14.《ネタバレ》 本来なら国家公務員を殺害した2回目の犯行で縛り首になるはずが、母親の嘆願で終身刑になるのに「ホントに?」 独房住まいに飼い殺しの人生を送るのか「まぁ、生きてるだけで丸儲やね」 1羽の雀の世話を始めて「暇つぶし出来て良かったね」 ここから、事実は小説よりも奇なりを地で行く展開に釘付け「この人サイコパスの部類なのか、それにしても凄過ぎる!」 ネヴィル・ブランド=変態役、私的先入観を覆す味わい深い演技にオスカーを授けて欲しかった。+1点 他の共演者も素晴らしい。 2人の将来を奪い去った罪への更生は刑期を勤め上げる事に尽きるでしょう。 更に自身の余生において仮に独りぼっちになったとしても、何か打ち込めるものがあれば、癈人にならなくて済むのを実感させてくれました。+1点 忘れ難い秀作です。 |
13.《ネタバレ》 今まで自分が観た中で最良の刑務所映画、『ショーシャンクの空に』なんてこの映画の足元にも及びません。また、主人公が脱獄しようとしない唯一の囚人映画でもあります。だからこの映画では一生を刑務所暮らしする人間とはどういう存在なのか、また更生とはいったい何なのかということを鋭く問題提起しています。 囚人が苦労してその道の達人にまでなったというのは日本人好みのいわゆるイイ話になっちゃいそうですが、そんな単純な撮り方をしてないところが監督フランケンハイマーの凄いところです。バート・ランカスターの演じるストラウドからしても、映画の前半では狂信的なまでに反抗精神が強いあまり共感を呼ばないキャラです。そんなランカスターが「お前には人に感謝する気持ちがない」と看守に指摘されてハッと気づき、「今まですまなかった」と謝り生まれ変わった様になるシーンには心を打たれました。ほんと人間には感謝の気持ちを他者に持つことが大事なんですね。彼は『真昼の暴動』でも囚人暴動のリーダー格でしたが、本作では非常に抑えた演技が光ってました。 このランカスターを取り巻く刑務所の人間たちがいい味出してます。初めは嫌っていたが生涯の友となる看守のネヴィル・ブランドや、粗暴ながらもカナリヤ飼育によって人間味が増してゆく囚人テリー・サヴァラスがいい演技を見せてくれます。主人公ストラウドにしても常に突き放した様な客観的な演出で通しており、決してハッピーエンドではない終わり方にも納得させられます。 「更生とは尊厳を取り戻すことだ」というランカスターのセリフは、キリスト教的な意味合いもあるんでしょうけど考えさせられます。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-07-29 22:12:23) |
12.《ネタバレ》 予備知識なく始めての鑑賞でした。 先ず、バートランカスターとカールマルデンの演技に脱帽ですな。 全編、その殆どが刑務所内のシーンでしたが全く飽きることなく見られました。 理由はあるにしても2人を殺害した罪はゆるされませんが、その後の鳥への愛情を注ぐ主人公に罪の償いを感じることができ後味の良い作品でした。 しかし半世紀に渡る獄中生活を描くので仕方が無いかもそれませんが、時間の経過が解りづらい所が減点でした。ラストでアルカトラズから移送される時、内地に上陸しますが、その広々とした港のシーンは印象的ですな。 実話をテーマにした作品は私の好きなジャンルですが、この作品は私の中で上位に位置するものでした。 【仁】さん [地上波(字幕)] 7点(2014-10-06 09:20:26) |
11.《ネタバレ》 なかなかだけどちょいと複雑な印象を受ける映画ですね。殺されてしまった看守さんはいい人だっただけに、、、短絡的な犯行をするバート・ランカスター扮する主人公にいらだちと理不尽さを感じずにはいられません。生涯でることのない獄中生活を送ることにより罪は償ったのでしょうか・・・。獄中仲間のテリー・サバラスが実は印象深い作品でゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-25 20:42:06) |
10.《ネタバレ》 主人公の終身犯の男は社会に復帰しても再び罪を犯す心配の人間になった。その一方で彼は2人を殺害し、一度は死刑判決を受けた。「更生」と「犯した罪を償う」こと。日本でも今、死刑廃止論争がありますが、一人の実在した終身犯の獄中の生涯を通して観る者に非常に重く難しい問題を投げかける作品でした。しかし、小鳥たちに囲まれたバート・ランカスターの素晴らしい演技や、母親、獄中結婚した妻、人情のある看守、隣の囚人達との心が通い合った温かい人間描写が優しさを感じさせてくれる作品でもありました。それにしても殺人を犯した血の気の多い若い囚人だった頃から、悟りの境地に達したかのような晩年までを演じたバート・ランカスターの演技は凄かった。余談ですが、ラストシーンの彼の表情を見て思わず、本作から30年近くが経過した後の作品「フィールド・オブ・ドリームス」で彼が演じたムーンライト・グラハムの表情を思い出してしまったのでした。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-11-09 23:54:55) |
9.よかったですが、彼の右に出るものがいないような感じがしませんでした。論文もいきなり完成しているし、薬の調合もいい加減にやっているように見えてしまいました。もっと月日がたっています的な描写がわかりやすい方がよいのでは。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2009-01-05 07:48:38) |
8.実話を元に丁寧に描き出された佳作ですね。私自身トリばかなので、バート・ランカスターとトリさんたちとの触れ合いを観ているだけで心が和んでしまいます。 ただ、単純に「スゴイ人」伝説として観るわけにはいかない重い題材であり、時代背景の違いや国情の違いなどはあるものの、現在でも十分に受け入れ得る問題提起を含んでいます。 罪と人。罪を憎んで人を憎まずと言いますが、果たして本当にそうなんでしょうか?この主人公は確かに大変な努力をし、ひとつの分野の頂点に立ち、多くの愛鳥家やトリさんたちに安心と幸福を与えたことでしょう。ある意味、彼は見事な「更生」を果たしたと言えます。でも、彼の犯した非道な殺人が、他者や社会に対して与えてしまった悲劇と憎しみを帳消しにするだけのものなのか?彼の偉業と彼の罪は引き換えに出来るものなのか?かと言って、刑務所の更生システムに乗り社会復帰し罪を繰り返す者たちと比較すれば、彼の更生度は並外れたものと言わざるを得ず、考えれば考えるほど難しい問題を孕んだ作品です。 それと原題ですけれど、彼はアルカトラズに移送される前に研究成果を評価されており、なんだか不似合いな題名のように思えてなりません。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-09-16 09:29:38) (良:1票) |
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7.凄い。モノクロ映画では「情婦」と双璧をなす映画だと思う。 【あるまーぬ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-08-01 02:04:13) |
6.殺人犯でなければ評価しても良いですが 殺された人たちの人権はどうなるのでしょうか 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-06-02 11:51:33) |
5.《ネタバレ》 刑務所が舞台なのに刑務所という場所を感じさせないですねえ。バート・ランカスターが妙にジョージ・クルーニーに似てると思いつつ・・・、ハマっちゃいました。でも釈放されないのは悲しいことです。 |
【さそりタイガー】さん 7点(2003-12-04 02:02:04) |
【mimi】さん 9点(2003-10-19 01:13:40) |
2.情状酌量の余地がある犯罪なのに刑務所に入れられているバート・ランカスターが、どんどん鳥に詳しくなっていくところが好きです。動物に優しい人に悪い人はいません(自分の飼っている動物だけに優しい人には、いい人は少ない気がしますが)。古い映画だけあって、こんなんでいいのかなと思うところも多かったです。 鱗歌さんの仰るとおり「ショーシャンクの空に」を好きな人は、この映画を見ても損はないと思います。個人的には両方の映画、同じ得点です。 【omut】さん 6点(2003-09-21 04:42:40) |
★1.映画を比較するのは基本的に野暮だとは思うのですが、「『ショーシャンクの空に』が一番好き」とか言ってる人がいると、つい「それは『終身犯』を観てのことか!」と言いたくなります。まあ、どちらが上ということはないんですが・・・とにかくこの映画はスゴイ。老けていく主人公を演じるバート・ランカスター、見事です。圧巻です。 【鱗歌】さん 9点(2003-05-24 02:10:15) |