1.《ネタバレ》 60年代絶好調期のジョン・フランケンハイマーによる力感溢れるポリティカル・サスペンスの秀作。タイトルの7日間を通して水面下でヒタヒタと進行する統合本部幕僚らによる軍事クーデター計画。辛くもコレを事前に察知した大統領側と軍部との虚々実々の駆け引きは凄まじい緊迫感が漲り、思わず手に汗握るスリル。有力な証人は拉致され、腹心は不審な事故死を遂げる中、状況証拠のみで有効な物的証拠を得られぬまま遂に運命の七日目を迎える大統領側の焦燥感はそのまま観る者のドキドキ感にシンクロしてゆく。ロッド・サーリングのシナリオもサスペンスフルでいて尚且つ核戦争への警鐘をも鳴らす奥の深い作りで実に貢献度大。役者では何と言っても大統領を威厳と貫禄たっぷりに演じたフレドリック・マーチがMVP。終盤のスコット将軍(ランカスター)を召喚しての火花散る激突でも完全にランカスターを圧倒していた。今どきのアクターとは存在感が全然違う。難点は…エヴァ・ガードナーとカーク・ダグラスのラブシーンていうかガードナーのエピソード自体、この硬派なストーリーに今イチそぐわない気がしたので止む無く2点マイナス。