1.《ネタバレ》 グイ・ルンメイの映画を見る度に同じことをコメントしている気がしますが、
本作もやはり彼女がお目当てで見た作品で、期待通りの素晴らしい存在感を見せてくれます。
本作でもやはり彼女はあまり喋りません。
その表情で感情を見せる独特の存在感は本作でも際立っています。
彼女の微笑んだような表情が好きなのですが、本作には彼女の笑顔は全くありません。
夫を亡くし、クリーニング店で働く薄幸のヒロインという役どころ。
ストーリーの軸になるミステリとしては、犯人が誰なのかは序盤で予想はついてしまいます。
しかし本作はそこはあまり問題ではないと思う。
その上で彼女が演じる女性の今と過去の事情と事件の真相と、
1人の男とのドラマが展開されていく。
作品の舞台は華やかな上海や北京とは全く趣の異なる、
屋外スケートリンクがあるような中国の北部の地方都市。
夜のシーンが多いのですが、寂れた町並みにあやしく光るネオン。
寒々とした冬の風景と人間模様も印象的です。