9.《ネタバレ》 WW1に於けるドイツ空軍が描かれた物語。地べた這いずり回る歩兵のシュタッフェルが上空の戦闘機を眺める胸中に共感を。技量に出身は関係なくとも、勲章が欲しい、欲しい、欲しい! 飢えた姿に貴族と平民の育ちの違いがある事を実感。更に将軍の妻と火遊びに興じるのには「図に乗るな。このままで済むと思うな。罰が下るぞ」(これは欲求不満気味の妻にも言える)と眺めていました。騎士道精神を持つ隊長以外まともな人物がいない中での真打がクルーガーマン伯爵・将軍。保身>空軍の体面>甥の敵且つ間男への鉄槌を表現するジェームズ・メイソンをたっぷり堪能させてもらいました。終盤の元帥からの電話以降は彼の独断場であり、「うわ~そうきたか、頭いい~、しかし悪いやっちゃなぁ」と思った途端の Sit Down !!!!!!!!! に椅子から思わず立ち上ってしまいました。「えらいすんません」怒髪天を衝く鬼の形相での野太いベルベットボイスはジェームズ・メイソン名場面集の1つとなりました。やるせなさが募る異色の戦争映画。傑作。 |
8.戦闘機マニアにはたまらんのだろうなぁ。 いや、面白かったですよ。CGに負けない戦闘シーンは迫力あって。ここまで悪役な主人公も逆に楽しい。 でも、セリフが無い空より陸・海のほうが好きかなってだけで。 |
7.《ネタバレ》 『レマゲン鉄橋』もあるし、ジョン・ギラーミンは戦争映画を撮らせると上手い監督です。もっとも本作の場合は、製作総指揮のエルモ・ウィリアムズの功績が大だと思うのですが。泥まみれで地面を這いまわる歩兵から、既に時代錯誤になっている騎士道精神が幅を利かす貴族的な航空隊に転属してきたジョージ・ペパード。始めから終りまで嫌われ者として描かれますが、良く考えると最初のうちは戦果をあげて早く勲章が欲しいと奮闘しているけど、協調性が皆無の性格が災いして軍人貴族の同僚たちから白眼視されているだけの様な感じもします。でもそういう観方も同僚ウィリーの戦果を横取りしたときからは崩れてしまい、後は破滅するまで暴走は止まらない。死ぬ間際になってやっと貰えたプール・ル・メリット勲章(ブルー・マックス)が、首にかけられるときに大写しになるカットが無常感に満ちていました。 使われる両軍の航空機はレプリカながらもすべて実機を飛ばして撮っており、文句なしの迫力です。まだ制空権という概念が生まれる前のことですから、物語の前半は地上戦の推移とは関係なく勝手に空中戦をやっている感じです。それがドイツ軍最後の攻勢作戦“カイザー・シュラハト”が始まると地上掃射が重要な任務になってくる、ここら辺は時代考証が行き届いています。地上戦も予算をかけて緻密に再現されており、地上掃射のシーンの迫力は空中戦シーンを凌ぐほどです。名優ジェームズ・メイスンの狡猾で非情な将軍も印象に残りましたが、何と言ってもほとんどニンフォマニアみたいなウルスラ・アンドレスの伯爵夫人、フェロモンの放出が強烈でした。 【S&S】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-04-14 22:15:58) |
6.実際に複葉機をバカスカ飛ばして空中戦を繰り広げる。あの『つばさ』に挑戦するかのような。いや実際、宙に漂う煙を縫って飛び交うパイロット視線の映像の、その臨場感たるや、まさに圧巻。ただ、主人公の野心を描くストーリーの方が、映像のスゴさに見合わず、ちょっとセコイ印象。ジョージ・ペパード演じる主人公、もっと野望に燃えて悪どくギラついていてもいいと思うんだけど、単なるチンピラみたいな感じに見えちゃうのが残念。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-25 21:41:36) |
5.《ネタバレ》 この映画には二つの見所があります。ひとつは言うまでもなく実機の複葉機(三葉機も)を用いた空中撮影の迫力、これはCGのなかったこの時代ならではのものだと感心します。もう一つは戦争における庶民階級の関わりです。国王を頂点とする「領主の集合体としての国家」同士の戦争が「国民国家」を単位とした戦争に変わってきたのが第一次大戦であり、平民出身のジョージペパード扮するスタッヘルがパイロットとして勲功を上げ、プロシア王国最高勲章で貴族しか得ることがなかった(パイロットや将校は原則として貴族だったけれど戦争後半になって人員不足から平民からも採用されるようになった)ブルーマックスを叙勲されるに到ります。この戦争に勝ち目はないと見た不倫相手の貴族の将軍婦人はさっさとスイスに亡命を図りますが、国家の英雄にこだわる主人公は亡命を断ります。この決断が破滅を招くのですが、貴族と平民の戦争に対する意識の違いが際立つ場面と言えるでしょう。しかし見所はやはり飛行機。飛行機ファンとしては甘いですがこの点で。 【rakitarou】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-07-26 20:40:45) |
4.《ネタバレ》 空中戦の迫力もさることながら、平民出のパイロットが嫌われても嫌われても貴族に近づきがたいが為に、苦闘し、やっとブルーマックスを手に入れた途端、ごまかし・その他を隠蔽する為に敢えて危険なテスト飛行を行わせられて、墜落・激突してしまう、といった話でした。育ちの差は現代社会でも遺憾ともしがたいものがありますが、あの当時の貴族との差は想像以上のものがあったものと推測します。しかし、目標に向かって、どんなに嫌われても出世第1と言う人間は存在しますし、その為にそれなりの努力もするのであれば、許されるような気もしています。CGも無い時代の映画としては、良くもここまで作ったと賛美したいと思います。地上戦の映像も迫力満点でした。 【亜酒藍】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-05-03 22:32:38) |
3.《ネタバレ》 ジョージ・ペパードが上手い具合に「国民の英雄」として利用され、不都合が生じたらキレイにヒーローとして死なせるブラックな社会、ん~。なかなか見ごたえがあった。 【たいがー】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-11 00:17:06) |
★2.《ネタバレ》 当時の戦闘機乗りは騎兵に代わる戦場の花形で、貴族子弟しかなれないものとされていました。塹壕を掘りながら空を見上げていたジョージ・ペパードが、何とかその社会に潜りこんで、やがては憧れのリヒトホーエン(赤い三翼機)に近づくために撃墜数を稼ぐことに専念し、それが嵩じてたまたま機銃の故障時に友人パイロットの撃墜した数を友人と操縦技術の競争を仕掛けて事故死した友人の分を加えて、ついにブルーマックス勲章まで達したのだけれど、上官夫人の浮気に誘われて、(上位になるウルスラ・アンドレスの演技も凄いのですが)睦言でその事実を告白したのが夫に伝わり、新型単翼機の試験飛行をする羽目に。この上官夫人の態度における女心の移りやすさと、やがて崩壊するドイツ貴族社会での夫との関係など戦闘場面以外にも見どころのある映画です。 【たいほう】さん 8点(2003-12-28 12:55:21) |
1.第一次世界大戦のドイツの撃墜王の物語です。”ブルーマックス”と呼ばれる勲章を手に入れるために、ただひたすらに敵機の撃墜に精を出すパイロット(ジョージ・ペパード)。やがて、かれの実力は認められるが、それは戦意高揚のための宣伝道具に過ぎず、そうとも知らない彼は得意満面になり、同じ基地の仲間には嫌われています。やがて国民的英雄になった彼に、殺人容疑がかかりますが、国の英雄に汚名は着せられないと判断した連中が、彼を”きれいなまま”祭り上げる最後の工作をします。彼の運命は・・・。 【オオカミ】さん 7点(2003-12-03 10:02:39) |