7.《ネタバレ》 終わりゆくカウボーイ時代への挽歌。そんな風潮を感じつつ、前半は仲間で楽しく仕事をしている。しかしそれだけに、ちりぢりになった挙げ句殺し合いまでする後半が切ない。仕事が先細りになり、かつての仲間が結婚して転職したり、泥棒や強盗に走ったりする中、モンテの哀しさわびしさを全身で表したリー・マーヴィンに泣けてくる。友や恋人を亡くし、ひとり去ってゆく背中も泣いている。派手なアクションはなく、全体として落ち着いた雰囲気なのですが、それだけに荒馬を乗りこなす豪快さが記憶に残ります。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-14 20:19:39) |
★6.これは寂しい、寂し過ぎる西部劇。前半はカウボーイのおっさん達がガキのようにはしゃいでいる。んなコトばかりしてるから時代においてかれるんだけど、こればかりはしょうがない。で、この映画、これといって事件は起こらない。いや中盤あたりから事件は起こるんだけど、事件によって物語が展開するというよりも、まず「西部の男たちのどうにもならぬ落日」への流れがあり、そこに事件がポツンポツンと配置されていくような印象。彼らなりに精一杯生きて、時には派手に暴れつつ、結局は静かにフェイドアウトしていく。詩情あふれる映画、なんて言うとありきたりだけど、一体この寂しさは何なのか。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-03-27 23:41:00) |
5.渋くて味のある映画だけど、それほど盛り上がらず。暴れ馬を乗りこなすシーンはインパクトあり。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-12-08 22:42:06) |
4.《ネタバレ》 没落に直面するカウボーイというテーマに徹底的に即した作り方はなかなか面白いが、話が動き出すまでがえらく長いのが難点。あと、没落の象徴である仲間たちの殺し合いなんかの部分にしても、ただ撃ち合うのではなく、もう少しいろいろ表現してもらいたかったと思うが。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-12-02 03:52:52) |
3.《ネタバレ》 「西部劇の挽歌」という題の絵の額縁だけを見せられているようで、前半はノレなかった。たしかに豪壮な馬追いのシーンなどがあるにはあるんだけど、西部劇の額縁のようで、ナマに迫ってこない。ジャック・パランスの結婚式で、彼とリー・マービンが似合わぬ正装して登場するあたりからノッてきた。モンテが、過去の町をうろつくあたり(カウボーイで賑わっていた酒場の静まり、モローの小屋の荒れよう)。暴れる白馬を乗りこなすシーン。時代に取り残されていく寂寥感と焦り。こういう点では西部劇と仁侠映画はほとんど重なる。そしてパランスの死(このときのショーティの表情がいい)、モローの死と続いて、終局に流れ込んでいく。前半もうちょっとキビキビしてくれれば、西部劇の名作になっていただろう。モローがせっかく海を渡ってきたのにあんまりうまく使ってなく、あちらの女優さんが西部劇に出るってのでは、私の世代では『天国の門』のイザベル・ユペールが思い出される。原作は『シェーン』のジャック・シェーファーで、ジャック・パランスはその縁もあるか。この作家ほかにもロバート・ワイズの『悪人への貢物』(未見)など西部劇に原作を提供している。パランスと言えばのちに『シティ・スリッカーズ』で助演男優賞を貰うわけだが、あれが西部劇をナツメロとして扱っていたのに比べると、こちらはちゃんとした挽歌だ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-11-24 09:25:37) |
2.《ネタバレ》 ニューシネマ西部劇。「時代」についていこうと新しい生活を始める者。ついていけず強盗になる者。荒くれどもにも「時代」は容赦なく来る。そんなところがちょっとしたとこまできちんと描かれている。野に生きてきた彼らの面白くなさが喧嘩のシーンにあらわれていた。また荒馬を乗りこなすリーマーヴィンも見世物になるのは真っ平だと、恋人亡き後、また野に戻っていく。「時代」が変わるのは仕方ない。でもやはり自分の気持ちに嘘をつかず、「時代おくれ」に徹するのも人生だ。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-08 08:38:54) |
1.黄金期の西部劇よりも70年代製の苦みのある西部劇のほうが、個人的には圧倒的に面白い。移りゆく時代に対応できない時代遅れの男たちの物語はなにもペキンパーだけではない。凶暴でクールなマービンも良いけれども、本作のような不器用で人間味溢れる彼の演技により魅了されてしまう。パランスとのタッグも極上である。ジャンヌ・モローのいじらしさが痛切に切ない。 【モートルの玉】さん 9点(2003-06-18 16:37:33) |