355.《ネタバレ》 120分のうち盛りあがることもなく準備に90分を費やし、我慢してようやく迎えたのがこの大したことのない仕掛け。
8000万残すから残りはクルマに金乗せろって、それ何やねんと思わないか?
大したことのないというのは言い過ぎかもしれない、確かにSWATネタは胸のすく思いをした。
この映画の何が悪いかを考えると、基本的に何かが微妙にズレていると感じざるを得ない。
停電させるために必要なピンチを強奪するときのライナスの間抜な単独行動や、イエンの手を怪我させて、金庫爆破の際に包帯を引っ掛けて観客をハラハラさせた電池ギレのネタ等、何が狙いなのか首を傾げたくなるモノが多すぎる。
最後にダニエルを計画から外そうとしたのもよく分からない流れだろう。
仲間であるライナスを騙して何の意味があったのだろうか。
結局は携帯をテスに潜ませたり、全ての計画に絡んでいるのだから、あれは流れが悪くなる要因にしかなっていない。
テスを賭けたベネディクトとのやり取りも強引の一言としか言いようがないだろう。
何故あの場面でベネディクトがあんな事を言い出すのか不思議と感じた。
もっとベネディクトに切羽詰まった感じにしないと普通ああは言わないだろう。
しかし、強引とはいえ11人全てに役割がしっかりとあり、効果的な機能を果たしている脚本はそれほど悪くない。
この計画に一人でも欠ければ確かに成功はしなかっただろうと思わせる脚本だった。
いつのまにか金庫室の防犯システムがなくなっているのとかがよく分からない部分もあったが。
問題は脚本ではなく、映画で触れられていたこの計画に必要な「綿密な計画」「実行力」「クソ度胸」が上手くかつ分かりやすく演出されていないのがダメな映画になった要因だろう。
更にリクルートに多少時間をかけた割にはバシャー(チードル)以外に盛りあがりや面白みを欠き、盗み出せない二つのものをプロ中のプロが大胆不敵に一気に盗むという恐らく映画化の当初の狙いが実際映像化してみると全くまとまり感やスマートさに欠けてしまったことも問題だろう。
オリジナルもこんなに面白くないんだろうかちょっと気になる。