★10.以前は面白がってCDを買ったりもしてたけど、結局のところフィリップ・グラスの音楽なんてのは3時のオヤツくらいにしか思ってないもんで、さてそれを映画まるまる通して聞かされるこの作品、最後まで耐えられるでしょうか? 音楽だけだとツラいけど、こういうエキセントリックな映像とセットだと、苦にならないというか、割とサマになってますねえ。 とは言え、大量消費社会を描いたような辺りのシーケンスでは、やたら目まぐるしい映像にやたらしつこい音楽、映画にのめり込んでいる間は煽られて興奮もしますけれど、ある瞬間、ふと我に返ってしまったら最後、一体何て騒々しい映像と音楽なんだ、とたちまちウンザリしてしまいます。だから、なるべく我には返らないように気をつけましょう(?)。 映画最初の方は神秘性すら感じさせるような自然の光景が描かれ、そこから次第に人間や都会が描かれるようになって、意図としては、自然と文明の対立、みたいなものを描こうとしてるのかな、と思うものの、見てると意外にそうは見えなかったり。人間の動き、工場の動きが早回し映像で描かれて、その光景はむしろ非人間的、むしろ珍しい自然現象でも見ているような気分になってきてしまいます。もしかしたら製作者の意図とは合わないかもしれないけれど、第三者的、巨視的に見れば何だか、人間も文明も、自然の一部なんじゃないの、と。 ラストはロケット爆発のシーンで、こういうシーンからは、やはり、人間と自然の対立、人間の挑戦があえなく自然に敗れる光景、といったものを感じさせます。爆発後、落下するロケットエンジンらしきパーツを追い続けるカメラ。その光景の虚しさに加えて、「よくここまで完璧にカメラに収めたな」と多いに感心もさせられ、なんだか映像の神が舞い降りたような。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-16 19:41:36) |
9.寝ないでいるのが苦痛だったけど、なんとか意地で最後まで見た。もう20年前以上のCMなしのミッドナイトアートシアターだね。懐かしい。 【センブリーヌ】さん [地上波(字幕)] 5点(2019-12-02 02:21:56) |
8.《ネタバレ》 途中までは眠たかった。テレビの性能をよく見せるために家電量販店で垂れ流しされている映像のような印象を受けました。しかし、「Cloudscape」以降の映像には夢中になってしまい、眠気がどこかに吹っ飛んでしまいましたよ。 特に気に入っているのは「The Grid」。人、光、流れの3要素を早回しで写しているだけのように見えますが、映像に娯楽性があること、作品全体を通じて行われる資本主義批判の最も直接的なものがあること、そして本作への世間の反応を表すようなスローモーションがあることが素晴らしい。ジガ・ヴェルトフはレンズは人間の第二の目となり、映画には映画の真実が存在することを『カメラを持った男』で示しましたが、本作40年後の『カメラを持った男』であると言えるのです。 人間の目では絶対に観ることができない早回しの映像、それに伴う光の残像の美しさ。今では頻繁に見かける表現ですが、何度も繰り返し見せられることで感覚が麻痺してきて、一種のトリップ状態になってしまいます。この感覚がとても楽しい。楽しさの中にメッセージが込められていて、例えばソーセージが大量生産される映像の後に空港のエレベーターを映す。ソーセージと人間が同じように大量生産されているじゃないかという痛烈なメッセージです。作品全体を包み込む資本主義批判への世間の目は本チャプターの中で数少ないスローモーションの場面で表現されます。ある者は撮影に対して無関心で、ある者は迷惑がり、いらだちを見せる。ある意味本作で一番痛烈な場面と言えるでしょう。 さらに、本チャプターの、地ひびきのような重低音と賛美歌のようなメロディと合唱が融合した奇妙なトラックもいい雰囲気を醸しています。映画音楽において重低音は重要なんですよ。簡単に不穏な雰囲気を演出することができる。 とにかく、良いドキュメンタリー映画でした。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-05-25 17:57:59) |
7.右脳で楽しむべき映画というか、そもそも殆ど映画じゃないよね。むしろ環境映像といった感じ。制作者の意図としては、自然と現代社会の映像を対比させて文明の繁栄と退廃が見えてくるといったところでしょうか。まあ、画面をボーと眺めて映像や音楽から自分なりに様々な解釈をするのも良し、疲れたときに目をつぶり音楽だけを聴いても良し等、色んな楽しみ方がありますね。但し、決して万人向けの映画ではありませんが・・(笑)。そういえば、この映画って、その昔開催された愛知万博で上映されていましたね。音楽は生演奏で。観れた方ってかなり貴重な体験をされましたね~。 【けんおう】さん [レーザーディスク(字幕)] 7点(2014-05-03 10:51:19) |
6.《ネタバレ》 芸術作品の最小の単体は、社会から切り離して観る側に依存させない、その作品単体であるという個人的な観点を前提とした評価。なので、その実験性や社会へのメッセージ性などは全く評価せずに鑑賞した。自然、交通、街、人、生産、消費、回路、社会と焦点が切り替わっていった気がするが、特に意図を見いだせない。単純に映像トリックとして「こんな面白い見方ができるんだぜ」というアピールにしか見て取れない。ただ、その見せ方や音楽とのシンクロは上手で、飽きさせずに、しかも物語性をもって見せてくれた。スゴイと思う。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 3点(2013-06-22 22:34:06) |
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5.恐らく当時としては画期的だったのだろうが、今となっては色あせてしまった。グラスのサントラを聞くためだけの映像。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-02-17 17:26:33) |
4.2001年宇宙の旅よりずっとわかりにくい作品。答えがない映画。眠くなる。でも人として観ておかなければならない作品。鑑賞後に答えは出ない。でもなにかが変わる。 【みどりいろ】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-08-29 15:31:08) (良:1票) |
3.これを、当時、六本木のあの場所で(名前わすれた)観た方々はいまも生きておりますか! あそこの周辺のビルを含めたすべてがなつかしい。というか、再び、取り戻したい! 最近はこれのDVDを手に入れる情熱も失せました。 (低音で!)こやにーーーーーすかっついーーーーーー!!!!! あと、公開当時、ゴッドフリーレジオと言う名前を”神をも、自由に通り抜けるレジの男だ!”と、つまんないことで馬鹿さわぎした休み時間のことを、かすかに思い出す。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-08-27 23:55:36) |
2.人間の営みをもの凄い早回しで見せる一連のシーンがありますけど、ああやって速度を速めて見ていると、すごく傍観視するというか、人間がアリを逐一観察して視てるような感じで、高度な地球外生命体が人間を監視してるようなそんな視点に見えてきますね。ハイウェイで走ってる車が、ハイウェイが血管で車が赤血球みたいな感じに段々と見えてきます。多数の人の流れや市場経済がこれまたなにか目に見えない統制が働いてるように見える。人類がこれまた一つの生命体みたいに。ミクロがマクロに、マクロがミクロにダブついて見えてきます。半導体と都市の画を重ねあわせるシーンなんか見てるとなおさら。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-07-06 23:16:43) |
1.感想を書くのが難しい。。高校生の時六本木で単館上映してて、学校サボって観に行ったなあ。観終わった後激しく頭痛がしたのを憶えています。 【ロイ・ニアリー】さん 10点(2003-12-13 10:39:43) |