★18.《ネタバレ》 この作品にはいくつかの疑問点を感じますが、最大の疑問点は、おそらく皆さんと同じく「ラッセル・クロウはどうしてこんなに太っちゃったんだろう」と。この疑問に比べれば、他の疑問点なんておよそ、些細なもんです。 むしろ、疑問点が少なすぎることこそが、問題なのかも知れませぬ。青信号で動かない前のクルマに対しクラクションを鳴らしたら、そのクルマの運転手にひたすらつけ狙われる、という、基本的には、理不尽で不条理なサスペンス。『激突!』を思い出したりもすれば、『ヒッチャー(1986年)』を思い出したりもするのですが、これらと同じような映画をまた作るモノマネには陥るまい、ということなのか、違う趣向でアプローチしてきています。で、その一環として、不条理さも極力、排除する。もともと土台が不条理な世界なのに、何とかそれを理屈で補おうとする。 どう考えてもこの題材で映画が面白くならない訳がない、と思っちゃうし、現に、それなりに面白くそれなりに楽しめるんですけど、しかし、この不条理さを何とか糊塗しようとする理屈、「説明」めいたものが、やや映画を失速させてしまいます。 まず冒頭から、くだんの男が凶暴でアブナイヤツであること、が示され、これ自体は必ずしも悪くないと思います。で、寝坊した上に渋滞に巻き込まれイライラした主人公が、前のクルマに対し盛大にクラクションを鳴らしてしまう。もちろん運転席には例の男、我々は「ああ、やっちまったな」と思う。こちらのクルマの窓が不調で閉まらなかったり、男を見るなと言われても主人公の息子がつい相手を見たり、という我々のイライラ感を誘う演出にも事欠かず、この辺りもいいと思う。 ですけど、主人公がスマホにロックをかけていない、などという設定を持ち出すあたりは、これ、いかにも「伏線でございます」といった感じ。この伏線を突破口に、例の男は奇蹟のごとき聡明さをもって先回りし、主人公を追い詰める。狡猾、ってのとも違いますね。聡明と言って悪ければ、奇跡のような勘の良さ。こんな冴えないオッサンがここまでする訳ないでしょ、という不条理感はどうやったって避けられず、この作品の「説明」の部分との間が、チグハグで中途半端なものになってしまいます。 男が主人公を追い詰める手段の「説明」はこれで何とかできたとして、次の問題は、どうやって主人公が警察に駆け込むことを物語の上で阻止するか。警察に保護されてしまっては、物語が終わってしまいかねない訳で、これも何かと手を打ってきますが、何よりもまず、主人公にそのヒマを与えないくらい速く、物語を動かすこと。この辺りは、この作品、微妙なバランスを保ちつつ突っ走って行って、割と成功しているような。 派手なクラッシュシーンを挿入して見せるのなども、そういうバランスに一役買っています。 ただ、主人公とその息子が何やら作戦めいた会話を始めると、ああまた「説明」が始まったな、と、失速してしまい、どうもいただけない。さらに、クライマックスこそサスペンスの見せ場、追い詰められた挙句に男と格闘する母子と、駆けつけるパトカーの姿とを交互に描いて盛り上げるのですが、女性と少年がこの大男にこれだけコテンパンに叩きのめされて無事である訳がなく、それでも男に遮二無二向かって行く様は、勇敢とか何とか言うより、単なる意匠に過ぎない暴力を形だけ見せられているような気がしてきて。 と、まあ、「面白くないはずがない」という作品なもんで、気になる部分にはついケチも付けたくなるのですが、「それでも結構、楽しんでたくせに、そりゃ無いでしょ」という気が自分でもしてきたので、点は甘めに。これはいつものことか。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-09-23 07:08:06) |
【TERU】さん [地上波(吹替)] 5点(2023-11-04 21:52:39) |
16.《ネタバレ》 あれ?なんかラッセル・クロウっぽいなこの人。 いやでもさすがにでかすぎるから違う人だろ。 いや似てるなやっぱり・・・からのクレジットで驚きました。 信号が青になっても発進しないバカいますよね。 自分は「上品に」クラクション鳴らす人で良かった。 しかし主人公の女は酷い性格してる。そら子供に「寝坊したからでしょ」って正論ぶつけられますよ。 その癖終始被害者面してるもんだからタチが悪い。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-06-13 21:25:51) |
15.《ネタバレ》 端的に言うならスピルバーグの『激突』+『スマホを落としただけなのに』なサスペンス。恐いというより胸糞悪くて参りました。 主人公の性格や行動は褒められたものではありませんが、因果応報というにはあまりにも罪と罰の重さが釣り合っていませんでした。犯人を倒せたからハッピーエンドでは決してなく、特大の貧乏くじを引かされたことに変わりはありません。結果的には犯人の思惑通りに一生物の心の傷(後悔と自責の念)を負った訳ですから。これは萎えます。私ならちょっと立ち直れないかも。本当に、真剣に、危機管理は重要だと思い知らされました。『君子危うきに近寄らず』『スマホは命の次に大事。ロックは必須。いつ何時も手放さないこと』この2点は常に目に付くように手の甲にタトゥーすることに決めました(嘘)。 【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 6点(2023-04-25 00:16:04) |
14.《ネタバレ》 運転しながら化粧したり、運転しながらスマホいじったり、遅刻して時間守れなかったり、あげく逆ギレしたり… そんなよくない行動とってるといつかバツが当たりますよ、という教訓のような映画です。 暴力描写は昨今の映画らしくなかなかの激しさ、主人公たちの人格設定も悩み多き今風です。 が、これが面白いかというとそうでもない…まつまんないってほどでもないんですが、まさに5点「ビデオで十分」な映画ですね。 ヒロイン(主人公)がなかなかのダメ人間設定で、観客が共感しづらいのが致命的なんじゃないでしょうか。 あとレイチェルとあの弁護士は結局やってたの?どうなの? 映画観た後で一番気になったのはそこでした。気になる… 【あばれて万歳】さん [インターネット(吹替)] 5点(2022-10-10 21:13:16) |
13.《ネタバレ》 主人公および関係者に常に危機が迫り、ダレる時間が無い。 尺も短くテンポもいい。しかし・・・。 このあおり運転に関係の無い人が何人犠牲になりました? これはもうあおり運転の次元を超えてしまっている。 スピルバーグの「激突!」のように、 路上での当事者同士の対決や心理戦に重きを置いた方が良かったと思う。 そしてなによりも、冒頭で主人公のキャラ付けを失敗しているので、 特に前半はこういう映画に必須の、文句なしに「主人公ガンバレ!」という気持ちになりにくい。 感情移入できないというやつです。 それでも、ラッセル・クロウ演じる敵役があまりにも酷いキャラなので、 途中からはそういう気持ちも忘れてしまいましたけどね。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-30 19:30:32) |
12.《ネタバレ》 昨今話題の煽り運転。「煽る」とか「突き上げる」なんてのは昔から実態としてはあったけれど、最近は実際に命にかかわるような重大事件が起きたり、人様の体験を動画で目にする機会が増えたりと、正常な感覚でハンドルを握るドライバーにとっては、我が身に起こり得る危険として受け取らざるを得ない状況になってしまいました。そんな時代背景があるからこその邦題ですね。 ただ、この作品で犯人が繰り返すのは所謂煽り運転ではなく、クルマを凶器としたより直接的な暴力ですね。本来の気質に薬物依存も相まって、生身の相手を殴りつけるようにクルマでクルマごと傷めつける。だから当然、クルマから降りれば今度は生身の相手を直接傷めつける。作品全体を観る者にイメージさせるには、部分的に内容を言い表している「アオラレ」よりも、原題の「Unhinged」(狂気、錯乱)の方が適当かも知れません。ラッセル・クロウさんの鬼気迫る演技に繋がって行くような気がします。あんな目で睨まれたら二つ返事で謝ってしまいそうです。 それにしてもヒロインには感情移入出来ない。どう考えてもトムは異常で狂暴で、やることなすこと全く肯定出来ないけれど、フレッドに書かせたレイチェルへの手紙の文面だけは的を得ていて、彼女は自分勝手で我儘でだらしなくて、みっちり躾が必要な大人。だから彼女が「何なのよ、一体?」という言葉を口にする度に「アンタこそ何なのよ!」と言いたくなりました。 という訳で、スピーディな展開と適度の緊迫感、そして何よりラッセル・クロウさんの鬼気迫る演技に圧倒されて、飽きさせられることなく一気見出来るものの、少し深みには欠ける感じがする作品でした。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-09-25 23:31:08) |
11.《ネタバレ》 昨今、アオリ運転がよく話題にあがりますが、70年代にはすでにアオリ運転の問題作映画「激突」があったわけで、つまりアオリ運転なんて昔から頻繁にあり、ドライブレコーダーやSNSなどの影響で、証拠が明白になり、最近、アオリ運転がより目立つようになったんじゃないかと思いながら、このアオリ運転の最終形態を描いた映画を鑑賞。この映画のために太ったラッセル・クロウ演じるヤバい殺人鬼にドキドキするだけでなく、主人公の女性の言動にイライラさせられる作りにより、最後まで中々、見ごたえがありました。車の追いかけっこだけで完結せず、降りてみんなの見てる前で主人公の友人を串刺しにする展開にもビックリ。 【なにわ君】さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-09-09 00:06:43) |
10.《ネタバレ》 いわゆる『無敵の人』ってヤツですか? ラッセル・クロウはまさしくラッセル車の如く迫ってくる。 ま、暴力を暴力で制して、クラクションには気をつけよう!とか、どんだけコメディなん? って感じ。 ま、撮りたい画は撮れたんでしょう。 しかし浅はかでした。 即物的というか、まあ下品ですよ。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-04 23:28:23) |
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9.《ネタバレ》 とにかくそこまでするのかよ!ていうくらい、ラッセル・クロウの狂人ぶりはハンパなかった。アオラレなんていうタイトルだから、終始車による追いかけっこかと思ってたらとんでもない!そこがどこであろうがお構いなしにやりたい放題。絶対にこんな奴と関わっちゃいけない。 この映画で感心したのは、冒頭でラッセル・クロウが殺した相手との因果関係を、ファミレスでの弁護士とのやり取りで見せたところ。あそこのシーンは本当にうまいことやるな~て思えた。離婚問題で相談役だったはずの弁護士に奥さんを寝取られてしまった恨みつらみが表面化し、ラッセル・クロウがもはや歯止めのきかなくなった暴走車のようになっていく瞬間を、上手に描いていたと思う。 守るべきものがある人はくれぐれもクラクションは、優しく鳴らしましょう。 というか元々クラクションって、視界の悪い道路などで自分の存在を教えるためのもの、だったはず・・・。 あ!そうそう、あれだけの暴行を受けといて病院もいかずて、どんだけタフガイなのお母さん。おったまげですw |
8.《ネタバレ》 スピルバーグの「激突」をイメージして鑑賞を始めたので、追っかけるドライバーの切れっぷりが想像を超えていた。 まあラッセル・クロウが悪役なんだから、最後まで姿を見せない、なんて演出は無理なんだろうけど。 しかしね、あおられる側の女性に全く同情できない設定なので、あおる方にも頭にくるし、あおられる側にもイライラするしで、モヤモヤ感が非常に強い映画。 あまりの不条理な執念深さに、我を忘れたらこんなもんかなと思いつつ、ラストのハサミ串刺しにも全くカタルシスが得られず。 ちょっと困った映画。 |
7.《ネタバレ》 アオリ犯とアオラレ犯。言わせてもらえば、いくら該当事件の被害者とはいえ、彼女の自己チュウ暴走により幾多の一般人が命を失ってしまった大事件。言うなれば、彼女は立派な重要参考人であり、辛辣な言葉を浴びせさせてもらえば、彼女だって立派な危険運転致死傷罪、つまり、準犯罪者でもあるわけだ。 なのにですよ、そんな人物に対して『もう帰って構いませんよ』ですってさ んなバカな‥ しかもそんなセリフをただの一警官に言わせてしまったというアホな脚本、そしてそんな危険人物がまたなんの迷いもなく懲りずにハンドル握ってお帰りになるとは、どんだけ平和に終わらせたがるのかしら、信じられない終焉ですね、影で命拾いした弟はそれでもきっとティンコ火傷して泣いていることだろうに、なにを晴れ晴れとした終わり方してんでしょね いやん、バカん。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-06-23 23:54:43) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 現在別居中の夫と離婚協議真っただ中のレイチェルは、年頃の一人息子を女手一つで育てるシングルマザー。何かと難癖をつけてくる夫やうまくいかない仕事など、彼女の日々抱えるストレスはもはや限界に達しようとしていた。そんな折、寝坊して慌てて息子を学校へと送り届けようとしていたレイチェルは、青信号なのに一向に走り出さない前の車に思わずクラクションを鳴らしてしまう。それでも動き出さない車に、彼女は悪態をつきながら乱暴に追い越すのだった。だが、レイチェルは知らなかった。その車を運転していたのは、浮気した妻を殺して現在逃亡中の凶悪な犯罪者であることを――。「運転マナーがなっていない」とレイチェルの後を執拗に付け狙い始める男。無事に息子を学校へと送り届けたレイチェルだったが、自分の車をずっとあおり続ける男の運転に次第に恐怖を抱いてゆく。思わずガソリンスタンドへと逃げ込み、店員に助けを求めるレイチェル。だが、もはや自暴自棄と化した男は、そんなことなどお構いなしに更なる暴走を開始するのだった……。些細な理由で鳴らしたクラクションをきっかけに、サイコパスな男に様々な面で追い詰められてゆく母親の恐怖を描いたサスペンス・スリラー。近年日本でも問題となっているあおり運転の常習者を名優ラッセル・クロウが演じているということで今回鑑賞してみました。ラッセルさん、久々に見ましたがいつの間にこんなに太っちゃったんですかね。グラディエーターの頃の筋骨隆々の精悍な体形はどこへやら、もはやメタボを軽く飛び越えた太り具合にビックリです。これを役作りのためにしたのなら凄いですけどね。ただ、それがこの暴走おじさんの気持ち悪さを倍増させることに一役買ってます。こんないかついおっさんに執拗に煽られるなんて考えただけでも恐ろしい!不安を煽るカット割りや不穏な音楽、何よりスピード感溢れるカーチェスシーンもあって、これはなかなか面白くなりそうじゃん!と僕の期待はバンバン上昇。でも、それも中盤まででした。ずっとこのサイコ男と主人公のカーチェイスだけにクローズアップしてくれたら良かったのに、なんか途中からこの男が車を降りて主人公の家や弁護士のところへとやってくる辺りから、徐々に冷めてゆく自分がいました。いや、さすがにリアリティなさすぎでしょ、この脚本。わざわざ車からスマホを盗み出して主人公のプライベートを調べるとか、さすがに回りくどすぎちゃいまっか。対する警察も無能すぎ!男の運転している車も分かってるんだから、ヘリなり白バイなりを出せばすぐに見つけられるはずでしょ。レストランで弁護士を殺すシーンも、悠々と男が店から出てゆくのを周りの店員や客が大人しく見てるだけってさすがにおかしい。警察もはよ来いって!もっとあおり運転の恐怖に焦点を絞ってくれたら、良質のスリラーになったかもしれないのにね。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2022-06-09 04:42:49) |
5.《ネタバレ》 日本だけでは無いアメリカも同様の社会問題。 「激突」のようなカーチェイスばかりでなく、それなりに狭い相関図をフルに使い心理的恐怖を煽ってきます。 日常的に運転してる人ならわかると思うけど、これって本当他人事じゃないんですよね~。 だから冷や汗ものの恐怖が伝わってきますわ。 ラッセルさんの超肥満体系は役作りじゃないよね…オスカー俳優とは思えませんが… それを除けばキッチリ90分でおすすめできます。 |
4.《ネタバレ》 現在の映画としては、あまりCG無さそうで、低予算ぽいが、追いかけっこものは案外、見れるものである。 ※ラッセル・クロウの品格にピッタリの映画だ。こいつ、案の定、俺の大嫌いなデブに成り下がった。やっぱりな。 |
3.《ネタバレ》 ヒロインが自己中でちょっと感情移入できず…。 だってそもそも、寝坊して、ムリな車線変更とか、けたたましいクラクションを鳴らして、謝りもせず、結果周りの人がどんどん死んじゃっているのに、警察に通報できるチャンスで携帯をたたき壊すし、隣家に助けを求めればいいのに、自力で何とかしようとして息子を危険にさらすし、弟にだって電話すればいいし、携帯ロックぐらいかけとけって…。 と、イライラしっぱなしでした。 でも、そう言ったのも含めてそれなりに楽しめました。 見る側の余裕が試されます。 【木村一号】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-01-23 18:31:42) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 ラッセル・クロウ怪演の異常ドライバーがどこまでも追いかけてくる、恐怖スリラー・バイオレンス。アタシのクラクションが原因で周囲の人々も巻き込む大騒動に発展。人生における数々の失敗も重ねて、逆恨みを晴らすためにメチャクチャするオイラ。突飛しすぎてるけれど、シラけずにそこそこ楽しめた。皆様も運転には充分注意しましょう。良作。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 7点(2021-12-05 05:00:27) |
1.《ネタバレ》 物語全体として、あおり運転どころではない状態になってますが、邦題はコレでいいんだと思います。日常の中で起こりうる恐怖の延長として消化した方が良さそうな映画なので。主人公であり被害者のレイチェルが、高速の路肩走行したり、スマホ運転したり、実生活で目にしたら、「コイツは!」と思うような運転をする人物造形なところがうまいと思います。だから、ラストはもう少し違うものでもよかったかと思います。懲りないレイチェル、運転しながらタバコに火をつけようとして、重篤な事故とか。 非道い?非道いか。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-11-01 20:18:59) (良:1票) |