15.《ネタバレ》 “FAIR GAME”『恰好の的』。なんか1995年の方の映画だと思ってました。 イラクは大量破壊兵器を保有しているから、世界平和のためにぶっ潰す。なんかもう無茶苦茶だなアメリカって、開戦当時思ったモンです。 私にとってリアルタイムの戦争だった湾岸戦争。その想像してたのとぜんぜん違う“実際の戦争”。アメリカを中心とした多国籍軍の最新兵器の前に、開戦直後からタコ殴りにされていたイラク。そんなイラクが終戦から僅か10年ほどで、世界を脅かす大量破壊兵器を保有なんて、まるで輩がイチャモンつけてるようにしか思えませんでした。 ニジェールから500トンものウランと、中国から6万本のアルミ管を輸入したっぽい?ホラやっぱり、アメリカにもマトモな人がいて、兵器製造なんて否定してる。でもリビー補佐官のような結論ありきな人間に握りつぶされる。はい開戦。ホントに輩のイチャモンだったなんて… 突然CIA工作員だと暴露されたヴァル。まるで無一文・真っ裸で日常生活に放り投げられるような恐怖。バリバリ働く奥さんと仕事の少ない夫だったのが、暴露以降、水を得た魚のように闘うジョーが頼もしい。それにも増して、普通の医者なのにスパイさせられて、とかげの尻尾切りされたハッサン先生とお兄さんたち科学者家族が可哀想過ぎる。 戦争のきっかけとなったブッシュの一般教書発言は知らないけど、妻のヴァレリー・プレイムの名前は知っている。情報操作は都合の悪い真実から目を背け、力を奪われた弱者を恰好の的とする。それは工作員だと暴露されたヴァルであったり、敗戦からインフラ整備すらままならない状態のイラクであったり。 【K&K】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-05-12 01:57:39) |
14.《ネタバレ》 実話もので政治もの。ちょっと私には難しい映画です。 特に前半がわかりづらい。誰が誰やら。今何をしているのやら。いったい何の話をしているのやら。結構ちんぷんかんぷんなまま頑張って見続けると、中盤あたりから次第にストーリーがわかり始めるといった具合です。 イラクの大量破壊兵器なんて実はなかった。開戦を強行したいアメリカの捏造みたいな暴露ドラマって思ったよりたくさん作られているんですね。 恥ずかしながら、このお堅い話に、前半はひたすら睡魔との闘いでした。話がわからなくなったら巻き戻して確認したりして結構大変。仕事でクタクタの日に見る映画ではなかったかもしれません。 CIAの工作員をしている妻ヴァレリー・プレイムの素性を政府関係者が世の中にばらしてしまう。その結果、身動きのとれなくなったヴァレリー。危険を冒して情報収集に協力してくれたイラクの家族は見殺しに。それに対するフォローは一切ないまま、ストーリーはヴァレリー、ジョー、国家の三つ巴の戦いへとシフトしていく。 なんというか、胸糞の悪くなる映画でした。見終わったあとの満足感なんて望むべくもありません。 40連勤で、しかもちょっと辛いことが多かったこの1カ月強、心身共に疲れ切っているときにこの映画を見てなんだかとどめを刺されました。 クソヤロー共全員に正義の鉄槌がくだされたことがわかれば溜飲も下がるというものですが、実話ではそれもできないのがツラいところです。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 4点(2021-11-07 02:56:10) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 これが実話に基づいているというのに驚き。相当政治的な内容ですが、このような内容も映画に出来るというのは、さすが自由の国アメリカですね。この映画を観るとチェイニー副大統領とその取り巻きが悪者としか思えません。アメリカ中を敵に回しても真実を訴え続けた主人公夫妻は本当にすごい。 【まいった】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-10-28 23:06:58) |
12.実話というのが重い。こういった話を伝えることが映画の役割の一つとも言える。 ただし、面白いかというと多少違う。本とか読んで知識を仕入れている感覚。 最後はちょっとあっさりとしている、と感じた。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-09-21 19:55:32) (良:1票) |
11.そういえばこんな事件、前にあったなぁと思いながら鑑賞。ナオミ・ワッツは知的でクールで美人でいいですね。実際のCIAがどうなのかは知りませんが、よほど愛国心の塊で生涯を捧げる覚悟がないと務まらないでしょう。一部に「日本版CIA」の創設を求める声もあるようですが、職員の勧誘と養成に苦労しそうです。それともネトウヨさんあたりが殺到するのでしょうか。それはそれで「特高」になりそうで怖いです。 それはともかく、作品としては迫力不足かな。なんとなく丸く収まってるし。だいたいショーン・ペンにインテリ&正義の味方の役は似合わないように思うのですが。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 5点(2015-07-17 00:32:13) |
10.良心的な政治ドラマだとは思いますが、やはりというかこの手の国家権力を相手に戦う主人公達、こういう構図は正直見飽きた。 実話だけども裏の裏過ぎてアメリカ政治に興味が無いとなかなかグイグイとは来なかった。 |
9.《ネタバレ》 まぁこれはすごい内容の映画だわ、、、。どこまで「ホント」かは我々一般人が知る由もありませんが、たぶん、きっと、かなり、なとこまで、な感じは個人的にしています。まぁ、もちろん、「国家」を運営していくのはきっととっても大変なことでしょうから、いろいろな事情が発生することとは思うところなのでアレなんですけどね。ということで、ナオミ・ワッツは美人だな~(それかw)。最後にご登場のご本人にもこころなしか似ているような? なかなかでゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-07 17:38:24) |
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8.実話ならではの面白さがある。日本の大手メディアが無視する大量破壊兵器問題をアメリカではハリウッドが映画として公開する。かの国の懐の深さを感じる。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-04-09 00:12:06) |
7.《ネタバレ》 実話物の重さというのは、描ききれないまた描けない部分をいかにスマートに端折ることが重要なのだと思う。強大な権力の情報操作は近年隣国の反日を煽るかのような行動、はたまた日本だって大震災の情報に対して政府が誠実であったか疑問に思えることが重なることもあって、恐ろしさは一定の成功をしていると思う。ただ、視点を変えると、本当に悲惨なのはこの夫婦ではなく諜報活動協力者に起こっただろう外国人であり、その苦難がおざなりなのは残念。もっともそこに手を突っ込んじゃうと違う映画になっているのだろうけど。 【monteprince】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-01-12 01:52:31) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 実話のようです。結局、イラクと戦争をした理由って、中国や韓国が国内の問題を反日にすり替えることと似たようなものだったのですね。権力の上位にいる人たちの都合です。CIAの「大量破壊兵器は無い」というレポートを捻じ曲げるだけでなく、開戦批判の矛先をCIA工作員の嘘つきにすり替えるあたりの手際が鮮やかで、今でも多くの局面であんなことをやってるんだな、という視線が生まれます。マイケル・ムーアの告発系ドキュメンタリーに比肩する力がありました。 興行のためとはいえ、自国の恥をハリウッドを通して世界に配信することも、彼の国の「自由」ってことなんですね。こんな映画、我が国にはありませんが、その告発姿勢は見習った方が良いんじゃないでしょうか。 ナオミ・ワッツの父親はきっと渋いオヤジなんだろうと思っていたらサム・シェパード登場。なんか、嬉しくなりました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-04 03:06:15) (良:1票) |
★5.エンドロールで流れる役名の一部が塗りつぶされていた。 この映画の主人公である実在の元CIAエージェントが綴った原作も、CIAの検閲の上で大部分が黒く塗りつぶされたまま出版されているそうだ。 それは、この物語が紛れもない事実であるということを如実に表しているもので、その“塗りつぶし”こそがこの作品の価値を揺るぎないものに高めている。
ブッシュ政権下におけるイラク戦争の勃発。その裏側に確実に存在した数人の権力者の「嘘」と「思惑」が、実に生々しく描かれる。 「ボーン・アイデンティティー」において、リアルなスパイアクションを撮ったダグ・リーマン監督が描くからこそ、“現実”のスパイの実像を描いた今作は、対比的に際立っていたと思う。
「大量破壊兵器は無い」ということを諜報活動によって導き出したCIAの報告が、時の政府によってねじ曲げられるという様には、「恐怖」という言葉では足りないおぞましさが満ちていた。 その絶対的とも言える巨大権力に対して真っ向から立ち向かい、自らの存在を貫き通した主人公夫婦は、勇気ある行動という表現ではおさまらず、やはり「無謀」に見えた。
この映画は、自分たちの“在り方”を守り通すために、敢えて「無謀」に走った夫婦の物語だと思えた。 ナオミ・ワッツとショーン・ペン演じる夫婦の関係性に焦点が絞られてくる後半においては、マクロ的な事の顛末よりも、彼らが夫婦としてどういう道程を選んでいくのかという事の方が気になってしまった。
往々にして、優秀過ぎる妻を持つ夫は、時に愚かな程身勝手に暴走してしまうものだ……。 クライマックス、妻に許しをこうショーン・ペンの情けない表情が、個人的に身に染みた。
そういった具合で、大局的な社会派ドラマの中に、パーソナルな人間ドラマを盛り込んだ構成は、映画的にも非常に巧みだったと思う。
多大な紆余曲折を経てきたとはいえ、実際にこれが映画として公開されている以上、この映画の中で描かれていることのすべてが「事実」であるという認識は間違いかもしれない。 本当に隠さなければならないことは、本当に隠されたままなのだとは思う。
しかし、たとえ真実のほんの一片であれ、当事者らが人生をかけてそれを明るみに出した行為と、映画というエンターテイメントの力で世界中に知らしめた事実は、賞賛に値する。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-09-27 14:29:18) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 とても淡白な作りで派手さは全くないのですが、こういった事実があったんだということを知らしめるためにも、この硬派な実録映画を作り上げる意義はあったと思います。長年、CIAエージェントとして国に尽くしてきた主人公のヴァレリー。彼女の働きにより、イラクの核兵器開発は事実無根であることが解るのだが、その事実は当時の政権によりもみ消しにされ、開戦してしまうことに。それに対し夫のジョーは事実を暴露しようとするけど、そこでこの夫婦が対立するわけですね。この対立が、いわばこのお話のミソという感じがします。普通に考えりゃ、彼らは正義であり事実を公表するべきなのですが、そうすると敵をどんどん増やすことになる。それに、彼らは公務員という立場ですからね。公務員が国家の意思に反逆したことをやるジレンマみたいなものがある。その行いは正しいけど、立場上どうなの、みたいな。でも、政権側が今度はヴァレリーがCIAの人間であることをリークするわけですね。ここで一気に判断が動いた。国のために尽くしてる人間を、国家が危険に晒したわけだから、そこで泣き寝入りする必要なんて無い。なにより、民主主義の大義がかかってる。戦争の大義はなくなったけれど、こうやって事実が現に暴かれて、そして映画になってるということ自体、アメリカの懐の深さを感じずにいられない。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2012-09-05 19:30:23) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 CIAの妻が中東で情報収集活動し、元大使の夫が妻を支える前半は、ロケーションも次々に切り替わって見入ります。ですが、妻の正体がマスコミに漏洩してからの後半は肩透かしな展開です。政府に見放され利用された夫妻が、どうホワイトハウスに立ち向かうかが焦点であるはずなのに、夫婦間の絆の方に話が収束する。ホワイトハウス側の人間は副大統領の補佐官をメインとして俳優が演じ、ブッシュ大統領などは実際の映像を使っているからムリがあるのでしょう。いっそのこと、ホワイトハウス側の人間もそれなりの役者を立てれば、映画としてはとてもおもしろくなったと思います。ただ、イラク戦争の元になった大量破壊兵器の問題を正面から描いている点で、興味深いです。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-07-18 16:51:25) |
2.シンディ・クロフォードのお色気バカアクションと同じタイトルなので何となく舐めた目で鑑賞をはじめたのですが、本作は驚くほど硬派で見応えがあり、その面白さには目を見張りました。国家vs個人というハリウッドお決まりのテーマを扱っているのですが、個人が権力を敵に回した時の恐ろしさというものが非常にうまく表現されており、際立った見せ場がなくとも全編に渡って緊張感が維持されています。そして、「攻撃は最大の防御」と言わんばかりに政府に対する攻撃姿勢を強める旦那と、「これ以上傷を広げたくない」と沈黙を守る妻の対立もうまく処理されていて、どちらの主張にも「わかるわかる」と納得させられました。結果、観終わった後もあれこれと考えさせる内容となっており、21世紀版「インサイダー」とでも言うべきレベルには到達していると思います。。。 薬漬けにされた上で処刑されたサダム・フセイン、特殊部隊により殺害されたことになっているビン・ラディンと、スッキリしない結末を迎えるアメリカの対テロ戦争は今後も映画化されていくと思いますが、本作は将来生まれる作品群のお手本となることでしょう。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-04-21 19:31:07) |
1.友人達とのホーム・パーティシーンで白熱する政治論議。 マスメディアのサダム・フセイン悪玉論を得意げに受け売りする友人を、ショーン・ペンが一喝する。そのフセイン像は自身が実際に見聞した真実の姿なのか、と。 例えば、実際の現場を直接見てもおらずに『ユナイテッド93』の顛末を(「大本営発表」を以って)既に「知っている」つもりの少なくない観客にとっては耳が痛い台詞だろう。 CIAエージェントとしての身分を暴露され絶望するナオミ・ワッツを説得するシーンと共に、俳優ショーン・ペン本人の義憤が直裁に伝わってくるような響きの台詞であり、メソッド演技である。 パパラッチとの確執。国家と個人。いずれもショーン・ペン的なモチーフであり、役者の個性と、実録としての強みとの相乗効果がまず何よりも映画の推進力だ。 劇中のホワイトハウスは曇天にくすんでいる。 今後いくつの「イラク後遺症映画」が作られていくことになるのか。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-12-10 21:13:23) |