5.毒殺事件から始まるホテル・カサブランカを舞台に財宝を巡るナチ残党が暗躍するサスペンスチックな展開でかの有名作品をパロっているかのようです。マルクス兄弟なので「君の瞳に乾杯」「何時もの奴らを検挙しろ」的な雰囲気にはまかり間違ってもなりません。というか、腕1本で家を支えるハーポに思わず吹き出してから以降声を上げて笑い通しでありました。ピアノシーンは「来た来た」分かるのですが、ハープシーンは「なるほどそう来たか~ いやお見事」ハープでは初めて聴くハンガリー狂詩曲2番は乙なものでした(+1点)グルーチョの毒吐きトークも冴え渡っています。私的にハーポ>グルーチョ≧チコを改めて実感した快作です。 |
4.久しぶりに見るマルクス兄弟の映画だがこの三人兄弟はやはり凄い。とにかくその勢いで全てをカバーしてしまうほどのチームワークは流石に兄弟だけのことはあると思わず言いたくなる。部屋の中での隠れる場面と飛行機の操縦場面の可笑しさ、話は大して面白くないのにこの三人が面白いから楽しめてしまう。クラシック映画的な雰囲気な内容なのにそれを良い意味でまるで違う雰囲気にしてしまう三人のパワーが凄い。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-03-29 22:37:39) |
3.相変わらずのお三人で、というところで、ファンには楽しい一本。グルーチョさんがシュールな言葉をどんどん飛ばすのに、当時のアメリカの観客はついていったんだ、と感心。日本ではクレージーキャッツ、コント55号あたりまで待たねばならないのではないか。(それより前は生まれてないから知りません)。蛇足、この映画でチコさんは台詞を言ったら一万ドルというオファーをもらったそうですが、断ったそうです。自分のイメージを頑なに守ったのですね。この「話さない」、私達的には「のっぽさん」なのですが(のっぽさんは最終回に挨拶をしました)、それもまた元祖がいるのに、これも感心。 【K-Young】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-11 13:27:47) |
★2.《ネタバレ》 マルクス兄弟の映画を見たのは初めてです。本当は『我輩はカモである』とかもっと有名なのから観たかったのですが、如何せん近所のビデオ屋にはこれしか置いていなかったので。そんなわけできっと最初は誰が誰だか全く区別が付かないだろうと思っていたのですが、びっくり!大体顔や性格を見れば「これがグルーチョだろ」とか「これがハーポだ」と直感的に分かるんですね。とにかく言いたいのは、マルクス兄弟が噂通りインパクトのあるキャラクターだったということです。しかし残念ながら物語の方にはあまり乗れず、どちらかと言うと後半場面になってからの方が素直に楽しめました。特にホテルの会場を滅茶苦茶にするシーンは最高に笑えた。そして中盤のチコのピアノ、本当に弾いているというんだから凄いですねぇ。ハーポのハープは普通に考えて必要以上に長いシーンであるにも関わらず、あまりのロマンティックさに思わず聞き惚れてしまいました。これから観る他の作品への期待という意味も込めて6点を献上致します。ちなみに僕が兄弟の中で一番好きなのは口八丁の三男グルーチョです、あの歩き方といったらもう…! 【かんたーた】さん 6点(2004-11-25 21:36:02) |
1.《ネタバレ》 終盤の、飛行機絡みのシークエンス以外は、ホテル内の場面がほとんどですが、次の『ラヴ・ハッピー』とは好対照の明るい照明の下で、久しぶりにスクリーンに帰って来たマルクス兄弟も、どこか伸び伸びしている感じがします。グルーチョの、お馴染みのインチキ支配人ぶり (特に、後半に登場する尊大な老紳士と、一言も喋らないその妻を撃退するシーンは、完成された良質のコントのように面白い) 、チコのピンボケぶりとピアノ演奏 (演目は「ビア樽ポルカ」、『マルクス兄弟珍サーカス』に続いて再登場) も円熟して良い味を出しています。そして最も素晴らしいのは、何と言ってもハーポでしょう。海外のあるマルクス兄弟研究家は、「後期の映画で、脚本が弱くなって来れば来るほど、ハーポは逆にいよいよ輝きを増して来る」と指摘。ちょっと短めになってすっきりした髪型 (実際はかつらですが) で登場し、寄りかかっているビルから引き離されると、たちまち倒壊するという有名なギャグに始まり、伯爵になりすましたシュトゥーベルとその子分をフェンシングで翻弄し、後半のカジノでの一世一代の大当たり、さらにお馴染み、名人芸のハープ演奏 (今回は、フランツ・リストの「ハンガリー狂詩曲」;後半ジャズっぽくなるアレンジも良く、彼の劇中での演奏の中で、一番のお気に入りです) …など、まさにいぶし銀の大活躍。かつての有名なギャグを再演してくれる所などもあり、なかなか味のある作品だと思います。 |