7.《ネタバレ》 この映画も、1作目・2作目に続き、映画館で見ました。2作目は、もともとTVのスペシャルムービーとしての企画を、途中から映画公開へと変更したそうで、1作目のカットを使い回したり、音楽(オーケストレーション)のスケールがこじんまりしていたりと、当初の企画の名残りが垣間見える印象を受けました。一方、当作品は佳作レベルながら、音楽に奥行きがありスケール感がありました。また、宇宙艦隊のドッグは、映画1作目のヴィジャーのようにじっくり見せなくても、巨大感は十分、伝わってきました。「1作目当時に比べて、特撮の見せ方も随分変わったな…」と思ったものでした。
さて、映画自体への感想ですが…映画館で見たときはその日の最後の上映時間であり、たまたまファンの皆さんが集っていたのでしょうか、各キャラクターが活躍する見せ場など、ファンサービスの場面のたびに、映画館内は好意的な笑いに包まれました。スポックも復活して私も安堵しました。しかも、最後に登場するバルカン星の女性祭司は、ヒッチコック作品・レベッカ(1940年)で、ヒロインをジワリジワリと追い詰めていく家政婦長・ダンバース夫人を熱演した名女優ジュディス・アンダーソンさんでした!。アンダーソンさんであることは、映画を見終わってから知りましたが、ご健在ぶりをとても嬉しく思ったものです。
ただし、当時、私の周囲(高校)では以下のような感想もありました。「惑星のセットがテレビっぽくて、如何にもスタートレックらしかったよ」…これが誉め言葉でないことはおわかりいただけるかと思います。このように、当時から、この映画シリーズは、2作目以降、ファンには好評でも、それ以外の観客からは低い評価を受けていた面があり、米国でも同様だったようです。こうした【身内受け】的な面を打開すべく作られたのが4作目(1986年)だったわけです。
さて、採点ですが、ファンの皆さんには申し訳ありませんが、【身内受け】的な面を差し引き、9点とさせていただきます。
平成30(2018)年10月8日(月)追記:↑の【Tolbieさん】のレビューを拝読してみて、ロードショー公開当時に私の耳に入った別の感想を思い出しました。それは…「エンタープライズは廃艦で、新鋭艦のエクセルシオールが登場するという設定は、さらば宇宙戦艦ヤマトでの【ヤマトは廃艦-新鋭艦のアンドロメダが登場】という設定と似ている。それに、キャラを死なせてファンの涙を誘っておきながら、都合良く生き返らせるし…。スタートレックとは、まさにヤマトのアメリカ版だ」というものです。この感想も、決して誉め言葉ではなく“当時低評価だったヤマトシリーズの二番煎じ”という意味合いでした。私は「スタートレックの誕生は1966年で、ヤマトより先なんだけど…」と反論したものの「確かに映画版の2・3作は、何かしらヤマトの影響を受けているのかも。○作とは言わないまでも…」と否定しきれず、つい、スタートレックシリーズに危機感を抱いていましたっけ…あれから30年以上。危機感は一時的なものに終わり良かったです。遠い昔のお話です。