37.《ネタバレ》 パブリシティではB級を感じさせたが、作品は安っぽさを感じないバツグンの面白さ。
低予算と言っても、ケーリー・エルウェスやダニー・グローバーが出演している訳で
彼らも作品のレベルが脚本を読んで理解出来たからこそ、の汚れ役だったのだろう。
残酷描写も多いがスプラッターの様に血を直接見せるわけではなく、
音楽やカメラワークで見ている者の想像力に委ねている演出は素晴らしいと思う。
犯人の語るメッセージも映画としては珍しく、只の屁理屈に聞こえない点も新鮮だ。
今作は極限状態に置かれた人間の描写に終始している、故に安全な環境の「最前列」で
見ている観客が「ここで、その行動はおかしい」などと野暮な事を言っては、
この作品は楽しめない。「外科医が目の前の死体に不審を抱かないのはおかしい」等と
思う貴方は、自分が同じ状況だったら果たしてそう思うだろうか?私なら無理だと思う。
アダムはともかく、Dr.ゴードンは私の見る限り「アレ」も含めてベストな行動だと思う。
日本語字幕の問題も有るが、劇中の脚本は非常に緻密に作られているので、
英語が少しでも分る方なら、より楽しめたのでないかと思う。
(例:タイトルのSAWがなぜ、The SAW では無いのかなど)
見ている間に「?」と思う事は、劇中でほとんど説明されていますが1度見ただけでは
無理かもしれません。それぐらい脚本は近年に無く良く出来ていると思う。
目立ちませんが音楽や音響効果も中々だった。DVDが楽しみだ。
こんな映画と出会えるのだから映画ファンはやめられない、と言った感じの作品でした。