41.《ネタバレ》 この作品はミステリーの部分を楽しむ映画ではない気がします。
車の鍵は慌ててたから開いてたとしても、どうやって車のエンジンかけた?
と突っ込まずには居られません。
人々の証言・記憶は自分の都合の良いようにアウトプットされそれを受け取る側も
自分の都合の良いようにインプットしていく。小さなズレど思い込みと
願望が事実を少しずつ、現実の物と違う物にしていく。
それに加えてマスコミの意図を持った切り口で編成された放送だけを見れば
多くの人が憶測とどこか知りながら、勘違いや思い込みを加速させて行く。
人のずるさ、無責任なマスコミの商業主義を小気味良く皮肉って居て
それが何ともツボでしたね。
また、蝋燭のシーンで終わらず、赤星雄治が城野美姫に車でひかれかけるシーンがあります。
赤星が城野の顔に気がつかない、あるいはしらない?というのをどういう意図で作ったかは分かりませんが
あんな見通しの良い場所で突っ込んで行って「当たってないですよね?」で立ち去ろうとし
呼び止められた答えが「良いことありますよ」って、優しさで言ったようにも見える反面
ある意味、他人事の上から目線で言ってるように取れなくもない。
自分にはあのシーンは、城野を勘違いが重なった可哀想な被害者だけで終わらせない
心の奥底にある黒い部分を見せたかったのではないかと。
赤星は城野の親に謝罪に来てる訳ですから赤星が町に居る事を城野が知って居てもおかしくはない訳で
自分の運転で転倒させてる訳ですから、例え接触が無くとも本当にいい人なら
まず謝罪があってしかるべき。なんですよね。
城野は赤星に対して「こいつのせいで・・・」とわざとギリギリの方法で一発カマしたとも取れなくもない。
殺人に関しては白かもしれませんが、芹沢ブラザーズに関しては、
故意で無かったとしても傷害を負わせた逃げた責任は?
謝罪も責任も負ってないとすると、ちょっとずるくない?
もしかすると、犯人が殺人を犯す事を察知した城野が車のドアわざとロックせず
鍵もおいておき全て見越して誘導した・・・なんて。
さすがにちょっと考え過ぎですかね(笑)
久しぶりに自分的には当たりの作品でしたね。