)] 9点(2018-02-03 23:59:56) |
23.《ネタバレ》 映画自体は楽しめなかったので3点。 たぶん、僕の解釈がおかしいのだと思いますが、こんなふうに受け取りました。 弟の最後のラップでのセリフ「姉が老人の映画を撮った」がすべてなのかなと。 精神のおかしい老夫婦が実際いたとすると、地元の人が姉に演技指導を受けているところや、おかしいはずの祖父役の人がカメラ位置を直したりするのは不自然かなぁと。おむつを脱ぐシーンでは絶秒の位置に自ら移動して、いい画を撮ることに協力したりも。 最後の格闘シーンの前、弟のおでこの赤みが素人メイク。老人も姉弟も本気で相手を殴るシーンがない。刺すシーンも直接は映されず、血が出るのも特殊メイク。でないと子供がそんなことの後にもカメラを持って撮り続けるのは無理では? 格闘シーンで弟は祖父役を攻撃せず冷蔵庫のドアを開閉して音を出している(カメラに格闘している雰囲気の音だけ入れるため)。 最後の母親のインタビューや弟のラップは精神異常者に殺されかかった親子とは思えない。 そんなわけで、あの老夫婦を含めてぜーんぶが「姉の映画」という結論に。でも皆さんのレビューを読んで違うのかなと思ってます。もう一度見て確認するほど気になる映画でもないので、このままの解釈でいいかな。そして忘れていくんだろうなぁ。 【レイブンのかなづち】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-10-26 20:04:04) |
22.《ネタバレ》 残念ながら全然面白くなかったです。怖くもないし、ストーリーに驚きもない。弟の潔癖症という設定やラップを歌うところも何だかイライラしました。常識的に考えて、会ったこともない祖父母に会いに行かせるのに、写真かなんかで顔ぐらい確認させるのではないでしょうか。まっ、とにかく私にはつまらない映画でした。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(吹替)] 2点(2017-08-27 07:20:46) |
21.《ネタバレ》 シャマラン監督ということでオチの部分はすぐ予想できるものの、現代で問題になっている認知症をミスリードとして扱う斬新な設定、恐怖や嫌悪感を煽る描写が優れているため非常に楽しめました。オムツはマジエグいっす 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-15 02:28:10) |
20.怖かった。そんなに凝ったストーリーではないし、先が十分読める展開でありながら、間断なく緊張を強いられた。 この監督の作品を見るのは、シックスセンスに続き、2作目。なので私にとっては、名監督だ。 【代書屋】さん [DVD(吹替)] 7点(2017-04-03 23:49:00) |
19.《ネタバレ》 (激しくネタバレしておりますので、未見の方は閲覧ご注意ください……) サスペンスに慣れた人なら真相を見破るのは難しくありません。伏線と呼ぶにはあまりに“あからさま”なフリばかり。それでもなお、本作に“観る価値”があるのは、人物造形が見事だからです。老夫婦は、ただの狂人、あるいは殺人鬼でしょうか。いいえ、違います。確かに病んでいますし、社会規範や善悪の判断がつかなくなってはいますが、悪意の人ではありません。偽爺の言から汲み取るに、孫のいる人生を羨み、カウンセラー夫婦の身分を盗んだと。限定1週間、孫のいる人生を味わうため。子供たちを殺める気などハナからありませんでした(オーブンの奥を拭いて~のシークエンスが、子供たちへの殺意が無いことの証拠です)。それに事件を隠ぺいする気力も能力も備えていません。ですから見方によっては、2人の最期は巧妙な「自殺」とも見て取れます。子供たちの殺意が自らに向くように仕向けたと。姉弟2人のトラウマ解消のプレゼント付き(もちろん結果論として)。物悲しい後味と僅かな救いが本作の魅力と解します。 【目隠シスト】さん [DVD(吹替)] 7点(2017-03-25 23:24:34) |