24.《ネタバレ》 時代は不明だが、アメリカン航空という会社がまだ存続している未来である。 設定としては地上の自然環境が全て失われてしまった世界のようで、これは昔の未来予想画で描かれていたように、地球全体が都市化されて地表が人工物で覆われたイメージと思われる。ただ2022年現在の感覚でいえば、今はやりのSDGsにも関連項目があるからにはそうなることは当面ない。 ファンタジックな印象のあるSFだが、見た目としては特に宇宙船のデザインが秀逸で、90年代に現実化した人工生態系「バイオスフィア2」を思わせる複数のドームが、軸線の周囲に別角度で設置されている(6個を6角形に)のがいい。こういうものは日本には作れない。 なお技術的な設定はわからないがエネルギー源は原子力だったのか。最後に設置した電球はいつまで保つのかと思うが、これは永遠だと思うのが観客に期待された鑑賞態度と思っておく。 主人公の思いとして、当初は自分が「森」を守る使命を負った特別な存在と思っていたが、結局は自分もその他人類と同類でしかないことを思い知らされたのではないか。同僚を死なせた罪悪感からか、苛立ってカートを暴走させて腐葉土?をぶちまけてしまったり、最後は大事な「森」の面倒さえ見なくなって荒らしてしまい、僚船から連絡があった時点では一瞬ほっとしたのではと思ったりする。またDroneと言われていた連中にとってもいい仲間とはいえず、主人公にとっての同僚3人と似たようなものだったかも知れない。そのような不完全な生物に「森」を任せられないというのは本人も自覚していたと思われる。 最終的な決断としては、地球緑化計画が実現不可能ならもう主人公の役目は終わっているが、次善の策として「森」を無期限で保存するために、いわば最後の責務として1号に後を託した形と思われる。主人公は海に流す瓶に例えていたが、本当に地球の生態系が完全に失われる間際になれば、こういう方舟的なものを残そうとする人間がいても変でないとは思った(共感可能)。 なお主人公の最後の行動には、同僚に対する贖罪の意味も当然あったと思われる。こうならなくて済むように、現実の地球では自然との共生に向けた努力が現に行われているわけである。結果的にはラピュタ風の終幕(こっちが先)と、今となっては古臭く聞こえるテーマ曲もけっこう心に染みたので悪い点はつけられない。 【かっぱ堰】さん [インターネット(字幕)] 6点(2022-09-03 10:03:12) |
23.《ネタバレ》 詳しい説明はないのですが、「自然が必要なくなった(?)」時代の話。巨大な船の管理も3体のロボットで行える。食べ物も人工物でまかなえる。主人公は自然を残そうと奮闘するけど、それには人工物であるロボットの手助けが必要。自分の怪我の治療もロボットまかせ。ポーカーの相手もロボットにさせる。最後もロボットにゆだねるしかない、つまり自然が残っていくかどうかは人工物次第というのは、この作品自体が大いなる皮肉であるように思えます。とりあえずは人間的に苦悩し人間的に孤独にさいなまれる主人公に、「自然というのはこういうものではないのか」と思ってしまった次第。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-12-31 09:05:02) |
22.《ネタバレ》 VHSの時代からいつか見ようと思っていた映画の一本。SF映画としてはいろいろと雑だが、制作年を考えれば許容範囲かな。主人公がエゴ剥き出しで孤立して行く様が何かリアルで見ていて辛かった。うーん。気持ちは痛い程わかるけど他の仲間も仕事で来てるだけだしね。それこそ見る人の価値観によって感想が全く変わる映画ではないだろうか。ところでこの映画を実際に見るのは初めてのはずだったのだけど、なぜかドローン3号が足だけ残して行方不明になるモニター越しのシーンにハッキリ見覚えがあった・・・見たことあったのかな?でももしそうだとしたらあのラストシーンを忘れるはずはないと思うのだが・・・はて? 【J.J.フォーラム】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-08-29 21:07:41) |
21.《ネタバレ》 70's前半ならではの暴走感。工学美術関係については、ほかとの脈絡など考えずに「とりあえず作りたいものを全部作りました」的な熱さを感じるし、一方で背景の説明なんかはほとんどばっさりカット。その状態で、物語はひたすら必然的な結末に向けて一直線で進んでいきます。だからこそ、突然叙情的な最後の取り残されたロボットのシーンが効いてきます。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-02 22:14:15) (良:1票) |
20.製作当時の技術や想像力からの宇宙ものだが、表現したかったのは「孤独と未来への普遍的な希望」だと思うので、それなりに良い出来の映画となっている。 好きな人にはハマるのではないだろうか。自分にとっては、ちょっと悲しい物語、だった。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-25 12:30:52) (良:1票) |
19.うーん。ロボットなんかの作りがしょぼいのは仕方ないにしても そこまで普及のテーマといえるのかどうか、 現代でも斬新な気もするが、少し時代遅れの考え方なように思える。 テーマが現代において通用しきらない以上は、評価はここまでが妥当じゃないかと。 【病気の犬】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-11-07 20:49:53) |
18.このとてつもない孤独感…!!!!! 都会で一人暮らしをした経験のある人にはより染み入る映画だと思います。 【HAMEO】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2011-06-30 15:34:24) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 【2017/09/18再鑑賞】 初鑑賞時には気づかなかったが、ジョーン・バエズの歌う主題歌・挿入歌、そして主題歌のメロディを使った音楽が素晴らしい。 鑑賞し終わった後、一緒に暮らしている3匹の猫達を無性に抱きしめたくなり、実際そうしました。 宇宙の暗闇へ静かに消えていく(Silent Running)植物達が託されたドームの描写は、切なく・哀しく、それでいて幾許かの不思議な安心感も感じさせる、心の琴線に触れる秀逸なものです。 謹んで満点に変更させて頂きます。 今の時代にこそ見直されるべき作品の筆頭だと思う。 メッセージ性を強めて尺を短くしたリメイクの登場にも期待したい。 ラスト、一人寂しく、でもけなげに子供用のジョーロで一生懸命に植物の世話をするロボットの描写は思い出すだけでも胸が熱くなる。 【たくわん】さん [地上波(吹替)] 10点(2009-09-29 21:10:43) (良:1票) |
16.《ネタバレ》 日曜洋画劇場で初めて見たときは 試験の前日にもかかわらず見てしまった。 当時はホームビデオはまだなかった。 ダグラス・トランブルの特撮が見たかっただけなのだが なんともいえない釈然としないものが残った。 手段が目的になってしまった主人公。 彼は緑の復活が人類にとって必要だと考えているはずなのであって 宇宙空間に緑だけを残しても仕方がない。 そのことによって、人類にどのような福音をもたらすのかは、説明が一切ないので 見る側の目には主人公の身勝手にしか映らない。 この映画に恐ろしいと感じたのは 人類が自然環境の助けなしに生きていける技術ができていることだ。 しかも、それがどんな技術なのかは劇中ほとんど語られない。 自然との共生などもはや人類の興味の埒外になってしまった未来…。 そして、緑が必要な決定的な理由は語られない。 そのような状況の中で森の復活に執着し、 仲間から孤立し、 勝手に自分から追い詰められていく。 自然とは人間に奉仕するためにあるのではなく、 人間も自然の一部であると… 多分そういうことだろう。 多分、いらなくなったから捨てるというのは傲慢ではないかということだろう。 もし、自然環境などに頼らなくても幸せに生きていける方法を人類が見つけたら それでもわれわれは自然を大切にしましょうといい続けるのだろうか? 環境保護、自然保護、或いはそういったことに血道をあげる運動家に常に胡散臭さを感じてしまうのは この映画を見てしまったからだろう。 【アホをどり】さん [地上波(吹替)] 7点(2008-02-10 08:59:48) (良:1票) |
15.特撮は古いけどよくやってるほうやと思う。宇宙船内部のセットも古いけど古さを感じひん。俺は特にロボットがよかった。歩き方がかわいー。なんかかわいー。存在がかわいー。でも、娯楽性があんまり感じひんかったし、じっくり描くべき所をはしょって、退屈なシーンがダラダラ長くて、しかも暗いし、緊張感もあんまなくて途中、眠くなってきた。それに今何をやってる所なのかわかりにくいので、なんかおいてけぼり感。しかも太陽光を出す機械があるにもかかわらず、主役が植物に太陽が必要なのがわからへんて、ありえなさすぎ。まー、それくらいおかしなってたって事にしとくか。とにかくなんか主役が嫌いなんで、それにずーっとつ付き合わされたから、てゆーか、ほとんど彼一人の独壇場なので、ほんまにしんどかった。途中、歌が入るのも(しかも2曲)なんかこの映画にはあってないよーな。当時興行成績が悪いのもなんかうなずける。でも今の時代だからこそ感慨深く見れる部分もあり、人によってはカルト的に楽しめる作品だとも思う。俺は最後のシーンだけなんかジーンときたんで、そんなロボットに3点。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-09-28 00:10:38) |
|
14.《ネタバレ》 古い映画なのでセットや背景はしょぼくて仕方ない気もしますが・・・カートみたいなので乗り組み員が遊ぶシーンはなんだろーって感じですね。自然を凄く大切に思う主人公がせつないが、仲間を殺すのはもっといけないような(>_<)ロボットに植物をたくし自爆するところは悲しい。ラストにドームで水を与えてるロボットが印象深いです。 【うさぎ大福】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-07-28 20:07:44) |
13.《ネタバレ》 最初の内はローウェルがんばれ!だったんだけど、話が進むにつれて何か違うぞ?と。結局こいつも悪人でした...。ただカメラが不自然というかぎこちな~い動きなのでそっちも気になってしまって物語に入っていけなかった。愛嬌のある3匹のドローンや宇宙船、音楽は良かったですよ。 【リン】さん 5点(2005-02-23 16:43:36) |
12.スターウォーズのSFXで名を馳せたILMの創設メンバーであるジョン・ダイクストラの師で、後に「未知との遭遇」や「ブレードランナー」のSFXが代表作となるダグラス・トランブルの初監督作品は、かくも美麗で情緒的かつ繊細なSF作品であった。 スターウォーズのR2-D2の原型とも言われている「メンテナンス・ドローン」と呼ばれる3体の小型ロボット、「ヒューイ」、「デューイ」、「ルーウィ」が愛らしい。 そして彼らがたどる末路はあまりにも悲しい。 物語の舞台となる、宇宙輸送船ヴァレー・フォージ号の船体造形は、独特の美しさを持っている。 デザインの原型は70年の「大阪万博」で建造されたエキスポ・タワーなのだそうだ。 「これ」に植物を育てるための美麗な「ドーム」が付属していて、これらの造形は日本のアニメ作家達にも多数影響を与えていると思われる。 このドームの中で植物に水をやるメンテナンス・ドローン「ヒューイ」の姿等が、 宮崎駿の「天空の城ラピュタ」に形を変えたのは、もはや疑う余地がない。 72年にアメリカで劇場公開されたが、興行成績があまりにも悪かったらしく、当時は日本では未公開だった。 本作を最初に私が見たのは、アメリカ公開から数年経った頃、TVの深夜放送で放映されていたもの。 本作は公開当時よりも、後で評価が見直されてカルトムービー化し、製作から14年経った86年に日本で劇場公開されている。 サッコ・ヴァンゼッティ事件を描いた「死刑台のメロディ」他、70年代の多数の映画作品で歌声を披露している、フォークの歌姫、ジョーン・バエズが、本作でも主題歌を歌っている。 タイトルは軍事用語で、潜水艦がエンジン、ソナー、電気系統等を全て停止した状態で海中を航行する状態を表す。 【あむ】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-06-03 00:42:44) (良:2票) |
11.30年以上前の映画だからしょうがないのかもしれないけど、正直言ってチープだよなぁ。宇宙船のシーンももろ模型だし、船内もなんかどうみてもセットで撮りましたみたいな感じがいただけんなぁ。そううこともあってか全然入り込めなかった。 【あろえりーな】さん 5点(2003-12-13 19:48:11) |
10. 中学生の頃初めて観ました。なんか興奮して先生に提出するノートに感想書きまくった記憶があります。で、この間DVDが出たので久しぶりに観ました。うん、確かに今見ると荒削りなところ多いですね。でも初見の印象を大事にしたいので8点。いまでも説得力をもつテーマだと思います。 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2003-12-12 12:21:12) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 人間のエゴというものを、考えさせられます。自然環境の破壊が人類のエゴが原因ならば、自然を愛する一見イイ奴っぽいニューエイジ系の主人公も、物語が進むにつれ酷いエゴイストっぷりを見せ始めますし。そのエゴの果て“緑”を抱えて宇宙を放浪する孤独感が、ひしひしと伝わってきます。深読みすれば、これはナパームやら枯葉剤で、地球を痛めつけた70年代初頭のアメリカ人のエゴと心象の投影なのでは、とすら思えてきます。あ、そうそう、チミノが脚本を書いているのですね、“強いアメリカ”または“偉大なるアングロサクソン”と自らへの批判が、自嘲気味に出ているようにも感じられませんか?そうアメリカンニュー“SF”シネマ。宇宙空間にぽつんと浮いた植物栽培ドームで、ロボット君が地球最後の緑へ、ジョウロで水をあげてますね…心に痛いシーン。痛すぎて、たいがい僕は涙します。 【BUNYA】さん 10点(2003-11-12 18:14:24) (良:1票) |
8.植物を守るブルース・ダーンが好きでした。愛すべき小品です。 【omut】さん 7点(2003-06-17 14:55:06) |
★7.ダグラス・トランブルの思い入れには、ちょっとついていけませんでした。なんかこう、長篇映画として成立するには、重要なものが欠けてるような気がするのですが・・・ 【鱗歌】さん 5点(2003-06-08 01:56:04) |
6.「SF映画好き」を名乗るなら見ておけ、という感じ。特に美術ですね~。リアリティという意味では「2001年宇宙の旅」が最初かと思うんですが、あの白くてきれいで未来的な船内と比べて、「サイレント・ランニング」では、船内に汚れ感というかバラック感みたいのがあって、この後のSF映画の美術に影響しているのかな、って気がします。音楽は非常によいです。当時のはやりだったブラジリアンフュージョンだと思うんですが。ロボットはよく分からなかった。役者さんはイマイチ。 【みいしゃ】さん 7点(2003-03-18 22:52:55) |
5.《ネタバレ》 確かにあのロボちゃん達(名前がついたのはドローン3号が死んでから)の生なましい動きに感涙しました。しかもラストでは一体のロボちゃんが草木に水を与えるシーンで、水をやるへこんだジョウロに古臭いイラストがあるんですがそれだけで悲しい、涙が出ます。なんだか不必要になったロボットを投影しているようで...ただ主人公が元々自然を守る為に意図的に土星へ向かったのに助けを請うのか、何故自然を作る事をあきらめ自殺してしまうのかが理解できない。決して中が良かったとは言えないが苦楽を共にした仲間たちを殺害してまでも守ったものが何だったのか明らかでないので置いてけぼりを食らいました。一緒に自殺(?)したロボットも故障したとはいうけど、どこが故障したのか、もう一体とはなんら変わらない。「故障した」というから故障したのでしょうが見てる方としては「そうなんだ。」と理解せざるを得ない。そしてここまでキャラクタを創り上げたロボット。そういう中で彼(ロボちゃん)を道連れに主人公が心中するのは身勝手でしか思えない。 【さかQ】さん 6点(2003-03-08 22:08:15) |