20.止め絵にナレーションって実写では斬新に見えますが要はテレビアニメでよく使われる類いの技法じゃないですかね。実際押井守監督は影響を受けてるみたいですしね。第三次世界大戦という大掛かりな舞台設定を用意しておきながら語られる内容は幼少期や女性への執着という卑近さも悪い意味で日本のアニメに受け継がれていそうです。結局同じような技法が経済的な事情以外で採用されないのはこれが面白くも何ともないからでしょう。やっぱり映画は動いてナンボですよ。 |
19.《ネタバレ》 名作と噂された本作にアマプラで漸く出逢えました。 物語としては、短編作品だけあってシンプルな構成のSFサスペンスですね。哲学的とも思える内容は、古典的なSF作品に通じるものも感じました。タイムパラドックス(正確には本作にはそれは登場しないような気もしますが)に関する想定が自分自身の理解するところと非常に近く、そのこともあって決して難解に感じることなく鑑賞することが出来たのだと思います。 ただ、本作の場合、特筆すべきはやはり「フォトロマン」と称される技法でしょう。モノクロ静止画を巧みに合成し、荘厳なBGMと冷静なナレーションに載せて演出する。恰も普通に動画を鑑賞しているかのような錯覚に陥ります。1962年(1958年製作との記載もあるようですが)というCGもVFXも殆ど一般的ではなかった時代に、これだけの映像を創り上げた技術は素晴らしく思います。中盤に一か所のみ(私には二か所に思えたのですが)挿し込まれる動画が非常に効果的。心憎い演出ですね。バンダム的風貌の「男」と素朴な美しさの漂う「女」のビジュアルも、モノクロ画面に溶け込んで魅力的だったと思います。 今の時代に最新技術を集結してリメイクしても、恐らくはここまでのシンプルな佳作を創り上げるのは難しいのではないかと。8点献上します。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 8点(2023-07-07 14:09:57) |
18.《ネタバレ》 実質的な構成成分は、その8割がたがSF短編小説の朗読だ、と言って好い作品かと。その意味では、決してSFとしての出来自体がソコまで優れているワケでもない、とゆーのには若干の残念さも感じられるかと(ややありがちな話ですしね)。ただ、やはりより重要なのは「フォトロマン」と呼ばれる手法を採用した映像(紙芝居)の方でしょうね。動画じゃなくて写真の連続、とゆーのは、一見は安上がりでしかも「簡単」な手法にも思えるケドも、コレを成立させるとゆーのは相当に高度な技量が必要でしょうね(構図その他のセンスに関して全く誤魔化しが効きませんからね)。その部分のクオリティとゆーのは結論的には評価するに十分なモノではなかったか、と思います。特に中盤の画面の美しさと、それら映像+朗読その他の「音」が醸すやや幻想的な雰囲気とゆーのは、個人的にはかなり心地好かったです。ソコに比しては終盤がやや駆け足かつ即物的な様にも思いましたが、映像の美しさとゆーの自体はここでも保たれていたかと思います。かなり気に入りました(立て続けに2回観てしまいましたね)。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-30 01:15:11) |
17.私はどうしても伝説のクソゲー『Plumbers Don't Wear Ties』のことが頭から離れなかった。こんな産業廃棄物とは比べ物にならないほど美しいフォトモンタージュ映画映画なんだけどね。しかし、『アルファヴィル』を見た時のような退屈さが襲いかかってきて、最後まで見るのが辛かった。30分にも満たない映画なのに。退屈さを紛らわすために『Plumbers Don't Wear Ties』の司会者やケツ毛の濃い主人公を思い出したりするともう全く別の映像体験に……。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-02-25 14:24:27) |
16.《ネタバレ》 アイデアの勝利。今だったら動画サイトで嫌ほど見られる手法だが、一枚一枚のスチールに情感あり。30分で締めたのは正解で、飽きてきたところで動画を一瞬挟み込んだのは心憎い。利用されるだけ利用されて、撃たれた男の崩れ落ちる姿が、フランス映画らしいディストピア感があって目に焼きつく。 |
15.《ネタバレ》 クリス・マルケルによる傑作SF映画。 近未来の廃墟となったパリ。その地下で拘束される男が過去(観客から見た“現在”)と現在(観客から見た“未来”)を時間旅行する物語。 何処かディストピア小説を思わせる構成は、後の「12モンキーズ」にも受け継がれている。 「フォトロマン」と呼ばれる白黒のスチールを連続して映す手法(要は紙芝居(ry)は、後のゴダールや押井守の「紅い眼鏡」など様々な映画に影響を与えたという。 冒頭の空港と女性の記憶、目覚めればそこは戦争で廃墟と化した街。 実験が繰り返され己を失いそうになる主人公。彼は世界を救う救世主となるのか、それとも時の奴隷のまま終わるのか。 別の時代から来て出会う男女が見つめるセコイアの木。 このセコイアの木が「めまい」と「12モンキーズ」を繋げていく。 「12モンキーズ」では劇中の映画の中に「めまい」が出てくる。それぞれに共通する事は、全員脳味噌の中をぐるぐる掻き回されているという事だ。 鳥の膨大な鳴き声と共に目覚める女性・・・あのシーンにはどういう意味があったのだろうか。 博物館の幻想的な雰囲気・・・“凍った太陽とある女”の記憶で締めくくるラストは切ない。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-09-03 19:35:16) |
14.写真が好きだから。 普通よりは評価が高くなってしまう。 |
13.キレのいい短編SF小説に挿絵を入れたような映画。ほとんど静止した画像の連続で描かれる。 画像は通常撮影された映像のフィルムから切り取ってあるそうだが、これは良い意味での不細工さというか、カッチリしていない感じがあって良かった。 【肛門亭そよ風】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-03-06 11:11:00) |
12.難解なフランス映画って、非常に苦手で、「退屈」というイメージが先に立つ。 本作は“静止画”で見せる個性的な作品だが、フランス映画特有の「退屈」さを、更にパワーアップさせた様な代物だった。 これはもはや、「退屈」という言葉を超越している。 実験的な映画だが、私にとっては「退屈さを超越した難解なフランス映画」であり、それ以外の形容は思い浮かばない。 (2024.3再見) 10年以上の歳月を経て歳を重ねてみると、また違った感想になるから面白い。 今回見た感じではそこまで退屈しなかった。 小難しさは感じたが、女性の表情が美しく印象的で、そこまで嫌ではなかった。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-10-22 23:54:11) |
11.《ネタバレ》 剥製たち。静止画像だと、それが生きているのか剥製なのかの区別がつかない。そこが博物館だと知らされているので、過去に死んでいるので静止しているのだろうと思うが、こういう作りの映画だから動物園を描いても同じに見える。そこらへんの多義的な曖昧さが作品のポイント。寝ている女の顔の連続画像によるうつろいが美しく、そして静かに目をまたたく。実はこれ、昔スクリーンで、同じマルケスの『北京の日曜日』やレネの短編なんかと一緒に一度観てるんだけど、そのときの私のノートには「“過去の女”がまたたいたとこは動いた気がするが、巧妙なディゾルヴだったか」と自信なく記されている。今回は録画してあるので、観終わった後にさらにもう一度確認した。動いている。やっとはっきりしてスッキリした。このハッとさせる瞬間のために静止画映画という試みにしたのかも知れない。剥製のように静止していた過去のものが、生きてまたたくおののき。スッキリはしたが、スクリーンで何も知らずに観たときの、再確認できない・夢幻のような曖昧なまたたきの効果のほうが狙いだったのであって、余計な確認をしてしまったか、という気もした。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-12-25 15:02:54) |
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10.《ネタバレ》 全編静止画&ナレーションで徹底してドライに作り、ワンカットだけ動画を挟み込むという画期的映画。のちに「12モンキーズ」でリメイクされている。ニコ動に英語字幕のしかなかったので仕方なくそれで鑑賞。 ■けど、画期的であるので一度見る価値はあると思うが、二度見るかと言われると多分みない。英語字幕というのもあるけど展開に追いつけないのと、なんか内容はそこまででもないのと。 ■というかしっかり見てないと普通に動画になるワンカットを見逃す。動くのってラストじゃないのね・・・ 【θ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2010-08-30 01:17:26) |
9.気持ち悪いささやき声が耳に残る。写真がきれいで芸術的、内容はラストで読めてしまったので、、、 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-01 22:25:08) |
8.新しい試みの作品として評価は出来るが、上映時間が短いにも関わらず、若干のダレ感は感じてしまう。タイムパラドックスの扱い方はまあまあといったところ、ストーリーの難解さをどこまで理解できるかで、この映画の満足度は変化すると思われる。 【ドラりん】さん [地上波(字幕)] 6点(2007-05-14 23:07:22) |
7.《ネタバレ》 目覚めた彼女が優しく微笑む。たったそれだけのシーンに深く心を揺さぶられ、何度も頭でリプレイされる。こんな映画は他に無い。 【紅蓮天国】さん 6点(2004-05-23 13:12:27) |
6.静止画にナレーションのみという手法は確かに今までにお目にかかったことのない斬新なものだったけど、それが良いか悪いかは別問題。ショートフィルムにも関わらず妙に退屈な展開に辟易してしまった。「12モンキーズ」を観ていなかったら、正直ストーリー自体も分かりづらい。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 2点(2004-01-30 22:14:50) |
5.随分前に見たので詳細は忘れましたが、静止画にナレーションという、今ではあり得ない手法、そしてそれがとても魅力的だった事に、すごくびっくりしたのを覚えています。ここのレビューを読むまで、これが短編だったということを忘れていました。それくらい濃密な映画でした。 【コーラL】さん 9点(2004-01-05 21:48:05) |
★4.静止画でナレーション、映画と言うよりは紙芝居みたいだなーとか思ってしまいましたが、動画になるその一瞬が非常に効果的で美しかった。普段映画なんて動いてるのが普通なのに、それがこれほどのインパクトを持つというのは考えてみるとすごいことですね。異化効果ってやつですか? それを一人で勝手に感じてしまいました。タイムパラドックスの良くできたストーリーで、何だか藤子不二雄とかのSFにありそうなオチですな。 |
3.《ネタバレ》 全編スチール画にナレーションを組み込んだだけという異色の映画。冒頭の空港での"キーン"という飛行機の音から興奮させられます。美しい映像の数々に中でも衝撃的だったのが、今まで静止画だった映像がワンシーンだけ動くところ。まさに黒澤明の「天国と地獄」を思わせられるような場面でした。ラストは先に「12モンキーズ」を観ていたので知っていたけど、あの映像が次々に変わる急展開にはやはりドキドキします。ちょっと古いけど実に面白い映画でした。 【かんたーた】さん 8点(2003-08-29 14:38:59) |
2.もう少し簡潔に分かりやすい展開を期待していたので、時間は20分と短いにもかかわらず若干だれてしまった。「12モンキーズ」は観ていたので展開自体に衝撃はなかったけど、この発想は素晴らしいと思う。 【スマイル・ペコ】さん 5点(2003-06-30 16:00:56) |
1.全編スチール写真にナレーションという画期的且つ美麗で「12モンキーズ」の元ネタになった作品。20分弱という短さながらしっかりとした構成、選りすぐりのカットで驚きの連続。しかも一瞬だけ動画を取り入れそのシーンはハッとするような美しさ。幼い頃空港で出会った女性にデジャヴを感じ、成人して囚人になってしまった主人公は命と引き換えに地底人の実験に参加する。それは過去、そして未来の世界にタイムスリップし第三次世界大戦で荒廃した世界を救う任務であった。ラストは驚きの展開ですが、全編ナレーションの割にはいさいさか判りにくいかも知れません。ま、この尺でこれだけ濃密でドラマティックな作品に仕上げられている事自体がスゴイのですがね。 【さかQ】さん 8点(2003-03-27 01:04:41) |