8.《ネタバレ》 高峰秀子演じる普通の主婦が映画が進むにつれ何故か妙に色っぽく見えてくる。貞淑で薄幸な人妻に隠された過去と衝撃的な展開。特に昔の恋人にブチューっとするシーンは、並みのAV以上のエロっぽさがある。張り込みをしている二人の刑事のまったり感も◎。 【パオ吉】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-27 00:46:30) (良:1票) |
7.主役の刑事に人間的魅力が全く欠けていた清張原作同年製作「点と線」より、大木実演じる刑事自身の苦悩がちゃんと点出されている分、映画としては数段こちらの方が上ですね。自分が敬愛してやまない日本一の名女優、高峰秀子が出演しているのも大きなプラス材料。木下・成瀬映画では常にヒロイン役の彼女が、こういった助演的役どころを演じるのは珍しいかもしれません。ごく普通の白エプロンの主婦を何気なく演じていても、画面に姿を見せるだけで彼女ならではの存在感や品格が作品自体にも厚みを持たせているのは流石。自分の清張原作映画ベストは本作と「疑惑」、ここには登録されてませんが「顔」「天城越え」あたりかなあ・・・。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-10-28 14:18:05) |
6.《ネタバレ》 犯人は贖罪という救いがあるが、さだ子には残酷な日常しか残っていない。しかし、その残された繰り返すだけかもしれない日常こそが、得難い値打ちなのですよ。と、考えつつも、やっぱり、さだ子は不憫だな。笑。張り込みの一週間は「ちょっとダレるかも?」と思いきや、物語の時間軸の使い方が巧い。「鬼畜」「砂の器」も、そうですが、野村芳太郎作品は「行ってみたくなるロケ地」が多くて、やっぱ面白い。行ってみてぇよ(蟻がでかい)佐賀県! 【aksweet】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2006-07-28 10:06:42) |
5.張り込みという刑事ものの中ではやや地味な印象のある題材なのでちょっと退屈するのではないかと思っていたが、橋本忍のよくねられた脚本と野村芳太郎監督のきれのある演出のおかげで大変見ごたえのある映画に仕上がっていて非常に面白かった。もちろん主役の二人の刑事を演じる大木実と宮口精二はじめ、高峰秀子など俳優たちもいい。それほど多くない出番だが、重要な役で先日亡くなられた田村高廣も出演している。好きな俳優の一人だっただけに亡くなってしまったのが非常に惜しい。心からご冥福を祈りたいと思う。 【イニシャルK】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-06-01 03:43:12) |
★4.タイトルの出方がほんとに粋でいいですねぇ。刑事たちの下宿先の奥さんが、刑事を不振人物と間違えて怪しみだすというエピソードなど、笑いもあって楽しめました。実は刑事たちも見張られていたという(^^)。後半はなんだか考えさせられました・・・。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-01-05 09:26:10) |
3.同じ野村芳太郎監督の「砂の器」の影に隠れがちな作品ではあるが、これもまた見応えのある作品に仕上がっています。まずはこの作品、宮口精二と大木実といった2人の刑事が素晴らしい!そしてまた犯人を追い詰めるまでの展開もなかなか良く出来ていてサスペンス映画としての完成度もなかなかのものです。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-07-12 22:00:59) |
2.刑事という職務上のひとつである“張込み”をドキュメンタリータッチで描いており、まるで刑事達の日々の仕事ぶりを見ているかのようである。捜査そのものは強盗殺人事件の共犯者を追っているわけだが、その張込みがリアリティ充分で、事実このような地道な仕事の積み重ねが犯人逮捕に繋がるのであろう。しかも犯人側にもちょっとした人間ドラマがあり、当然刑事側にも普通の人間と同様に考え事や悩みごとがある。またこの映画では、当時の庶民の生活模様をかなり意識してモノクロ映像に収めているものと思われる。戦後間もない夜行列車内での風景、昼下がりの地方の風物詩、人情味ある旅館の様子などなど…この辺りなかなかの雰囲気描写で懐かしい日本の盛夏を味わえる作風になっている。《ネタバレ》ラスト、大木実演じる刑事柚木が犯人石井(田村高廣)に向かって言う「今日からやり直すんだ」。 この言葉、fujicoさんの仰るとおり犯人だけにではなく、さだ子(高峰秀子)を通じて女心というものを知り結婚を決意した自分自身にも言い聞かせている。この佐賀での一週間は、犯人はもちろんのこと柚木にとっても人生のターニングポイントであり、東京へ向け折り返し出発する汽車がその事を力強く訴えている。監督野村芳太郎の演出が冴えるサスペンスドラマの名作です。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-11-13 16:19:18) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 この映画では松本清張の原作にはないような事をいろいろと盛り込んである。柚木は張り込むうちに横川さだ子に同情に似た気持ちが芽生えてくる。そして自分も迷っている恋人との結婚を勧めていこうとする。張り込みを通しながら石井とさだ子の関係、横川とさだ子の暮らしぶり、柚木刑事の私生活、にも焦点が当てられてゆく。年の離れたケチな夫との窮屈な生活より、心から愛してる男性~それがたとえ殺人犯としても一緒にいたい、、と女なら思うのだろうな。高千穂さんも高峰さんもとても美しいです。博多駅や鳥栖とか出てきて、博多出身の自分が見ると昔はあぁだったのだなぁと感慨深いものがありました。そして最後柚木が犯人に“やりなおすんだよ”みたいな声かけをするがそれは自分に向けて言った言葉でもあるんだろうなと思いました。 【fujico】さん 7点(2004-02-23 11:45:08) |