★6.このタイトル、「ウッタオトコ」と読むのか「イッタオトコ」と読むのか。どうでもいいっての。トム・ドニフォンの葬儀にフラリと現れた名士ランサム・ストッダード、彼の回想録として映画は語られます。その昔、若かりし彼がやってきたその町は、悪漢リバティ・バランスに脅かされており、彼自身もバランスにリンチを受ける。このバランスという男・・・他人のステーキを奪ったり、ランスに足ひっかけて倒したりと、やる事成す事薄っぺらでスケールが小さい! バランスの手下に至っては、甚だ頼り無く、こんな連中じゃ、せいぜい成人式で大暴れ小暴れするのが関の山だろう。そんな彼らは、いわば西部の無法の象徴であって、一方弁護士たるランスは法と理性の象徴。そんなランスがついに武器を手にした時、もはやエリートとしての地位は完全に無意味、一個の人間と人間との戦いに身を曝さざるを得ない。弱い人間が強いものに立ち向かう姿には、心打たれるもんです、少なくとも私はね。さらに、ここの戦いに関わってくる、唯一バランスに対抗できそうな町のガンマン、トム・ドニフォン、演ずるは勿論ジョン・ウェインで、やっぱこの人、こういう影のある役が似合いますなあ。対決シーンはややあっさり描いて、クライマックスに持ってこないあたり、ちょっと変わった構成ですが、決して肩すかしという印象ではありません。映画冒頭で、廃屋等、ストーリーに関わるモノを説明無く見せておいて、後からそれを解きあかしていく描き方など、なかなかスリリングであります。 【鱗歌】さん 8点(2004-02-15 00:02:20) (良:1票) |
5.単純な勧善懲悪でないところに深みがあってよいんだと思いますが、逆に見終わった後がどうもスッキリしない。 |
4.ジェームズ・スチュアートはああいうインテリの役が合っていますね。リー・マービンのような悪役も場面が引き締まって好い感じです。ジョン・ウェインが主役ではないのも面白い。 【オオカミ】さん 7点(2003-11-29 14:02:11) |
3.《ネタバレ》 東部で法科大学を卒業し、西部にやってきた弁護士ランスと、西部の屈強な牧場主トム、折り紙付きの悪党リバティ・バランスの西部劇。拳銃が法に勝つ西部に法律書を持ち込み、正論と理念のみに駆られてやってきたランスに、言葉足らずではあるが(というより明らかに喧嘩を売っているような感じ)西部の生き方を教えるトム。ランスは理解しながらも反論。情熱を理解し応援するけれど、生き方を変えるわけじゃあないんだな、トムは。言葉には出さないけれどランスもそれが解っている。まったく、男の友情って素直じゃないねぇ~。対するワルのL・バランス、これが本当に憎たらしい。こいつを成敗することが、町の人々の望みなんです。でまぁ~ランスとL・バランスが決闘。悪者を倒してメデタシメデタシ……でもなぜ銃がヘタっぴな彼が早撃ち名人のワルに勝てたか?ちゃんとカラクリがありますが、それは後の話。とにかくランスが一躍有名になる。“リバティ・バランスを射った男”として。それで議員に当選。名士としての人生を歩むわけですが、本当のところワルを倒したのはトムなんですね。一人の無名の男が。しかも恋人(候補?)の美女はランスになびくし……。いいことないんですが、トムはランスの立候補を影ながら後押し。ランスの複雑な心境はラストの車掌の言葉「あなたはリバティ・バランスを撃った方ですから」に集約されています。正義感の塊のようなランスは複雑だったでしょう。でもトムのことを胸に刻んでいたからこそ、30年もの長い間、健全な心で政治活動を行えたのかもしれません。また、トムの死を機に本当のことを新聞社に話すランスに対して、記者は「伝説は伝説のまま残しましょう。これが西部です」と言ってメモを破り捨てる。西部の男たちの男気というものを堪能できました。ところで、L・バランスの手下の一人って、もしかして彼の悪行を少なくするために手下になっているんじゃないのか?と思う場面がありました。ランスや新聞社のピーボティをムチで打つ時、「もう死んでいる」(←実際は死んでいない)と言って、彼を止めていましたから。考えすぎだとは思いますが。付け足しでささやかなお笑いシーンを一つ。議員選出会場にトムは両開きの扉(酒場にあるような扉)を開けて、勢いよく閉めるんです。普通のドアならバタンと音がなってかっこいいんですが、前後にゆれるだけ。かすかに慌てた感じのトムが愛らしかったです。 【元みかん】さん 8点(2003-11-02 08:54:11) (良:1票) |
【hiro】さん 8点(2003-01-14 19:02:27) |
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