★68.《ネタバレ》 製作者のやりたいことは分かるが、描き方がまずかった。 嘘をつき、アル中を隠し、何とか無実を勝ち取ろうとする主人公。ところが最後の最後で、主人公は嘘をつくのやめ、すべてを正直に話す。 こここそがこの作品のミソであり醍醐味でありテーマである。…のであるが、残念ながら、それがうまくいっていない。 というのも、その「正直に話すきっかけ」になったトリーナという客室乗務員について、作中でほとんど語られていないからだ。
最後に正直に罪を認めたのはどう見ても「トリーナに罪をかぶせることはできない」という気持ちからに見える(もちろんそれ以外もあるだろうが)。トリーナの遺影を見て、主人公が答えにつまるシーンから見ても明らかだ。
だが、そうであるなら、どうして作中、もっとトリーナにスポットを当てなかったのか? そもそもこのトリーナという女性がどういう人物だったのかが作中に全然描かれていない。 一番大事な「主人公とはどういう関係だったのか?」すらほとんど語られない。最初に主人公とセックスしてるのもトリーナで、そこから主人公とトリーナが懇ろなのは察しがつくものの、そんなの誰も覚えてないって。 彼女はアル中だったらしいが、その事実すらも最後の最後でいきなり降って湧いたように明らかになる。
さらには事故の時、トリーナが死んだシーンすら出てこない。何でだ? 別の搭乗員のカミーの死亡シーンは出てくるくせに・・。 他にトリーナが出てくるシーンと言えば葬儀のシーンだけ。見てる方は完全にトリーナって誰だ?状態である。
これで「トリーナに罪をかぶせることはできない」「だから俺は正直に話す!」ってなっても感動もクソもない。 この重要なシーンにからむトリーナをもっと話に出すべきであった。それなのに、ニコルというよくわからないシャブ中女はやたら出てくる。 逆にこいつ、出す意味ある?あんまり話に関係ないじゃない。
あとは、ちょっと長ったらしいことも残念だった。中だるみしすぎ。この話なら1時間半くらいにまとめてもいいい。 【椎名みかん】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-06-27 07:47:22) (良:1票) |
67.《ネタバレ》 航空パニックものと思ったらなんとアル中克服ものストーリーでした。主演がデンゼル・ワシントンだからそりゃ納得できる依存症演技です。そして“アル中演技はアカデミー賞ノミネートへの最短コース”というジンクスは今回も通用しました。たぶん実際にその気があるニコラス・ケイジがアル中演じるのはあまり演技っぽくない自然さがありますが、品行方正なイメージが強いデンゼルにここまでグダグダな中毒者を演じさせたことに意義があったということです。名優だけあって、彼も役選びの眼力も優れているのではないでしょうか。「依存症になることは、ウソにまみれた人生を送ることだ」と言う様なセリフがあったと思いますが、これは至言です。 実はわたくしCSで放送している『メーデー・航空機事故の真実と真相』のファンで良く観るのですが、そこから得た知識から考えてもこの脚本には事故の設定やその後の展開に関して首を傾げたくなるところが多々あります。まず、いくらアメリカ深部のローカル航空とは言っても、旅客便の機長が酒のい匂いをプンプンさせて操縦するなんてことはさすがにあり得ないでしょう。また愛人のCAも、デンゼルが登場前に酔っぱらってコカイン吸っても平然としているんですから、いくら乗客を救うために死んでしまってもなんか同情出来ません、これは飲酒運転の共犯みたいなもんです。見せ場の背面飛行についても、なぜこの体勢が急降下からの回復につながるのか理解できません。そして唖然とさせられたのはあのいろんな酒がぎっしり詰まった冷蔵庫で、あまりのご都合主義にシュールさすら感じてしまいました。この悪魔の様な冷蔵庫は、“神が与えた試練”ということなんでしょうか? 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-26 22:19:10) |
66.タイトルだけみればどんな凄い英雄のパイロットの話だって思ってたけど、アル中の話かよ! まあ、仕事はできるけど生活粗暴みないなキャラは嫌いじゃないけどね。 |
65.《ネタバレ》 思っていたものと違っていたが、アルコール依存症の怖さを啓蒙するには最適な作品なんでしょうね。 百人の命を救った英雄となっても、アルコールに溺れた者は帳消しになるばかりか刑務所まで落ちぶれていく。 そういう教訓じみた映画なんだけれども、その正統派的なものに物足りなさを感じた。 映画なんだから、教訓を入れつつどんでん返しみたいのが欲しかった。 【たんたかたん】さん [インターネット(字幕)] 6点(2015-10-26 01:55:51) |
64.《ネタバレ》 僕の中でのアル中映画ベストは「リービング・ラスベガス」「失われた週末」である。僕はお酒は付き合い程度しか飲まないが、なぜかアル中の映画は嫌いではない。この映画も上記2作には及ばなかったが、なかなか面白かった。冒頭の航空パニックももちろん迫力あったが、その後の展開で、これってまさかアル中系?と気づかされていく点がなかなか良かった。そーゆう映画だとは最初、あまり思わない人が多いんじゃないかな。本国ではどーかわからんけど、日本の予告ではあまり強調されてなかったし。ただ、最後の良心の呵責にいたる点が僕にはちょっと弱いかなと感じた。もちろんデンゼル・ワシントンの演技がそれをカバーして見ごたえはあったんだけど、公聴会の前日にグデングデンになっちゃうようなダメな奴が、あそこで嘘をバラすかなとちょっと思った。愛人のことで苦悩する場面もあまりなかったし。それでも退屈はしなかった。特に最後の酒を手にする場面はドキッとさせられた。一旦、手放して、ガッと取る、これぞ、まさに止めたいけど止めれない依存。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-07-27 18:00:22) (良:1票) |
63.久々に面白いと言える映画を見ました。 ただし、お酒にめっちゃ弱いのでアルコール依存症やコカイン中毒の主人公には全く共感できませんがね。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-07-23 00:38:37) |
62.面白い映画ではありましたが、何だか大味な印象を否めません。編集次第でもっといい映画にできたんじゃないかな? 【えぴおう】さん [DVD(吹替)] 7点(2015-05-06 13:34:03) |
61.この映画って「ハドソン川の奇跡」と関係あるのかと思ったら、違う話だった(当然か)。 最後のシーンは感慨深いが、主人公にはずっと思い入れが湧かなかったという珍しい作品。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-20 23:03:06) |
60.《ネタバレ》 最初の飛行シーンは緊迫感があって非常によかった。色んな意味で回りの人が手を差し伸べてくれて主人公の回りの人は優しいよなぁ。それに対して主人公はねぇ…。アル中怖い! 【とむ】さん [DVD(字幕)] 4点(2014-09-02 00:33:06) |
59.《ネタバレ》 「フライト」というタイトルと出だしの30分から最初はエアパニックものかと思ったが、もっとヒューマンなテーマの作品だった。端的にいえば「自分の弱さをどう乗り越えるか」という話であり、そのプロセスを見る者もともにたどり考えさせる。 パイロットとしてはスゴ腕でも人間としては自堕落な主人公。何度も酒を断とうとするが、そのたびに挫折。決して理想的な人間とは描かれない。あと一つウソをつけば身が助かるという場面で、彼はギリギリの選択を迫られる。最後のウソをつくには、命を犠牲にして子どもを救った愛人の尊厳に泥を塗らねばならなくなったのだ。ウソをつくのはお手のモノのはずの主人公だったが、どうしてもそれだけはできず、とうとう正直に告白する。彼のなかにはまだ「誠実」あるいは「真心」といったものが残っていたのだ。一方、覚せい剤を飲ましてまでも彼にウソをつき通させようとする弁護士やパイロット組合幹部のありさまに、見かけは立派でもじつは「誠実」より自分の利益のほうを大事とするあさましさも対照的に描かれ、いわゆる「立派な人たち」の欺瞞がさりげなく告発もされる。 主人公は結局、刑務所に入ることになるが、そこで彼は「初めて自由になれた」と素直に語る。そこにはもはや一片のウソもない。 つまるところ、人間の魂を救うものは何かが提示される。その中身自体は古くからあるものではあるが、同時に、古くからあるものだとして軽視すべきではないとも教えてくれる。コンベンショナルなテーマを扱っていても面白く最後まで観ることができる佳作である。 【delft-Q】さん [地上波(字幕)] 7点(2014-05-26 11:36:09) |
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58.いや~ 良かったです..当たり!でした..さすが、デンゼル・ワシントン!ちゃんと、出る映画を選んでます..芝居とは思えないほどの、ダメ男っぷり(アル中)を、好演! 脚本がイイですね~ なんとも言えないストーリー展開..必然性に一点の曇りもないのが、秀逸..そして、最後が特に、良かったです~(あの結末でなかったら、だだの凡作ですけどね..) 期待以上の出来に、大満足! シリアスな、ヒューマンドラマがお好みの方、オススメ! 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-08 13:16:35) |
57.《ネタバレ》 鑑賞中に主人公に対する感情が二転三転しました。飲酒状態でパイロット席に座ることは信じられないけど、卓越した操縦で多くの人の命を救ったことも確かなので、序盤は穏便に事が運ぶように念じたりもしました。彼の飲酒と墜落事故に直接的な関連はありませんから。でも、その後の彼を見ていると、このまま終わらせて良いのかという気分も募ります。「飲酒しながら運転」は、さすがに放置したくない。 ストーリーも「正気」と「酔っ払い」の間を行ったり来たりします。何が言いたいのか良く分からなくなったところで、最後の告白シーンが訪れました。嘘も方便と言われるように必ずしも悪いこととは思いませんが、保身と尊厳の間で決断を迫られるような局面に遭遇すると、さすがに逡巡します。そこで弱きに流れずに留まれるかどうかで魂の強さが量られます。主人公は事故で死んだCAの尊厳を守ることで、自身の尊厳も維持しました。 視点が定まりにくい作品でしたが、そのこと自体が葛藤を演出するためのお膳立てだった訳で、その構成に感心しました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-17 22:05:22) |
56.《ネタバレ》 嘘ばかり付いてるアル中の男が良心の呵責に耐えられずについに白状して刑務所に入れられる話。 最後はアメリカ映画らしく険悪な仲だった息子となぜか和解。 しかしアル中とわかっててあんなにお酒を数多く揃えた部屋をわざわざ用意するなんてひどいですよね。普通なら酒を全部はずしますよね。 それと2時間半近い長編映画ですけど地上波で放送するのに90分ぐらいにカットしても全然問題ないような内容。 マイナス要素ばっか書いちゃいましたが背面飛行とか心情描写とか面白いのは間違いないですよ。点数的には、他人に薦めるほどじゃなくても面白かったといえる作品です。 【ume0214】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2014-02-11 13:14:39) (良:1票) |
55.《ネタバレ》 後半、ややグダグダになってしまうのが残念ではあるが、良いことは言ってると思う。死んだ恋人に濡れ衣を着せることで守る名誉ってなんなんだ…。その嘘とともに生きていく限り、心が晴れることはないだろう。罪を認めて償う。そして治療を受けることがウィップにとっても唯一救われる道であるはず。とはいえ、その道を選ぶには勇気がいる。審判直前、両者を天秤にかけ苦悩するウィップには共感できた。失ったものは大きい。しかしこれで良かったのだとはっきり示してくれるこの映画は清々しい余韻を残していく。「受け入れる心、変える勇気」か… いい言葉だなぁ。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-10 00:38:06) |
54.《ネタバレ》 腕のあるアル中のパイロットが奇跡的な操縦で危機を回避したものの飲酒操縦が発覚し処罰される話です。最大の見せ場はデンゼルが背面飛行で危機を乗り切るシーンでスリリングに展開します。その後はデンゼルのアル中の話になるわけですが、ちょっと長すぎて退屈になりました。せめて2時間弱にまとめて欲しかったです。ラストもなぜ急に改心して告白したのか判りずらかったように思います。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2014-01-28 21:41:42) (良:1票) |
53.《ネタバレ》 とにかく副操縦士の妻が怖くてたまりません!! それはさておき、この映画、前半はわりと緊迫感があり面白かったんですが、中盤以降グダグダ。 なぜか(ほんとうになぜか)突然最後に改心して急にえらそうな事を言い出す主人公ですが、それまでなぜか改心できず劇中で悪行三昧。そのまま突っ走るかと思いきや、最後で謎の改心ですから、もう観客は完全においてけぼりです。最後に改心したくらいで息子とかいきなり尊敬してくるし。世の中そんな簡単じゃないでしょう… 主人公とアナルセックスを断る女(一応ヒロイン格のはず)の絡みの必然性もイマイチ不明ですし、観客おいてけぼりで何を誰を訴えたいのかまったく意味不明の映画でした。 アメリカ人ならわかるんでしょうか…。 【あばれて万歳】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-25 19:11:47) (良:1票) |
52.《ネタバレ》 彼の最後のカミングアウトには違和感を禁じ得ない。 あそこで「わからない」「答えられない」と答えても死者の名誉を傷つけることにはならないのでは? 一貫して聖人君子として描かれていたならともかく、 それまで嘘つきのアルコール依存症であった主人公が、突然あの場で心を入れ替えた理由の描写が足りない気がした。 【郭嘉】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2014-01-25 18:28:07) (良:1票) |
【osamurai】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2014-01-22 17:12:09) |
50.《ネタバレ》 題名からしても飛行機パニックアクションと思いきや、腕は立つが人間的に弱いパイロットのもがきと転機を描いた、結構泥臭い人間ドラマだった。冒頭のホテルのシーンで主人公の家族状況や女性関係を見せつつ、機内で酒を飲んだり、昼寝をしたりというトンデモな姿も見せ、続く操縦シーンでは彼が非凡な腕をもったパイロットであることも示すなど、序盤で作品の構図を示しきってしまう構成は巧み。とはいえ飛行機シーンも決して手を抜いておらず、墜落シークエンスは見応え十分である。事故後、主人公がアルコールを断ち切れず飲酒を繰り返してしまう姿は、誰しもがもつ人間の弱さを想起させ、痛々しくも共感を誘う。最後のウソをつけなかった苦悩のシーンは名作「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンの苦悩とも重なる。「牢に入って初めて自由になった」このセリフを最後にもってくるためのシナリオだったように思える。 【田吾作】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-01-21 14:35:52) |
49.《ネタバレ》 冒頭から愛人との夜遊びの翌朝を映し出し、電話のやりとりだけで主人公が、どんな人間なのか理解できるような作りは見事です。 そこから先、墜落まではノンストップ、最高のアクション劇。 その後のアルコール中毒者である主人公が、二転三転、天国と地獄を味わう演技はデンゼル・ワシントン、さすが演技派といったところです。 でも、最後の審議で、どうして主人公がアル中を認めたのか、そこが納得いきません。どんでん返しのきっかけがないんです。 観客に「あ!」と言わせるだけの説得力に欠ける、一番重要なシーンが、突然2流映画並みに落ちてしまったのが、残念でした。 飛行機に付け加えて、この映画、二度墜落しています。 息子との和解も、私の大嫌いな「ジョンQ」並みの薄っぺらいエンディング。 これじゃ、アカデミーは獲れないと思います。 【クロエ】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2014-01-20 09:51:48) (良:2票) |