26.《ネタバレ》 シリーズ18作目。前作のジョーズ同様、寅やさくらがカサブランカをボカすことなく演じてます。 旅の一座・坂東鶴八郎一家と会うのは8作目以来。大空小百合も大人になったなぁ~なんて思ってたけど、岡本茉利は前作・前々作にも別役で出てたのね。 評判の悪い寅の無銭飲食。私は最初から払えない気満々の余裕の寅に思わず笑ってしまった。そして家庭訪問の一件では、寅が一方的に悪いわって思ったわ。でも自宅アパートでなくとらやを使ってしまった博もダメだわ。 浦辺粂子のばあやが懐かしい。ちゃんと十字架ぶら下げてるのが可愛い。 マドンナが柳生先生と思わせておいて、実はそのお母さんというのは中々の変化球。 男はつらいよで劇中のキーパーソンが死ぬというのは、2作目の散歩先生以来かな。しかも今回はマドンナ。でも予め「余命僅か」なのを知らせ、雅子とさくらだけ重たい部分を背負ったカタチ。柳生家ととらや一家が揃っての夕食。両家のお祈りの長さ合戦とかシリーズらしい明るい空気と、綾の仕事話でワイワイ盛り上がるとらや一家と対象的な2人の表情が何とも辛そう。 極め付きはイモの煮っころがしを作るさくら。寅に急かされるけど、悲しみを堪えて煮物の準備をするさくらの優しさが伝わる。 柴又の駅でさくらに『花屋』の話をする寅。こういう話はとらやでみんなにでなく、さくらにだけ伝えるのが寅らしい。今さら言っても仕方のないこと。もう済んでしまったことだけど、血の繋がったさくらにだけは知っておいてほしい。そんな気持ちから出た言葉。柳生家のお嬢様の悲しい運命を背負わされたさくらが、寅の言葉でどれだけ肩の荷が降りたことか。 そして雅子が務める新潟へ。雪深い新潟には寅の仕事はないだろう。それでも来てくれる寅。退院してからの綾は、寅と過ごせて幸せだったに違いない。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2023-09-25 00:39:57) |
25. 謝るべき時に謝らないで、不貞腐れる、おちゃらかす、逆切れする、もうこの時点で人間として終わってると思う。 どうして「すまなかった、さくら」の一言が言えないだろう。 こんな人間を、家族が、社会が、警察が、そして映画が甘やかす。その場の感情での熱情があったって、そんなものは絶対免罪符にはならない。 なんてくだらない映画なんだろう。 もう温泉での顛末で不快感マックスで、よく最後まで観れたと思う。 メインテーマだって、京マチ子が美人だったから成立する話で、あの母娘が不細工だったら、寅が見向きもせず、したがって寅屋の人々との交流も生まれなかったことを考えると、さほど美談とも思えず。 (最初の方で檀ふみに惹かれる寅をたしなめる、「お前もまともに結婚していればあれくらいの娘が」なんて台詞が胸にぐっさり突き刺さったのは内緒w 今押しの女優なんて娘どころか孫だもんなあw) 【rhforever】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2022-02-12 21:11:45) |
24.《ネタバレ》 とらやの皆さんに迷惑掛けるのも毎度のことだけど、今回の長野でのことは酷過ぎます。さくらが可哀そう過ぎます。ちょっと寅さんが嫌いになりました。後半はマドンナの京マチ子と相思相愛だったけどしんみりする展開に。最後は地方へ異動した檀ふみと再会して明るいラストで終了。本作も安定した面白さです。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-29 19:29:08) |
23.《ネタバレ》 京マチ子がマドンナというのが想像もつかなかったのですが、年上お姉さんへの憧れ路線と、そう来ましたか。しかもこのシリーズにはまさか来ると思わなかった難病死別展開と、割とやりたい放題な脚本で、位置づけとしては意外とアナーキーな一作かも。●京マチ子と檀ふみの演技の相性は非常に良く、作品世界での存在感もあって、レギュラーメンバーが安心して「支えの演技」に徹している。それを後押ししているのが、浦辺粂子大婆様の偉大なピン刺し力。ただ、最後の再会は、ない方がよかったと思います。●ところで最後の柴又駅で寅が語る、マドンナと一緒に花屋をするという空想話。実はこれは必ずしも荒唐無稽なでまかせではなく、実際に寅は、第3作では温泉旅館で、第5作では節ちゃんの豆腐屋で、楽しそうに働いています。つまり、もしどこかで運命が少し動いていれば、寅は風来坊を止めて、堅気として働く一生になっていたかもしれないのです。この駅でのやりとりには、その辺まで含めた主人公造形の周到さと深さを感じます。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-08-09 01:21:19) |
22.《ネタバレ》 寅さんのワガママぶりが極端に描かれる前半と、純愛の後半が同居したちょっと意外な作品。 それにして、寅さんや車屋で繰り広げられる笑いのツボにはまだ入りきれない自分がいる。こんなにもマドンナに好かれてしまう展開の違和感は消えないかもしれない。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-05-23 13:01:04) |
21.《ネタバレ》 前作のレビューで書いたように、ここ数作で寅の性格が酷いことになってしまっていて、ちょっと引く。それと、おいちゃんおばちゃんの、寅の甘やかしぶりにイライラを募らせていた。 だが今回、満男の先生の家庭訪問での寅の所業に、とらや一家の面々がちゃんと寅に怒っているのを見て、少しだけ溜飲が下がる。それ以外では、寅さんは実にいい人だった。そして、マドンナとの仲も上手く進んで、どんな相手に持ってかれるんだろうと思っていると、まさかの死別とは。 よく男女の話で、前の相手との別れ方で喧嘩別れはいいが、死別の相手には敵わない、的なことを耳にする。そういう意味では、寅にとっても重い別れになるのかな?・・・なんて心配は杞憂なのだが。 劇中さくらが言うように、寅ももういい歳になって、さすがに22歳の檀ふみに恋するにはそぐわないようになったか。イマドキではロリ扱いされかねないものね。 だが同時に「愛があれば歳の差なんて」などという言葉も思い浮かぶ。寅さんの世界で、これほど常識的な諌め方を通さずとも、良いような気がする。寅さんには、幾歳になっても、若い美人に恋していて欲しいとも思うのだ。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-06-09 21:20:23) |
20.《ネタバレ》 ちょっとあんまりじゃないんかな~、あんなことしちゃいけんでしょう寅さん~;;。前半の振りは後半への過程かとは思いますがちょいと乗れなかったかなぁ。壇ふみはとてもかわいいし、京マチコの貫禄圧倒的です。でもさすがな浦辺さんしっかりきっちりいい仕事をしてらっしゃいましたね、最後もお見事でゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-04-26 21:35:25) |
19.《ネタバレ》 ○なかなか良かった終盤の展開を考えると、序盤の寅さんのキャラのうざさはちょっと残念。○行ってこいと言われたから来ましたと正直に言っちゃう寅さんらしさは好きだけど。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-09 19:58:41) |
18.《ネタバレ》 【今回のマドンナは浦辺粂子さん、いや、檀ふみさん、いや、身分相応に京マチ子さん。別所で無銭飲食篇。】 やってしまったことはともかく、迷惑をかけた家族にきちんと詫びをいれることがない駄目男の姿に とても喜劇だからといって笑って見過ごせない部分の前半、ひょっとしてここにきてこれって最低脚本ではないのか?という不安がよぎるも、後半なんとか盛り返してきたのでホッとした。ただし、寅に関しては前半の大失態を何も盛り返しているとは思えない 最後まで見れた要因の一つとして 亡くなる人を涙で見送らざるを得なかった展開の切なさと、陰で悲しさを押し殺して奔走していたさくらの一人奮闘ぶりを見過ごすわけにはいかなかったというところ。次に期待したい。とにかく、さくらが良かった さくらが、あと ばあやでお馴染み、浦辺粂子のばあちゃんと。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-17 21:35:20) (良:1票) |
17.前半は嫌な展開ですっきりしなかった。どうも今まで見た寅さんらしくない。京マチ子さん登場あたりから活力を取り戻したけど、これまでのドタバタ感がなくなってぐっと湿っぽい。このあたりの雰囲気が寅さんファンでも意見が分かれるところかもしれないが、私はこういう寅さんもあっていいと思った。終盤は結構感動的だと思う。話はそれるが、今までちょい役で出ていた谷よしのさんがはっきりと見て取れた。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-02-28 06:35:50) |
|
16.前半は3点。後半は7点。よって5点です。前半の寅さん、1作目から順に観て一番"最悪"なキャラでした…。いつもなら物凄く反省するだろうにまったく悪びれず、さくらも憤慨。私も物凄く憤慨。柳生のお嬢様(母)が現れる後半はこれまた1作目から順に観て一番"物悲しい"お話でした。確かにこの明暗の対比を狙った演出なのかなぁ。それにしても前半の寅さんは酷い。寅さんは好みの幅広いなぁ。好きな人と結ばれたい訳ではなく、ただそばにいて役に立ちたい男、車寅次郎。そして「浦辺粂子ですよぉ~」 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 5点(2012-08-16 04:26:05) |
15.《ネタバレ》 マドンナは京マチ子。 冒頭、帰郷早々に満男の家庭訪問の件で騒動を起こし、旅に舞い戻る寅さん。いつものパターンである。旅先の別所温泉で出会うのは懐かしの旅芸人一座。大空小百合の再登場である。(実は彼女は寅さんシリーズではいろんな役をこなす常連さん) 「車せんせい~」と煽てられ、調子に乗って、一座との宴席を持ち、勘定を自分持ちとしてしまったが為に無銭飲食で警察に捕まるという展開。いつもは金がすっからかんで終わりというパターンだが、今回は犯罪に発展かw。大空小百合が大人っぽくなっていたのが印象的。 今回のマドンナは珍しく最後に死んでしまう。そういう別れ(振られ)のパターンもありか。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-04-28 23:31:34) |
14.《ネタバレ》 本作は「人はなぜ死ぬのか」という重いテーマがメインとなっているという点では異色の作品。前半、寅さんがご贔屓の一座の公演の中で、「車センセ!」の台詞でお馴染み、一座の花形大空小百合の「人はなぜ死ぬのでしょうね」という台詞があった。そして後半、複雑な事情を抱えた柳生家のお嬢様を演じた本作のマドンナ、京マチ子も同じ台詞を呟く。 マドンナを迎えてのあたたかいとらやの団欒はどの作品でも僕の大好きなシーンなのですが、本作のそのとらやの団欒のシーンは素晴らしかったと思います。柳生家のお嬢様の仕事は何がいいか平和に語り合う。しかし全ての事情を知っている檀ふみ演じる娘とさくらだけは悲しげな表情を浮かべる。楽しくてあたたかくも、少し悲しさのある本作のとらやの団欒でした。それに続くクリスマスムードの柴又で「花屋がいい」と寅さんが語るさくらとの別れのシーンも悲しいけれど良かった。 マドンナが死んでしまう・・・。作品のテーマ上仕方が無いのかもしれませんが、それ以外はとても好きな作品です。マドンナと寅さんの心のふれ合いの深さが感じられる作品でした。 【とらや】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-03 20:17:11) (良:1票) |
【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-10-04 23:17:00) |
12.《ネタバレ》 そもそもマドンナが最後に死んでしまうという設定が気に入らないのだが、マドンナも年齢的にちょっと違和感あり。寅さんにしても「花屋で所帯を」と思っていたらしいが、今回は恋愛というよりは情けの念の方が強かったのではないだろうか?まあでも今回のさくらの兄想い振りはシリーズ屈指ではないだろうか?さくらの演技が作品の水準を保っている感じ。 <追記>13年ぶりに再見。台詞上では「人はなぜ死ぬのか?」がテーマなわけだが、寅さんは「深く考えないほうがいいですよ、それ以上は」と回答する。これは名回答である。よって作品としては「人はどう死んでいくのか?」がテーマになっているとも言える。マドンナは『不如帰』の舞台で暗示されているように不幸な境遇ではあったが、死ぬ間際の1ヶ月間は寅さんと楽しく過ごせて幸せだったのかもしれない。ただし、それで人生の清算が出来たと言えるのか否か。今やメイン出演者の半数以上は死んでしまったが(現実には渥美清はこの20年後に死んで、京マチ子は令和まで生きる)、自分もいつかは死ぬ時が必ず来る。死ぬ間際の1ヶ月間をどのように過ごし、どのように死んでいくのだろうか?といった事を考えさせられる作品ではある。 |
11.いままでの作品と比べて、明らかに点数が下がる作品だと思います。最後まで見るのにこれほど時間がかかった映画も珍しいです。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2006-09-14 13:24:31) |
★10.母娘にちょっかいかける寅さん、「親子ドンブリの巻」ってか。まず前半、とにかく寅さんのデタラメぶり。満男の代理美人教師(美人教師って言っても所詮、壇ふみだけど)の家庭訪問をブチ壊しにし、これには博も大激怒。とらやを飛び出し、旅先で今度は事もあろうに無銭飲食という卑劣極まる犯罪に手を染める。連絡を受けたさくらが駆けつけると、何と現地の警官達まで寅さんに懐柔され、店屋物を頼んだり温泉に行ったりと、好き勝手の毎日。大体、無銭飲食をやらかした寅さんに対し、これをたしなめるどころか、カネも持ってないのにさらに出前を頼みまくる、なんて行為を警察が認めるか? もうメチャメチャの展開・・・だが、これには一応、映画の展開の上での必然性がある。後半、例の美人(?)教師の母親に夢中になる寅さん、しかし、その母親は余命幾ばくもない、という重いテーマが展開される。前半の寅さん(及びそれを取り巻く状況)のケーハクさは、後半のテーマの深刻さ・寅さんの真摯さとの対比になってるワケですな。しかーし。これって寅さん映画に向いたテーマだろうか?キャラの出来上がった「寅さん」で描くには不適切ではないの?いやむしろ「適切すぎて」「“そのまんま”過ぎて」「意外性がなくて」手抜きっぽく感じる。シリーズ18作にもなって今更、ここまでの単純化・図式化は、許されないのではないか・・・。それに、肝心の映画後半だって、充分ヘンテコ。年上でしかも言動がチョットおかしいオバチャンマドンナに惹かれる今回の設定には違和感バリバリ(このマドンナ、とらやに突然たずねて来て一人合点で喋りまくり。「目の小さい面白い顔の坊ちゃんはどこ?」って、アンタのすぐ隣に立ってるっての。異常なまでの浮世離れぶり)。娘も変で、先生が特定の生徒の父兄の家に入り浸って食事とかしてていいのか? というわけで、もうちょっと脚本&設定に神経を使ってくれなくちゃ、観てて困っちゃうのよね~という映画でした。ラスト、柴又駅ホームのシーン、最初は寅さんとさくらが離れて立っているが、マドンナの話題をキッカケに二人の距離が縮まる。前半の、全く会話が成立せずさくらが溜息をつく別所温泉の場面と対を成す、印象的なシーンであります。が、その直後、寅さんが乗った電車が発車するシーンでは、電車の窓にスタッフ(監督も?)と思しき姿がしっかり映りこんでて、またまたガックリきてしまったのでした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2006-08-16 22:05:12) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 冒頭の夢の世界がついに西洋へ…、寅さんって相変わらず変な夢ばっかり観るなぁ。物語は満男の学校の代理教師の家庭訪問から始まり、そこに寅さんが割り込んできて早くもとらやの面々と大喧嘩。その後いつぞやの旅の一座と再会を果たし無銭飲食によって警察に拘留。それを迎えに来たさくらが警察署を訪れると警官たちが「おい、寅さんはどこ行った?」「寅さんなら風呂に行ってます」とすっかり寅さんと打ち解けてしまっているのが面白い。そして後半はいよいよ京マチ子演じる代理教師の母親の登場。余命幾ばくも無いという設定だけに彼女が笑う度にいつそのまま倒れるのかとヒヤヒヤしたけど、とらやの居間で皆揃って和気藹々と話している光景は本当に微笑ましいです。「人はなぜ死ぬのか?」というテーマも含めて、今回はいつもよりペーソスの量が多めですが、前作「寅次郎夕焼け小焼け」に続き完成度の高い作品を観させて頂きました。感服! 【かんたーた】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-12-02 15:50:18) |
8.京マチ子さんの存在が利いています。世間知らずのお嬢様育ちで、不本意な結婚、離婚、入院と波乱に満ちた人生が紹介される。そんな人生と対照的な性格の明るさが周りから浮いているんだけど、余命いくばくもないと分かる途中から、妙にあわれで、哀愁を誘う。彼女を気遣う寅さんの奮闘振りが泣かせる。題名にぴったりの作品だ。 【パセリセージ】さん [地上波(字幕)] 7点(2005-11-21 11:47:37) |
7.前作があまりにも素晴らしい出来だっただけにこの18作目は出来としてはそんなに悪くはないとは思うものの、やはり今までの作品などと比べると明らかに落ちる気がしてなりません。私もこの辺りからこのシリーズ全体、トーンが下がり、面白くない作品が増えはじめた気がしてならない。話としては、2人のマドンナと寅さんとの人間模様なわけですが、マドンナとしての魅力もやや薄く、それでもそれなりに楽しめるので一応、6点にしましたが、作品全体の平均的レベルとして考えるとここまでの中では下から数えた方が早い。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-11 22:58:15) |