13.《ネタバレ》 これは地味ながらもかなりの良作なのではないだろうか。物語は淡々と進む。人との繋がりはそれはそれは暖かいのだが、分別がある。ボートはボート、ファックはファックといった具合に。大学教授と不法滞在の移民という、なんとも相入れないように見える人々の感情をうまく描いている。蛇足になるが、学生時代に見た英語の例文にこんなのがあった。「もし音楽が存在しなければ、世界は無味乾燥なものであっただろう」 【lalala】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2012-05-07 23:57:35) |
12.《ネタバレ》 ○隠れた佳作。地味だが映画から発せられる言葉はものすごく強い。○テロが浮き彫りにした移民問題。ウォルターとダレクのささやかながら育まれる人間愛を一気に潰してしまう無機質な国家。徐々に画面からフェードアウトしていくダレクに対し、何もできないウォルターと母。非常に切なかった。○最後にウォルターがジャンベを駅で叩く。その音は次第に強くなっていく。日本にはアメリカほど問題視されていないが、いずれこういう問題に直面するかもしれない。観て本当に良かったと素直に感じた。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-04-01 20:01:26) |
11.《ネタバレ》 地味だけど、丁寧に人の心や移民問題を描いていて、本当に良作だと思う。もっと多くの人に見られるべき作品。最後のシーン、主人公が叩くジャンベの音が、見終わった後もしばらく心の中で響き続けるような感じ。 【ashigara】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-07-09 15:02:28) |
10.《ネタバレ》 かなりシュールですねぇ主人公が初老の男性。不法滞在をしていた二人のカップルと出会い、次第に心を開いていくという内容。盛り上がりのかけらもなく進んで行くんですが、観終えた後は心が穏やかになりました。 【映画】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-03-26 01:16:01) |
9.911以降、アメリカでは移民への管理を相当、厳しくしているのが分かります。ハリソンフォードの「正義のゆくえ」もそうだったけど、移民問題は今やアメリカの重要なテーマのようですね。これ以上の緊張が続くと、日本の隣組みたいな制度もできかねない。まぁ、仕方ないですけどね。テロのことを考えるとね。この映画はそういう環境のもと、二人の分別のある年配の男女が惹かれあうという地味な映画でした。CG全盛のアメリカ映画にもこういう地味な映画も日本に配給されているんですね。 【トント】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-06-17 22:51:43) |
8.事前にあらすじを読んだ限りでは類型的に思えたものの、実際の映像はかなりよかったです。これもまた、大ホールでタダで見せていただいたので、「映画館(字幕)」を選ぶのはためらわれましたが、ご容赦を。ところで、一緒に見た友人は一時お嬢さんがニューヨークに住んでおり、訪れた際の体験などから、現地の描写にかなりリアリティを感じた様子。行ったことのない私ですが、人物描写に、そこはかとないリアリティを感じました。いそうですもの、こういう大学教授。こんなアメリカ映画もあるんですね。 【おばちゃん】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-05-26 00:13:46) |
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7.タイトル後のファーストカットから訪問者が訪れます。 この作品は玄関や扉付近でのお芝居が本当に多く、 それがこの作品のテーマであることを意味しているように思います。 他人との繋がりの場である玄関や扉の持つ比喩的な 出会いと別れの表現が全編通して大変うまく描かれていました。 音楽以外に興味のない男が、音楽を通して他者への 興味、関心を抱いていくという内容で、作り方が 強引ではなく、とてもスマートで心地良かったです。 1人ぼっちを平然と受け入れていた男が、 他者に興味を持ったことで孤独を知り、 ラストカットでのあの俯きかげんに、寂しそうにジャンべを 強く強く叩くシーンはとても心揺さぶられました。 アップが無くても彼の涙も想いもヒシヒシと感じれました。 社会と人間を丁寧に描いた優しい映画でした。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-05-23 20:27:52) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 うーん、「惰性で生きていた初老の男が、前向きに生きる力を取り戻す」という点は、よく描かれていたと思います。特にそのきっかけが、異邦人やそれまで縁のなかった楽器(ジャンベ)だったというのも説得力があります。が、それと同時にアメリカでの中東移民の扱いについても取り上げています。これについては、タレクが収監された拘置所の所員がなぜか黒人ばかりだったり(実際そうなんでしょうか)、壁に自由の女神の絵が書かれていたりと、なかなか細かい配慮がうかがえます。モーナの「(ここはアメリカなのに)まるでシリアのよう」という台詞も記憶に残ります。ただ、その両方にウェイトが置かれたためか、中途半端なできという印象を受けました。タレクが不法滞在者となったのは役所からの通知を(母親が)無視したからで、本人は「何もしていないのに」と言っていましたが、何もしなかったから不法滞在になってしまったというのは深いアイロニーです。要は本人の“自己責任”なわけですから、これを以て移民政策がどうのとか、役人の態度が冷たいとか言うのは、ちょっと見当違いではないかと感じます。そのあたりがうまく処理できていれば、よかったのですが。でも、地味ですがなかなかの佳作です。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-23 15:30:21) |
5.《ネタバレ》 移送されてしまう不法滞在者の友人、恋人、家族は本当に何もできない。余りにも無力。これがリアリティなのかもしれないが、無力すぎて抵抗もできず、展開も余りない。丁寧な造りで心には残りましたが、映画としてはちょっと地味。ジャンベシーンはどれも素敵でした。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-23 22:36:18) |
★4.《ネタバレ》 大学教授のウォルターと移民のタレクの音楽を通じた友情から人権問題へ。ウォルターは冴えない大学教授のおじさん。ある日ニューヨークのアパートに戻ると知らない人たちが住んでいた。それは移民のタレクとゼイナブ。少しの間居候させる同居が始まった。タレクと音楽を通じて打ち解けていく。しかし、タレクは不法滞在で逮捕・拘置されてしまう。ウォルターは必死になってタレクを救おうと試みるが、努力もむなしくタレクは強制送還されてしまう。ウォルターはちょっとイイ人すぎる感が。。。でも二人が音楽を心から大切にして通じあっているのが良かった。音楽ってホントいいね~。タレクのお母さんとデキるのもちょっと面白かった。大人の恋って素敵ですね。 【kaneko】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-11-18 22:04:47) |
3.《ネタバレ》 心の扉を閉ざした一人の老教授。その重い心の扉をたたき、開かせたのはアメリカから遠く離れた国からやってきてひょんなことから知り合い、友達になった一人の善良な若者だった。9.11以降、移民への措置が厳しくなったアメリカ。この心の扉を閉ざした老教授の姿を通して今のアメリカの姿をこの作品は伝えようとしたのでしょう。一個人も、国家も、隣人から学ぶべきことは多いはず・・・この若者と友人になりジャンベという打楽器を教わって生き生きとした心を取り戻し、公園で様々な人種の若者達が集いジャンベを叩く輪の中にこの老教授が加わっていく姿を見ているとそんな事を感じさせられます。そんな老教授を演じたリチャード・ジェンキンスの静かだが熱い、特に終盤の素晴らしい演技が感動的でした。ラストシーン、遠くに行ってしまい二度と会えないであろう友に届けとばかりにその友から教わったジャンベを一心不乱に叩き続ける彼の姿が忘れられません。隠れた名作と言っていい作品だと思います。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-11-15 21:20:33) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 静かな、だけどジャンベ(アフリカン・ドラム)の音のように、力強い作品。観終わった後、何だか胸が熱くなりました。扉を閉ざした老教授の毎日に、偶然の一つの出会いが訪れ、そしてゆっくりと扉を開けていく。その過程を丁寧に穏やかに、前半は綴っていく。そして暗転した後半、何もかもがフリだったと告白し、9.11以後扉を閉ざしたアメリカと、無力な自分自身に怒る。ラストの、地下鉄の駅のジャンベの音は、地下鉄の音に紛れようとも、決して消されはしない。静かな、でも強い抗議の音。秀逸なエンディングも然ることながら、原題と邦題も素晴らしい。役者も全員素晴らしいの一言。主演のリチャード・ジェンキンスはもちろん、ヒアム・アッバスも佳かったです。パンフレット見たら、この2人を念頭に脚本は書かれたんですね。ダレクとその彼女も佳かったです。秀作。 【泳ぐたい焼き】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-08-19 23:41:07) (良:3票) |
1.リチャード・ジェンキンスの「何処かに人生の生きがいを模索しようとする老人」を演じる力量は流石というべき出来です。やっぱり名優だなぁ。 話の展開の割りに数日間しか経っていない不自然さと、クライマックスの説教くさい文句が少し気になりました。あくまでいちゃもんに近い不満ですが。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-08-16 01:01:13) |