23.日本版スタンド・バイミーって感じですね。派手さはないですが豪華キャストで楽しめました。 【アフロ】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-08-21 04:37:44) |
22.オダジョと大塚寧々の間に生まれるにはあっさりした顔立ちの兄弟ではあるが、彼らの自然な演技はとても良かった。新天地にもなかなか慣れず家族に固執する兄と、違う形で遠回りに家族への思いを楽天的に過ごす弟。兄の願いが、弟や友達やこの冒険を通して少しずつ変化して成長する過程が頼もしかった。ただ長い。監督らしい良い意味でのダラダラ感は理解できるが、もう少しだけコンパクトにしたらもっと良かった気がする。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 5点(2012-08-15 19:28:14) |
21.《ネタバレ》 「かわいい子には旅をさせろ」という諺がありますが、あれは子供の成長を促すというより、親に対しての戒めの色合いが強い。「過保護になるな」という意味で。子供たちが自らの意志で積極的に「旅」をしたらどんなことが起こるのだろう。本作はそんな映画だったと思います。九州を縦断する新幹線が初めてすれ違う瞬間を見る。その他愛無い目的も、遠く距離を隔てた場所で起こるので、小学生たちにとってはただ事ではありません。計画から準備、資金繰り、親や周囲の大人たちとの調整など、途上の苦労や工夫は、思い込みが激しい分だけ力強い経験値となって蓄積されます。幼児が「初めてのお遣い」で世界を拡げるように、彼らも「初めての旅」で世界を拡げました。「お遣い」との違いは、自分たちが受けている外界からの恩恵を実感したことではないかと思います。その自覚は彼らの内面をひと回り太くし、大人への第一歩を刻ませました。家族4人が一緒に暮らす「奇跡」をスケープゴートにしながら、自然とその過程がテーマになっている構成がとても良かったです。新幹線がやって来る直前、この「奇跡」を目指したアクションの記憶をフラッシュバックさせる演出に感心しました。複雑な想いや状況をひとつの方向性へと昇華させる刹那の心情を見事に表現していると思います。子供たちの成長のために、本当に大切なことは何なのか。教育機関などにクレームを付けることを生き甲斐にしているモンスターペアレンツさんたちに見て欲しい映画です。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-08 18:07:10) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 JRからの持込企画、鉄道もの、家族が新幹線の始発と終点の鹿児島と福岡に分かれて住んでいるなど、製作者側の不純な動機と強引さが強く漂う。ところが、観始めると、子供達の純粋さと自然な演技が、こうしたマイナス要素を忘れさせてくれる。もっともらしい話でもないのに奇跡が起こると単純に信じ込む子供達。しかも、奇跡として考えていることは、家族が一緒に住むこと、死んだペットが生き返ること、芸能人になることなど。まさに、小学生の考えることだ。妥協や挫折の人生を重ねてきた大人たちの感覚とは、まるで違っている。だが、彼らの置かれた立場を考え、彼らの会話を聞くにつけ、笑うどころか、思わず、そうか、頑張れと応援したくなるのだ。子供達の世界観で、真剣に考えて、一所懸命に行動している姿はいじらしい。彼らは6年生か。やがて、中学生になれば、大人の世界に一歩近づく。このような経験は、ほろ苦い思い出となるに違いない。 【パセリセージ】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-05-30 22:26:36) |
19.《ネタバレ》 主人公・航一の生きる「世界」を丁寧に見せていく前半。その丁寧さが逆に言えばかったるい。有名な俳優を起用していること以外には特に面白みが無かった。もちろん日常でないといけない訳だから意図的なんだろうけど、あまり長々やられると…。最後はお父さんが言っていた「世界」を理解し、それがかけがえのないものだと気付いた少年の成長に感動もあったが、全体としてはそれほど好きな映画ではない。子供たちの演技ももう少しどうにかならないものかと感じる部分はあった。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-05-29 19:31:04) |
18.《ネタバレ》 どこまでも子供が主人公のこの作品は、自分もかつてはこの子たちのようだったなと思い出させる。新幹線がすれ違う瞬間に起こるフラッシュバックの演出がイイ。 【eureka】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-05-04 17:21:50) |
17.まえだまえだの2人はとても良かったし、今後も楽しみです。ただドキュメンタリー風の作りにもストーリーにも入り込めなかったです。題材やキャストには期待してたのに残念。 【ラグ】さん [DVD(邦画)] 4点(2012-02-10 23:33:45) |
16.《ネタバレ》 子供たちの持つ可能性に感動した。歳を重ね、いくつもの可能性を捨ててきた自分には、あまりに眩しく映る。彼らはこれから先、奇跡をいくつも起こすのだろう。 |
15.教室で、図書室で、保健室で、熊本のおばあちゃん家でちょっとした偶然の積み重ねを『奇跡』と言うのだろう。 九州新幹線の全線開業を機に企画された映画らしいけど、CMの『祝!九州』(http://www.youtube.com/watch?v=UNbJzCFgjnU)の方が感動した。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-01-24 23:41:32) |
14.まぁまぁ。ちょっと監督で期待しすぎた。誰も知らないとか、歩いても歩いてものようなキレがなくなってしまったのが残念。別にほかの人でも撮れたでしょ? 【kaneko】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-11-15 17:56:10) |
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13.映画館で鑑賞,となってますが,地元の市立ホールでの映画鑑賞会で見ました。見に行くかどうか妻と相談しました。みんなのシネマレビューで6.5以上なら見に行こう。ただし一定人数以上の方が評価し,結果がだいたい正規分布していることが条件です。ところが1点5点10点とバラバラです。でもあま見に行きました。大阪弁が嫌い,というのはまあ理解できます。でも,このような映画の評価は6~7点台ぐらいで正規分布していて欲しい,と思います。大阪の子供の描き方としてはあんなもので,特に演技過剰というわけではないと思います。なにせ大人がふざけたことを言うと,幼稚園児でもツッコミを入れる土地柄ですから。「ソンナアホナ」。主役の兄弟や子供達もよかったけど,脇役陣がしっかりしていて,面白い,見て良かったと思える作品です。 |
12.《ネタバレ》 うーーーん。あかんねえ!まったく、こんなの、入り込めんよ!こんなんじゃ。オダギリと大塚の子供が、あのへなちょこガキ?キャストだけ観ると、”なんじゃ、この作品は?”と興味も湧きますが。しかし、その出演した、一応のメジャー名優達の芝居も、この作品ではどいつもこいつも三文芝居(三文演出)のオンパレード!やる気あんのかね?終始、気に入らねえガキども(というか関西弁の兄貴が嫌いだ!)に引っ張り回されるような、その中身にラストは、やっと終わってくれた!!と喜ぶしまつ!意味不明な題名もあいまって、訳のわからない不快さが残る。まさか、空気人形の監督とはおもえん出来だなあ。 【男ザンパノ】さん [映画館(邦画)] 1点(2011-09-15 23:13:41) |
11.《ネタバレ》 (略) ごく大雑把に言えば、この映画はこの一人の少年の成長譚だ。序盤、「意味わからんわ」と彼は繰り返しつぶやく。なぜすぐにでも噴火するかもしれない火山の麓に住まなければならないのか。なぜわざわざ坂の上に学校を作るのか。父親や弟と離れ離れに暮らすという非日常的な状況に置かれた彼は、それでも長男らしく現実主義者である。目の前にある問題をまず解決することが「生きる」ということだと心得ており、少しでも矛盾を感じればそれを口に出さずにいられない。 (略) いっぽうこの映画は、人に対する思いやりの場面を多く映しだす。教室で、家で、図書館で、保健室で。それらは大人から子供たちへの気遣いという形だけではなく、博多ステージにおいては子供同士のそれとして見られる。あくまで日常的な行為として、ごく自然にやり取りされるそれらの振る舞いは、結局この映画のほぼ全編において描かれることになるのだが、監督はなぜそのことにこだわったのだろうか。 (略) トンネルの上に並び、いよいよ彼らがすれ違いの瞬間を迎えようとした時、兄の心の内に去来したのは過去に見た様々な情景だ。木の芽や、火山灰や、自販機の下で 100円玉を発見した時の感動や、肩に触れた先生の手の力強さや、きれいなコスモスの花や、犬っころの死だ。もし火山が大噴火すれば、それらすべてが灰になり消え去ってしまうかもしれない。そう悟った時、彼は「家族より世界を選んだ」のである。この地球上で、あらゆるものが生きて動いていることじたいが奇跡なのであり、いろんな場所で、それらと自分とたまたま邂逅することが、もうすでに奇跡なのだ。むろん自分もそのような奇跡の一員であり、自分と同じように他者も、地球上のいろんな出来事も消してしまってはならないのではなかろうか。兄はそう気づいたのである。 この映画、はっきり言ってたいしたショットはひとつもない映画だが、このフラッシュバックだけで千年生き永らえる価値を得た。そのくらい素晴らしいシーンである。 (略) ラスト、兄は風に指をかざして「今日は積もらへんな」とつぶやく。彼はもう境遇に文句をいうことはない。「意味わからん」の意味を理解しかけ、なんとか自然と共存していくことを選んだのである。実にきれいな終わり方であり、例の震災さえなければみごとな良作として心に残ったことだろう。 (略) 【アンギラス】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-09-12 22:30:20) (良:3票) |
10.《ネタバレ》 高評価レビュー大多数の中、実は書くのすら躊躇したんですが、レビューは正直に前向きに(←それだけが取柄)私、この映画の良さがよくわかりません(汗)是枝監督の前々作「歩いても 歩いても」(9点)は、ここ10年の邦画の中で私にとっては五指に入るほどの秀作でした。つい先日もDVDで再見し、改めて脚本の深さに感銘を深くした次第。さてさて、期待の新作をスクリーンで。・・・何だろう、この軽い失望感は・・・。悪くはない、どこも悪くはないんやけど、今の俺のココロにさっぱり何も響いてこない。少々夏バテ気味で、体調がすぐれない状態で見たのがいけなかったのか?薩摩弁や福岡弁、時たま関西弁も入り混じる多国籍セリフが非常に聞き取りづらく、彼ら一体何をくっちゃべってるのか、耳を傾けてもさっぱり解らない。冒頭から物語になかなか入り込めなかったのはそれが一番の理由。過去の是枝作品に出演したことがある役者たちが次々と画面に現れるけれど、単なる「顔見世」出演の感が強く、どうしてもこの役が彼等じゃなくちゃいけないっていう、必然性もあまり感じられない。特に阿部・夏川・樹木・原田の四人は「歩いても~」では、役の互換性が他に考えられないほどの適役だったのに。子役がメインの映画だから、興行上やむを得ない措置だったのかもしれないけれど、それにしてもなあ・・・。子役漫才師?兄弟の「こしゃまっくれ度」はテレビの彼等を見るよりは若干抑えられていたような気もするけど、それでも鼻につく部分は少々あり、つくづく自分は、こしゃまっくれのガキがメインで出てくる映画自体が苦手なんだっていうのを再認識した次第。今の小学生って、一晩家族に黙ってどこかにお泊りしても、なーんも騒ぎ立てられないものなんですか?(笑)クライマックスの「内緒の冒険」=「奇跡」=「新幹線が擦れ違う瞬間」までのハラハラドキドキの展開よりも、そっちのほうが心配になってしまったりして。本日帰宅後、原田芳雄さんの突然の訃報に接し驚いています。前出「歩いても 歩いても」「父と暮せば」の原田さんは、画面にたたずんでいるだけでも素晴らしい存在感でした。心からご冥福をお祈り致します。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 5点(2011-07-19 23:11:54) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 是枝監督は本当に「人間」が好きなんだなぁ、と思わせる素晴らしい映画。「桜島、噴火してんじゃん、みんな平気なんて、意味わからん」と前田(兄)がつぶやくその大きな桜島にかぶせて「奇跡」というタイトルが出る。これはなかなか意味深だ。彼はこの映画の最後には、その桜島の灰の中で生きていくことをいつの間にか受け入れている。普通「奇跡」を願うというのは、「一瞬」にして、自分にとってしんどい現実が変わってくれることを願うものだと思う。だからその「一瞬」=新幹線の一番列車が交差するという「瞬間」に向かってドラマは進む。しかし、都合良くその瞬間に願い通りのことは起こらない。桜島は爆発しないし、死んだ愛犬もよみがえらない。しかしその時、「家族がまた一緒に暮らせますように」ではなく、オダギリ・ジョーの言葉を借りれば「世界」を選んでしまうことが、自分の心の深い所で起こってしまった前田(兄)の表情はどうだろう!あの表情がこの映画の正にハイライト。一人の人間としてすごい体験を(思わず)してしまった説明がつかない顔だ。だから、彼は鹿児島中央駅に戻って来た時に言うのだ。「ただいま」と。そして自分の家へと走って行く。灰が降る街で、灰と共に軽やかに、また逞しく「泳いで」行くために。(この兄弟がスイミング教室に通っているというのも暗示的だ)。「奇跡」は一瞬ではなく、むしろ、厄介な「日常」の中を生きていく勇気が生れていくことなのではないか。九州新幹線が全線開通したのが今年の3月の12日。あの東日本大震災の翌日だということろに、この映画の公開の何か不思議なめぐり合わせを感じる。自分では変えられない現実を、それを受け入れながら生きる人間たちへの愛とエール。この年のこの映画の公開の意味は小さくないと感じる。(今のところの今年のベスト映画。)しかしそれにしても、この映画の一番重要と思えるなセリフを、あの情けない父の姿が良く似合うオダギリ・ジョーに言わせているところが実に面白い。 【ワンス・モア】さん [映画館(邦画)] 10点(2011-07-18 12:55:03) |
8.《ネタバレ》 あの本物の兄弟が、今、この年齢でいてくれたことの「奇跡」。 【おおるいこるい】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-07-11 10:57:09) |
★7.《ネタバレ》 『奇跡』とは、両親が離婚した為に、鹿児島と福岡に離れて暮らすことになった幼い兄弟が「奇跡」を信じて、ある行動を起こす物語。というと、最近流行りのハリウッド的な一大アドベンチャーのように聞こえるかもしれないけど、実際は全く違う(当たり前か)。これは奇跡を起こす物語ではなく、奇跡を信じること(=子供)と世界を取ること(=大人)を巡る物語なのである。
この映画では、大人たちがとても単純に見えてしまう。それは、登場する子供たちが大人以上にいろんな感情に揺れ動いて、様々な心の機微を働かせており、そんな子供たちの存在によって、大人たちが完全に相対化されているからだろう。
しかし、ここで描かれる子供たちは大人たちの分身である、とも思える。今、大人になった僕ら(登場人物の先生たちや親たちも含めて)がタイムスリップして、フィクションとしての子供を演じている。僕にはそのようにも思えた。だから奇跡は起こらない。最終的にすべては世界の平常の為、ゆるゆると丸く収まっていくのである。僕らは素直に子供たちに感情移入できる。大人っぽい子供たちは、奇跡を信じつつ、最後には目の前にある「世界」の方を取ってしまうから。ささやかなかなしさを感じつつ。 【onomichi】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-07-08 21:20:39) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 是枝監督の映画は全般的に好きだ。まず、何と言っても静かだ。そして人間の心の動きがリアルだ。壮絶ぶったり、びっくりさせようとしたり、無駄に派手なことやったりしないところがよい。出てくるのはみんな大体普通の人だ。隣に住んでいても違和感の無い人たちだ。普通の人たちだから、怒鳴りあったり、むやみに他人をぶん殴ったりはしない。でも、みんな当たり前だけど個性がある。普通の人の中にも面白い人もいれば怖い人もいる。冗談が通じる人もいれば通じない人もいる。そういう細かい描写の積み重ねでしか描けない部分を描くから、映画は面白くなる。この映画も「なんちゃない話」なんだが、「味わい深い話」でもある。 この「奇跡」という映画の設定はちょっと変わっている。主役の兄弟は離婚してしまった両親にそれぞれくっついて鹿児島と福岡に住んでいる。この家族はもともと大阪に住んでいたという設定なのでみな大阪弁である。鹿児島の母の実家に身を寄せる兄・航一は家族みんなでもう一度暮らすことが夢。「意味分からん」が口癖でなかなか鹿児島になじめない。一方、弟の龍之介はバンドでプロデビューを目指す父親と父親の出身地である福岡で二人暮らし。持ち前のオープンな性格から友達も新しくできて、今の生活に不足を感じていない。いや、むしろ自由な生活を満喫している。 この二人のそれぞれの世界を軸に物語は進行する。それぞれの家族との交流。それに先生や友達との交流。そして電話を通じた兄弟の交流。水泳や勉強や遊びに明け暮れる二人だが、周りの人とのコミュニケーションを経て少しずつ大人になっていく。「世界」の何たるかを理解していく。この映画は子供の成長をとてもうまく描いている。その成長が分かるあからさまなシーンは無い。だから観客は子供と同じ目線に立ちながら、同時に彼らの成長を慈しむことができる。この表現力は素晴らしいと思う。 ラストの爽快感は開通した九州新幹線のせいだけではないはずだ。この映画は私に子供時代に誰もが持っていたはずの活力や好奇心や夢を思い出させてくれた。劇場を出たときに心の濁りや目の翳みが澄み渡るこの感覚は新鮮だった。 【枕流】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-07-01 00:13:49) |
5.《ネタバレ》 大人になるっていうのは、自分って個だけの状態から他者に視点が向かい、兄弟や家族、友達、そして社会、世界と自分との折り合いをつけてゆくって事で、この、なんでもない、大した事は何も起こらないように見える映画は、子供が大人になってゆく、その一瞬一瞬を捉えた稀有なドキュメンタリーとも言えるような作品。子供が生きて、世界を受け入れてゆくっていうのは輝く楽しさだけではなくて、悲しみも痛みも伴ってゆくもので、その一瞬一瞬を生きる姿が愛おしく切なく迫ってきます。主役兄弟だけでなく、彼らの友人達、彼らをとりまく大人達一人一人が、それぞれの役割を背負っているという大変によく考えられた脚本で。大人になろうとする子供と、子供であった事を忘れていない大人との、それぞれの折り合いがあり、そこに描かれるのが摩擦ではなく相互理解であるというカタチゆえ、じんわりと心に染みてきます。基本的にリアルに捉える画が多くて意匠を前面に押し出して主張するような作風ではない点が良かったのですが、それゆえクライマックスのその瞬間直前のコラージュはとても効果的でした。旅に出て以降の、ありがちであるにも関わらず溢れ出す懐かしいワクワク感、兄弟が現実を受け入れてゆく姿もいいのですが、同時にライバルに対する嫉妬心を上手く消化できなかったり、老犬を通して死を認識してゆく友人達の姿も本当に愛おしくて、見終わって子供達の未来に幸多からん事を心から願ったりしてしまうような映画なのでした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-06-28 21:49:37) (良:3票) |
4.《ネタバレ》 穏やかで美しいカメラ割に、暖かいバンドサウンドの音楽がひたすら心地よい。 この点だけでも、観る価値あり。これが映画の画であり、音である。 と、言いたくなるほど。 物語を豊かにしていたのはイチイチ面白すぎる会話。こんなに楽しく、笑える映画だとは思っていなかった。脚本があるにしてもないにしても、どうやったらこんなにも自然で こんなにも面白い子供の会話が撮れるんだ? 奇跡なの? 天才なの? 子供たちの想いは一つではなく、みんなそれぞれ思い思いに自分の希望があって、考え方もバラバラ。兄弟だって、当然違う。でも、それで良い。それが良いのだ。 「一つになろう日本!」とか言ってる場合ではない。 本当にささやかで小さな物語だが、ほんの少しだけ成長する子供の姿に大きく心を打たれてしまった。泣かせの演出なんてこれっぽっちもないのにね。 まえだまえだをはじめとする子役たち全員ブラボー。 その他のキャストもみんな映画の中にしっかりと生きていた。 くるりの曲もがっちりハマっていて素晴らしかった。 是枝さんは、本当に信頼できる監督だ。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-06-25 02:04:09) (良:3票) |