14.《ネタバレ》 初・座頭市。いや面白いわ。勝新太郎といえば丸々っとした中年男の印象しかなかったけど、思ってたのとぜんぜん違う。最初の賭場から格好良い。「暗闇ならこっちのもんだ、見当付けて斬ってきな!」台詞もバシッと決まってて、痺れるわぁ~。 続き物で、前作と繋がりがあるのか、各話単体の話なのか解らないけど、この話だけでも市がどういう人物か充分に理解できる単純設計。普段の穏やかな口調と、啖呵を切る迫力の落差が凄い。 居合斬りの格好良さだけが売りではなく、籠屋の親分とのお美津を取り返すやり取り。堂山の彦蔵との値段吊り上げのやり取りから、市の一筋縄ではいかなさが滲み出ていてまた面白い。 そしてお久がなんか良いなぁ。悪者側の女だけど、つくづく男運が悪いというか要領が悪いというか。憎めない人物像が好感。 驚くほど出てくる『メクラ』って言葉。私の子供の頃は、まだあった言葉だなぁ。反対の言葉は『メアキ』って言うのか。「やぁ~い、メクラだメクラだぁ~」って追いかける子供、それ見て笑う大人。…こりゃ今の世の中じゃ地上波でも衛生でも放送できないか、こんなに面白いのに。『胡麻の蠅』とか普段聞かない言葉も出てきて、勉強になるなぁ。 本作は五作目。座頭市は作品数も多いけど、他の作品もこれくらい良く出来た娯楽映画なのかな。観てみたくなった。 【K&K】さん [インターネット(邦画)] 8点(2023-03-04 12:48:38) |
13.《ネタバレ》 GYAO の無料動画で視聴。「大魔神」「眠狂四郎魔性剣」に続いて安田公義は3本目。すっかりファンになってしまった。ちなみに勝新の座頭市はこれが2本目です。だいぶ前に三隈研次による第一作を見て、そのシャープな画面とファンタジックな演出に興奮した記憶があるけど、レビューは書いてなかったみたい。 今作は「座頭市を抱き込んだヤクザ」と「お姫様を人質に取ったヤクザ」の大喧嘩という設定。黒澤明の「用心棒」の2年後に作られていて、砂埃の道を縦にローアングルで撮るなどのパロディっぽい要素も見受けられる。「大魔神」よりも3年前ですが、障害物をなぎ倒すように敵を追い詰めていく姿や、四方八方からの荷車攻撃にもビクともしない姿などは、ほとんど大魔神さながらに見えてしまいました。 脚本にはちょっと嫌なところもあって、目当ての娘を手籠めに出来なかった腹いせに家来に追っかさせて殺そうとするバカ殿を叩き切れなかったのも不満だし、バカ殿から離反した家来がその後どうなったか描かれないのも不満だし、疑うことを知らないウブなお姫様と色欲に目が眩んだっぽい市がちょっとイイ感じになったりするのも気持ち悪い。また、CGを凌ぐほどの神懸った勝新の殺陣には若干の恐怖さえ覚えます。 しかし、それでもやはり安田公義の様式美の魅力がすべてを包み込んでいるし、上記の欠点を補ってなおお釣りが来ます。竹林の中を歩くシーンや水辺でお握りを食べるシーンには「羅生門」や「雨月物語」のような神秘性を感じるし、夜の駕籠屋の入口を撮った画面の絵画的な美しさにもウットリします。もはや安田公義に7点以下はつけられない感じがしてきました。 追記:(考えてみたら当時の勝新は結婚したばかりの32才ですごく若いのですが、劇中の設定は「でっぷりした中年男」となってるのですね。藤村志保は当時24歳ですが、映画を見ると十代の生娘のようにも見えます) 【まいか】さん [インターネット(邦画)] 8点(2023-01-16 09:47:34) |
12.若い時に好きでよく観ていてた座頭市、久しぶりにみたけど全く覚えていなかった。 悪人は悪人、お姫様はお姫様、それぞれのキャラがカタにハマった様式美の時代劇を堪能できます。今回、お久役の藤原礼子がめちゃくちゃ気に入りました。昔観たはずなのに全然記憶に残ってなかったのが不思議。美人だなぁ、気になってネットで検索したら、勝新の兄貴、若山富三郎の元嫁だった 【amicky】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-01-08 13:23:35) |
★11.クライマックスでのヤクザ同士のニラミ合いなんかを見ると、もしかして『用心棒』にだいぶ影響されてるのかな、と思う一方、やっぱり大きく異なる雰囲気というものもあって、本作のユニークさというものは、もちろん座頭市というキャラの特殊性にも起因するし、それ以上に本作が一種のラブストーリーになってる点が、ミソですね。 座頭市、盲目という割には、初めての場所だろうとどこだろうと(カメラが回っていないところでは)独りでスタスタ行ってしまったり、時々自分が盲目であることを忘れてるんじゃないか、とも思うのですが、それでもやっぱり、この設定と、この所作が、映画におけるアクセントになってます。普段の不器用な印象と、凄まじいばかりの殺陣のコントラストに、少し恋愛模様のようなものが加わってくる。そこにさまざまな人物の思惑も加わっての思わぬ展開にハラハラさせられつつ、一大抗争へと発展していくあたり、なかなかの盛り上がりです。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-18 18:44:14) |
10.《ネタバレ》 シリーズ中期の第一作目 冒頭の鉄火場のシーンから見事な居合いを見せてロウソクを縦割りにする ほんとに仕込みを抜いたとたんに鞘に仕舞っている まさに一閃の技 見事というしかない シタタカだが人のいい座頭市という人物をわかりやすく見せるスタンダードな一本だ 殺陣もそれなりにあって無難な作品に見える 万人向けの仕上がりで安心して見れる その分、可も無く不可もなくと言う感じかな シリーズ初心者向け 今回ヒロインがキャーキャーうるさいだけであまり魅力がないのが残念だ 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-12-31 01:21:34) |
9.大映映画はときに知らない人が多くて寂しいことがある。藤村志保と吉田義夫ぐらいだったかな。藤原礼子いう人が改心する悪女になる。道中ものというか、娘を連れての逃避行もの。「信用されてなかったのが情けない」と座頭市がいう。座頭市はけっこう心が傷つきやすく、身体障害者の心理をときどきグッと突きつけてくる。大ヒットしたシリーズなのに、なかなかテレビでは放映されなかったのは、悪役が「このドメクラがっ」などと悪態をつくからだったろう。「この目の不自由な人がっ」では日本語になってない。そういう差別の実態がなくては成り立たない作品のはずだ。「ドメクラ」という言葉に気をつかうのが面倒くさくて盲目のヒーローを放映しない「事なかれ主義」のほうが、よほど差別的だったろう。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-11-23 10:05:03) |
8.《ネタバレ》 堂山一家と下妻一家。対立するヤクザが座頭市を奪い合う。お美津で一儲けを企む籠屋も絡んで、とても面白い。黒澤明監督の「用心棒」に似ているかな~とも思う。市はお美津を人質に取られた手前、下妻一家に寝返るが、最後には悪い奴を全員斬って、お美津を逃がす。座頭市の旅はまだまだ続く…と。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-11-06 12:03:08) |
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7.シリーズ5作目。今回も勝新演じる座頭市の存在感と殺陣に相変わらず凄さを感じるし、市がヤクザの抗争に用心棒として参加するという展開は新鮮に感じられる。しかし、じゅうぶん楽しめる作品に仕上がっていると思うものの、まだ初々しさの残る藤村志保演じるヒロインがあまりにもお姫様然としていてか弱すぎるし、脚本的にもなにか強引さが感じられるのが残念だった。それでも安田公義監督の演出は手堅く、クライマックスの抗争前に二つのヤクザが対峙しているシーンの緊張感や、市が双方の親分を斬ってしまうシーンなどは見ごたえがあり、脚本が強引なわりに出来としてはそんなに悪くないと思うのでぎりぎり7点。でも、1作目の脚本を書いていた犬塚稔脚本だっただけにもう少しドラマに充実感が欲しかった気もする。ところで安田監督はもう一本、藤村志保をヒロイン役に「座頭市」シリーズを撮っているみたいなんでそっちも見てみようかな。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-05-12 18:49:30) |
6.安田公義監督って大映の監督の中でも語るのが難しい人だ。可もなく不可もなく。平均点の人。でもこういう人の仕事がシリーズを支えてきたのは言うまでもない。本作も座頭市シリーズのクリアすべき水準は保っているんじゃないだろうか。敵役が弱いといえば弱いけど。藤村志保もヒロインとしてはめそめそしていて弱いかな、とも思う。でも、ラストの、出入りの両家を的に舞わしての立ちまわりはなかなか見応えがあった。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-01 22:14:50) |
5.《ネタバレ》 シリーズ5作目。今までに比べると座頭市が積極的に剣を使うという印象。か弱い娘とそれを守る凄腕の男という、男の持つ典型的ヒロイック妄想を刺激する構図。前4作とは若干毛色の違った感じだが、これはこれでいい。敵味方両方の親分をばっさり斬って、何か考えがあるのかと思ったら、考えはなく、そこから娘を探し出すのはちと苦しい流れ。もう少しなんとかならなかっただろうか。 【MARK25】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-01-20 19:40:49) |
4.《ネタバレ》 勝新「座頭市」もどこまで観たっけなあ?と思いつつ、久しぶりに借りてきて観たのが今回のシリーズ第5作目となるわけですが、悪くはないけど、あと、一押し足りない気がした。相変わらずの勝新座頭市のアウトローぽさ、不気味な笑いを浮かべてみたりする所などはオーラが出ていて良いし、殺陣のシーンも迫力十分だけど、内容的にちょっと感心出来ないものが残る。ところで、座頭市に肩を揉まれて一両払うぐらいなら私は斬られた方が良いなんて、馬鹿な事を思う奴、果たして何人おるだろう?どうせ一両払って、肩を揉んでもらうのならお美津役の藤村志保か、いや、お久役の藤原礼子の方が良いなあ! 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2006-04-17 20:52:56) |
3.第5作。「一瞬に勝負を決す絶妙の居合斬り 襲う浪人追うやくざ ますます冴える仕込杖」今回の煽りはいまいち普通。内容のほうはやっぱり初期っぽいのかな。市が喧嘩の出入りの助っ人やるなんてなかなかないはず。まだお姫様っぽい藤村志保に、今風な美人藤原礼子、吉田義夫のいやらしさなどキャストは見応え十分です。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-11 23:30:28) |
2.チャンバラシーンは確かに前作よりも良かったと思います。敵が市を取り囲んで、四方から荷車をぶつけてくるシーンなんか「ああっ!座頭市危ない!!」と心の中で叫んじゃったり(汗)。けど、冒頭でお美津を追い回していた侍たちのその後が無かったような気が・・・(うろ覚え)。その後ちゃんと逃げられたのかな?お美津を助けるお久もいい味出てました。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-04-01 13:54:37) |
1.本作はあのタランティーノがフェイバリットに挙げている一本だとか。そう言われてみれば、ラストの乱戦のシーンは今までの作品の中で一番生々しいような気もしますね(個人的にはシリーズ最初の頃の、人を斬る度に少し哀しそうな表情をする市が好きだったのですが)。藤村志保演じるヒロインに信頼されてないと分かった時の市が、ちょっとふて腐れてみせるのがなんとも愛嬌があって可愛らしいです。ただ、ちょっと残念なのがお美津(藤村)が典型的な「か弱いお嬢様」で、なーんも出来ないで泣いてばかり、という点。ま、ラピュタのシータとまでは言わないけど、もちょっと頑張れよ(結構好きだけどさ、この頃の藤村志保)。 【ぐるぐる】さん 7点(2004-01-28 21:24:19) |