16.言わんとすることはわかるけど、ちょっと主人公たちの内面を掘り下げてほしかった。ラストも唐突感あり。 【noji】さん [インターネット(邦画)] 6点(2020-07-04 10:52:20) |
15.《ネタバレ》 関東の少年院。収監された少年たちの日常。窃盗、暴行、万引き常習、そして殺人。 皆あだ名がある。主人公は「サード」と呼ばれる。高校時代野球部でサードを守っていたからだ。 回想する。俺は野球がうまくも下手くそでもなかった。俺の守るサードを敵チームがどんどん駆け抜けホームを目指す。いざ自分が長打を打つと、ホームを目指して走るのだが、ホームが消えている。仕方なしに再度走るのだがホームはみつからない。 この辺りがこの作品の肝なのだと。行き場のない青春。走れども走れども目的の場所はみつからない。 自分の好きな女が体を売るのに自分は何もできない。インチキポン引き状態。そして殺人。 永島敏行の駆り立てられるような青さの光る演技と、森下愛子の可憐さと展望の無さが混ざった演技の融合は一見の価値あり。ノワールムービーやアメリカンニューシネマと比べると、ひょっとすると明るさすら感じる映像だ。でも内包するテーマは重く熱く素手で持つことはできない。 主人公「サード」は走ることしかできないのだ。 【JF】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-02-16 13:35:09) |
14.《ネタバレ》 少年院を舞台にしたATGの青春映画。ドキュメンタリータッチの構成で最初からけっこう淡々と展開する映画なのだが、なかなか見ごたえのあるいい映画だった。永島敏行演じる殺人罪で少年院送りとなったサードと呼ばれる主人公。彼がひたすら走る姿はなにかやり場の無い自分自身の存在を確認する行為のように思える。この時代の若者のやり場のなさはほかにも回想シーンにおいてこの町を出るために金を稼ごうというシーンにも表れている。その金のために男を騙して肉体関係を結ぶ新聞部の少女(森下愛子)のやるせなさや、本当は新聞部に恋をしていながらそれにじっと耐えるサードのやりきれなさなどがじゅうぶんに感じ取れるし、だからこそ、サードがヤクザの男(峰岸徹)を殺してしまう気持ちが理解できるような気がする。ラストの「もっとゆっくり走ってくださいよ。」という新しく入ってきた少年に対し、「走れよ、自分の速さで。」と返すシーンはマラソンじゃなくて人生を自分の速さで走れという意味に聞こえ、なんだか見ている自分が勇気づけられた気がした。全体的に見ると完成度はそれほど高くないと思うし、今見ると時代を感じてしまう部分も当然あるのだが、当時の若者たちがとてもよく描けていて、この時代だからこそ出来た青春映画の佳作だと思う。脚本は寺山修司。短歌を作っている少年が登場するあたりはこの人らしい。(「時には母のない子のように」という歌もありますというセリフには思わず笑ってしまったが。)森下愛子が初々しくて可愛い。それにしてもこの映画のサードと新聞部の図書館でのシーンのあのいやらしさは大胆でビックリしたなあ。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-26 20:56:10) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 脚本はいかにも狙いすぎという感じで鼻につくが、それを救っているのは、永島敏行と森下愛子の天性の存在感。特に、森下愛子は、20歳にしてこれだけあどけなさと色気が同居しているのは凄い。今頃になって見直してしまった。あと、秀逸なのは、枕元に少女の幻影が現れるシーンで、ここで一気に主人公の総括と転機を凝縮し、作品に一本の筋を通す役割を果たしている。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-08-18 00:09:13) |
12.《ネタバレ》 昔は、ものすごく好きだった筈なんですが今なってはどこがそんなに好きだったのかまるで自分が理解できません。 主人公の非常に視野の狭い考え方も、中二病と考えればあっさり解釈できてしまうし、 少年院を舞台にしたわりには自由に対する切望もあまり感じられない。 あと、少年院の教官、あるいは家庭裁判所の裁判官が全く綺麗事しか口にしないのは何故でしょうか?何らかの皮肉が込められてるのか?あるいは事情があるのか? ただ、捕まる前の、新聞部とテニス部の処女喪失、売春から殺人事件への流れは妙なリアリティがあって楽しめました。 特に森下愛子の可愛さ、素晴らしい肢体は最高でしたね。あまり大きな花を咲かせることもなく全盛期が過ぎていってしまったのは残念です。 【rhforever】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-04-12 10:51:50) |
11.《ネタバレ》 昔から気になっていた映画をやっと鑑賞。少年院の中のことは全く知識の無い世界だったので興味深かった。品行方正な人を目指して頑張りましょうというプログラムが、いちいちカルト宗教の洗脳っぽく見えた。少年たちは特に逆らうことなくそのプログラムをこなしていたけど、リアルに更生への道を歩んでいるというより、刑期が終わるのを待っているという印象。多少のいじめはあったけど、概して少年たちはみんな大人しく、永島敏行を含めて犯罪を犯したという印象がない。それはキャストの問題か? ホームベースが無いダイヤモンドを走り続けることは生への執着の暗喩だろう。行き先は見えなけれど、若さのエネルギーは溢れている。若者の無為・無気力が指摘される現代と比べると、時代の変化を感じずにはいられない。デビュー間も無い森下愛子が瑞々しい肢体を披露するエロシーンが盛りだくさん。それだけでも見応えありますよ。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-09-27 21:42:25) |
10.《ネタバレ》 走る。ひたすら何かに向って走る。走るという意味をこの映画から考えさせられた。サードという仇名の主人公、永島敏行にとっては走るという事は自分自身の気持ちを確かめる為の最も相応しい行為であると思います。それは他のことにも言える。例えば本当は心から好きな相手、新聞部の彼女である森下愛子演じる少女がお金の為に好きでもない全く見ず知らずの男と肉体関係を持つことを我慢しているかの如く、空き地で一人、寂しくピッチングの真似をしている。その我慢が限界となって現れる瞬間、ヤクザの男を殺してしまうのである。それは好きな女を守ろうとするという男の気持ちの現れであり、その結果、少年院送りとなっても一人、他の少年院に収容されている人達とは違う行き方を選び、ただひたすら走る。そして、最後に盗みの罪で少年院に入ってきた別の一人とのマラソン大会に向けての練習シーンでその相手に言う台詞「走れよ、自分の速さで」いやあ、この台詞こそこの映画の全てであるように感じる。自分の足で自分の道を突き進め!自分の生きる道は自分で決めるのだとばかりのエネルギーを感じさせる作品になっている。作品全体としては物凄く荒削りではあるが、その荒削りな所もある意味この映画の魅力なのかもしれない。それにしても図書館でのシーンのいやらしさ、森下愛子の初々しさ、そして、あのアイスキャンディになりたいなんてアホな妄想をつい膨らませてしまいそうにもなるぐらい森下愛子が可愛い。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2009-09-20 21:42:50) (良:1票) |
9.自分はもうすぐ30歳になりますが、観ていると忘れかけていた10代の頃の行き場のない苛立ちを思い出しました。少年院が舞台ですが、主人公たちは特別凶悪なわけでもなく、堅気の人たちとは紙一重という感じの描写です。少年院なのに、出演者が全般的に格調高いのが気になるところですが、社会から隔離された空間として象徴的に使われているだけなのかなとも思いました。この隔離された環境で主人公たちは、行き場のない毎日を送りながら過去を回想します。その過去とは少年院に入所する前のことなのですが、少年院の外でも結局行き場がない。そんな感じで物語が進んでいきます。この映画は、もう若くない人が昔を回想するためのものなのかもしれませんね。でも味があっていいと思います。 【EDOFUNK】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-10-04 00:06:58) |
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8.ものすごく久しぶりに再見。 こんなに面白かったっけ?! そして、こんなにエロかったっけ?! 記憶とは曖昧なものだ。 それとも、歳を重ねてから観ると見方が変わるのか? それとも、沢山の映画を観てきたから、感じ方が変わったのか? 理由は分からないが、予想以上に楽しめた。 特に、図書館における性交シーンが印象的。 また、峰岸徹に犯された女のコの放心した表情が印象的だった。 それにしても永島敏行って、先細り俳優だなぁ・・・ 70年代に既に主役を張っていたにも関わらず、その後の活躍がパッとしない。 下らないテレビ番組にちょこちょこ顔を出す程度だ。 ATG作品で印象的な主役を演じた俳優は、得てして先細りになっているイメージがある。 【にじばぶ】さん [地上波(邦画)] 7点(2007-10-08 15:03:55) |
7.ATG製作の映画って家族が寝静まった後、テレビ消音してこそこそ観るのに適した内容の映画が多かったような気がします。「もっとしなやかに、もっとしたたかに」に続き、若かりしチャーリー氏の煩悩のエジキ、美神森下愛子の小悪魔的(←死語?)魅力と、永島敏行の土着的田舎くささがうまく生かされた青春映画。ただ70年代ダサテイスト満載ゆえ、共感するまでには至らなかったかも。永島氏は代表作がこの辺に集中し、彼の個性にぴったりはまる役にあまり恵まれなかったのは残念でしたね。人生いろいろ島倉千代子が、何故か永島の母親役で女優として登場してきたのには苦笑。森下&永島の図書館のシーンとか特にエロい。図書館にてよかやぬ妄想をたくましく働かせた輩は必見!・・・でも、今のガキどもはこの程度のモノを観ても昂奮なんぞしないかもしれんなあ・・・。勝った。 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(邦画)] 6点(2007-08-19 16:05:57) |
★6.無分別や無目的を描くのが全共闘後の青春映画の特徴ですけど、本作も私には当時から地味でつまらない映画としか思えないし、そこに共感もありません(どーしょーもない田舎の馬鹿ガキ共と「短歌」と呼ばれる院生に、寺山修司の共感は込められてる様な気もしますが…)。同じ「無」でも、こういった映画のガキ共は「無知能」と呼んだ方が良い。大人の能書きに対する感想をいちいちナレーションで入れるのも余り頭の良い方法とは思えないし、少年院の描写からもリアルさは伝わってきませんでした。こういう陰気で地味な映画が持てはやされた所為で、70年代頃から邦画の衰退が進んだとも感じます。それにしても、21世紀の少年犯罪の前では本作は凄く陳腐に見えてしまう。恐ろしい時代になったもんです…、4点献上。 【sayzin】さん 4点(2004-09-24 16:11:28) |
5.永島敏行がかなりよかったと思う。確か実際に彼は野球漬け少年だったとかで、野球のシーンがつくりものっぽくなかった記憶がある。鬱屈した青春と野球というコントラスト。「サード」というタイトルの言い切り方が、控えめながら何かを伝えようとしていた感じで、昨今のわかりやすい青春ものとは、一線を画す。また観てみたい作品です。 【おばちゃん】さん 8点(2004-07-05 00:52:47) |
4.このころのATGの中では真面目な作品だったと思う。 暗いけど。(ビデオ) 【zero828】さん 7点(2004-03-27 12:15:10) |
3.この映画何故かたまらなく好きなんです。 特に印象に残っているのが少年院に護送されていく永嶋敏行演じる少年が祭りの人込みに取り囲まれる場面、それとラストのランニングの場面。 これぞ本当の青春映画と思える自分はやはり・・・暗いんだろうな。 【JUNK】さん 10点(2004-03-17 16:10:56) |
2.映画「ドカベン」でデビューした永島敏行は、この映画の他に「帰らざる日々」「事件」と言った秀作に次々に出演して、当時の私に強烈な印象を残した青春スターだった。特に印象に強いのが、この映画で、それはエッチなシーンが多かったことも関係があるかも知れない。痛々しい青春ものって、好きです。 【ノーコメント】さん 6点(2003-12-14 05:27:40) |
【虎尾】さん 6点(2003-12-12 23:37:19) |