11.《ネタバレ》 映画としてはすごくデキがよいと思います、しかし登場人物の誰にも共感も感情移入もしないという映画でした。
思えば「悪人」も「怒り」も誰にも共感はしないんですよね、それでも惹き込まれるんです。
本作は更紗にイライラしっぱなしでした、15年後の偶然の再会から吸い寄せられるように文に会いに行くけど、どう考えても拗れるでしょ。
俗にいう「こじらせ女子」というのが浮かびました。文以外の人には自己肯定感が低めでいつも愛想笑いしてる子っていう感じですけど
文の前ではがらりと変わるのよね。
でもお互いもう関わってはいけないという理屈はわかっていても一緒にいたいという情はどうにもならないっていうのはわかる。
文はロリコンじゃないですよね?でも更紗はロリコンだと思ってますよね?少女時代の更紗がそんなようなことを文に言ってたし。
あの雨の中で声をかけたのは自分と同じものを感じたのかもしれないし、同年代の女の子の期待とか要望も無い年齢の女の子ですし。
更紗にだけは自分がロリコンだとは思われたくなかったんだろうな、だから本当のことを告白したんだと思います。
医学も進歩してますし、どうにかならないんですかね。どうにかなりそうに思えるんですが。
お互いこの世で唯一無二と思える人とやっと一緒にいられるということに素直によかったじゃんと思えました。
「いつまでもお幸せに」と共感はないけどラストシーンを観ながらそういうお祝いの言葉が浮かんだのでした。
ただ、二人を取り巻く人物が警察も含めて二人がよりお互いを求めてしまうような人たちばっかりなのがちょっと気になります。
亮君とあゆみちゃんは都合が良いタイプの人物になってる。私としてはここがマイナスになります。
ファミレスの店長とアンティークショップの経営者はいたけどあれでは関わりが弱いですよね。
ロケ地は長野県の松本市が多かったんですね、ロケーションが抜群でした。橋だったかな?そこの街灯が美しかったです。