7.《ネタバレ》 バツ1ミュージシャンと教員資格取得を目指す女子学生とのラブストーリー。
ストーリーはなんてことないので、ソフィー・マルソーの魅力に頼りきった映画。
『ラ・ブーム』と同じスタッフ。ところが、肝心のソフィーが…。
あれれ?思ってたのと違う…。
ソフィーをいつの間にか頭の中で偶像化しすぎてしまっていたのか、そこまで魅力的には見えなかった。
昔の初恋の相手には会わないほうが…ってのと同じか。
せっかくのヘアヌードも幻にしておいたほうがよかったかもと思うほど、インパクトが薄い。
『ブレイブハート』では年を重ねて磨かれたような気高い美しさが出ていたけれど、ここでは何だか中途半端。
破局寸前だった二人だが、ヴァランティーヌがモリエールの『人間嫌い』をテーマにした口述試験の回答に重ねて、ジャンセンへ心情吐露したことで大逆転。
引用された『人間嫌い』のセリメーヌの言葉――「私をあるがままに愛して。私も今のあなたを受け入れる」
主演の二人がやたら欠点の目に付く役だったのも、ここでようやく理解できた。
ミュッセの引用が答えを導いてくれる。
「この世で唯一清く崇高なものは欠点だらけの男女の結びつき」
これを描きたいがための、欠点の目につく人物造型だったわけだ。
ただ、そのヒステリックなキャラに引いてしまって、感情移入しにくくなった嫌いはある。