14.《ネタバレ》 製作されてから60年近く経っているのですが、このジャック・パランスの死にざまを超える映像は未だにスクリーンに登場していないんじゃないでしょうか、まさに顔芸の極致です。大映のスタッフは、このコスタ中尉の死顔を参考にしてあの大魔神の表情を造形したのかもしれません(笑)。 これ観るたびに私は感じるんですけど、どうも最後のウッドラフ中尉の行動が物語から浮いている様な気がするんです。リー・マーヴィンが上手く立ち回って丸く収まるという終わり方の方が皮肉が効いていて良いと思うんですけどね。それじゃああまりに反軍的だということで、天の声がかかったのかもしれません。この映画が撮られたのは朝鮮戦争が終わったばっかりでベトナム戦争なんてまだ影も形もなかった頃ですから、これだけ軍隊内の恥部をさらしただけでも意義は十分にあったことは確かです。 そして私が好きなのはエディ・アルバートの卑劣漢ぶり、アルドリッチの映画に出てくる彼はいつもこんなキャラですけどね。アルドリッチ映画の華は卑劣漢キャラです(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-04 00:54:13) |
13.これは、アルドリッチが自らの最高傑作と述べていた作品だ。 個人的には「ロンゲストヤード」や「キッスで殺せ」の方が最高傑作に相応しいと思うが、戦争映画としてはアルドリッチで一番の作品だと俺も思う。 隅々まで反映された反骨精神、本当の敵は襲い来る兵士ではなく、誤った判断によって自軍を破滅に導く愚かな上司だと言う事。 戦争への皮肉と怒りがふんだんに込められた傑作だ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 14:16:45) |
12.《ネタバレ》 映画として若干の不満がないわけでもないけれど、ジャック・パランスの凄演で全てを忘れそうになってしまう。特に最後の復讐のシーンの形相と最後の叫びには、画面に釘付けになっている自分がいる。 【さるさるさる】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-14 12:50:31) |
11.何回目の鑑賞だろう?中学生時代に観た時の衝撃は忘れられない。戦争の恐ろしさ、非常さ、残酷さ、恐怖、怒りを感じた。ジャック・バランスの特異な風貌は忘れられない。「シェーン」を先に観たのかな・・。監督が「ヴェラクルス」のロバート・アルドリッチだったとは。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-05 19:35:27) |
10.《ネタバレ》 結局殺すなら、もっと早く殺しておけばって言うのは結果論ですね 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-15 18:55:43) |
★9.《ネタバレ》 戦場での無能な上官の射殺と言う衝撃的題材の評判は公開時にも聞いていましたけれど、それから50年を過ぎてから観た限りではそれほどのことはない。欧州での戦争も終幕に近くなった前線の部隊における小さな戦闘での無能な上官をめぐるエピソードです。本当の悪は近づく終戦後における自己の生活のための野心実現の思惑から問題のヘタレ大尉を手元に保護して親に恩を売る中佐であるのは恐怖で室内履にしがみつく様子などで次第に観客にも明らかになってきます。そして割を食うのは任務に忠実な兵士達。ジャック・パランス演ずる不死身の中尉は最後のほうになって急に信仰心の厚いところや負傷兵への対応などにちょっと善玉過ぎるところが違和感を感じました。しかし彼の死に様によって周囲に無能な上官を耐える風潮からの脱却の決意を起こさせたことには恐らく軍当局にも危険を抱かせたでしょう。このような場合にその事実を告発するのは非常に困難であり昇進をほのめかして勝ち誇って笑う様子と恨みを表したまま死んだ同僚を見るときの観客の共感をぶつけたラストの締めくくりはドラマとして驚きではないが定石とも言えます。「ケイン号の叛乱」とかと同し線にある軍隊告発映画ですが、マッカーシーとかの赤狩りには生き延びたらしいです。ジャック・パランスは「シェーン」の悪役が一転しての善玉ですが、あの個性的な風貌では少し似合わないです。 【たいほう】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-28 01:40:28) |
8.1944年、ヨーロッパ戦線の話。 舞台劇のようないかにも古典的な映画。 いくら無能な上官の命令にも服従しなければならない軍隊の理不尽さや、 部隊内の内紛がテーマらしい。 しかしひたすら不快なばかりで、リアリティもなければ爽快感もない。 戦闘シーンはいくらかあるけれども、この映画の主題ではないようで、その作りはおざなり。 ドイツ軍の戦車としてスチュアートを出すようなこだわりのなさだし、 なんでそこで撃たないの、なんでそこで弾が当たらないの、という部分が多すぎる。 殺るか殺られるかの戦闘中に悠長に会話をしていたり。 こんな軟弱でグダグダなアメリカ軍があるか。 アメリカがこんなリアリティのない戦場映画を作っているなんてびっくりだ。 N○Kさんこんなつまらない映画を今更流さないでください、 これよりよくできた映画はいくらでもあるでしょう。 【且】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-07-27 15:10:45) |
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7.《ネタバレ》 映画の宣伝担当者様、よく『熱演』という言葉をお使いになってますがジャック・パランスの域までいってるんでしょうね?熱いエネルギーを感じる、アルドリッチの名作。(だからこそ型に落ち着いたオチだけが痛いのでこの点数。) 【Nbu2】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-11-12 22:31:08) |
6.↓「図式的に過ぎる」という批判は、確かに有り得るでしょうね。私の浅見を。小説なら一文一句全て作家が書いた人工的なものであり、また書かれたものがその全て。「書かれた」という事自体が意味を喚起し、また読み手も自分のペースで読みつつ、その意味を存分に斟酌する事ができます。一方、映画はと言うと、これも人工的とは言えあまりの情報量。そもそも我々の日常においても、他人の言動からその人の内面を汲み取ったりする事は易しくない。ある上映時間内で映画の作り手が何かを伝えようとすれば、多少リアリティを犠牲にして類型的になるのは止むを得ないのではないかと。それがどこまで許されるかは、観る人それぞれの感じ方、これはしょうがないし、きっとそれでよいのでしょう。で、本作ですが・・・こりゃ確かに境界キワキワですな。私もまあ、実を言うと気にならなくはなかったのですが、この「戦争なのに敵と戦っている気がしない」異様な雰囲気に圧倒されてしまって、もうそれどころではなく。クライマックスの壮絶さは特筆モノです。スゲーもん観ちゃったなあ、と脱力感に襲われました。それで結局、監督の言いたかった事はちゃんと私に伝わっているのか?怪しいなあ。 《追記》↓やましん様の追記を読んで、私こそこの映画を見直さねばならないな、と思いました。「映画」というものにおける登場人物が「類型的」だからと言って「映画」が「小説」に劣る訳じゃない(勝る訳でもないケド)。「類型的」なキャラで「類型的でない何か」を描くのが映画であり、つまりそれが「映画」の「限界」ではなく「可能性」である筈なのだから・・・確かに、映画における「登場人物」に意味あいというものは、一筋縄でいくようなもんじゃありませんね、今後もよく考えていきたいと思います。やましん様、有難うございました。(でもまだ今の所、9点は譲りませんヨ。フッフッフッ・・・) 【鱗歌】さん 9点(2003-11-24 13:24:35) |
5.何か日本じゃ評価の高い映画ではあるけど…ちょっとあまりに図式的に過ぎやしないか? アルドリッチのハッタリ満点なタッチは楽しめるけど、善悪はっきりし過ぎの軍隊批判映画って、かえってペラペラな印象を与えるんじゃないかねえ。50年代のアルドリッチ作品じゃ、やはり『キッスで殺せ』のワケ分かんないモノ凄さがベストでしょう。 《追記》↑での、【鱗歌】さんのレビューに、小生の見方の浅はかさを思い知らされた気がします。…確かにその通りですね。ただ、アルドリッチ監督の映画においていつもぼくが圧倒されるのは、時として類型的にすぎる登場人物たちが、「物語」や「主題」といったものをただ円滑に語るためだけの“道具”としてあるのじゃなく、むしろ人間の「欲望」だの「狂気」だのといった[本質]こそを浮き彫りにするための手段としてある…という点にだったんです。その時、彼なり彼女なりは、ドラマの中の人物という立場を超えて、人間の「心の闇(ダークサイド)」そのものを具現化した存在となっている。が、そんな「闇」を凝視しながらも、一方で、そんな人間を決して否定せず、むしろ「闇」を抱えているからこそ「光(=崇高さ)」を求めずにはいないのだ…と断言する。抽象的な言い回しで申し訳ないのですが、まさにそういった部分が、ぼくにとっての「アルドリッチ作品」なんです。しかし、この『攻撃』は、そんな「理想的」アルドリッチ作品に見えて、どうしても山本薩夫(!)監督作品のような、単なる類型性や教条主義ばかりが眼について仕方がないという…。いずれにしろ、ぼくはこの映画をもう一度あらためて見直さなければなりませんね。 【やましんの巻】さん 6点(2003-09-16 16:09:55) (良:1票) |
4.「悪人に天罰を」、「腰抜けになるな」と人類に訴えている映画。「病は気から」、です。 |
3.ろくでなし上司を持つ不遇の部下が塗炭の苦しみを味わう、軍隊内部の腐敗を描いたスタッフサービスな激作!これでもかっつうほど分りやすく上官の浅ましさを描くアルドリッチの演出に軍隊も協力を拒否したとか。部下思いの燃える中間管理職、パランスの鬼気迫る形相が圧倒的! 【モートルの玉】さん 8点(2003-08-24 10:36:04) |
2.うむむ、【InVincible】さんがとても鋭い評論をされているので、これ以上付け加えられることなんてあんまないなあ。僕も、この作品は戦場を舞台にした非・戦争映画だったと思います。極限の状況下で、人はどれほどのことができるのか、人間の尊厳とは何なのか、ということを凄まじいまでの描写で観るものに突き付け、揺さぶっているように感じました。「勇気は瓶の中にはない、金でも買えないぞ」という台詞が印象的でした。 【ぐるぐる】さん 8点(2003-08-20 19:26:42) |
1. 日露戦争は旅順攻略戦に於ける乃木希典の例を待つまでもなく、無能な指揮官に率いられた兵士の末路は正に「犬死に」しか無いと痛感させられる。当時の米国防総省を激怒させた余りに異色なアルドリッチの暴露系戦争映画の問題作がコレ。1956年時点でよくもこんな過激な内容を映像化したものだとアルドリッチのパワフルさに良くも悪くも圧倒された。パランスもエディ・アルバートも凄まじい熱演だが、ウィリアム・スミザーズ(だったっけ?)が儲け役の割に今イチなのがチト残念。 【へちょちょ】さん 7点(2003-08-20 04:22:37) |