★1.夏頃に購入したApple製品の特典で、Apple TV+の“3ヶ月間無料視聴”が付いているのを知り、年内限定で登録してみた。 ちなみに、動画配信系のサブスクは、既にU-NEXT、Amazonプライムビデオ、Netflix、Disney+と契約しており、完全に飽和状態なので、追加でサービス利用する余地は全く無い。
まず、ブラッド・ピットとジョージ・クルーニーのW主演の娯楽映画(しかも監督はジョン・ワッツ)が、Web配信のみの公開となっている事実に、映画ファンとしては何とも言えないモヤモヤ感を覚える。 どうやら製作を行ったApple Studioと配給を行うソニー・ピクチャーズとの間で、ビジネス的な“調整”が生じたようだが、ハリウッドの大スター二人が揃い踏みするこの手の映画が、その出来栄え以前の問題で劇場公開中止となってしまうことは、とても不幸なことだ。 そこには、映画産業のパワーバランスのみならず、我々観客側の“劇場離れ”が確実に影響していることは明らかであろう。
鑑賞前は、Apple TV+の加入者増加のためのある種の“撒き餌”映画なのだろうと思っていて、実際にその通りではあるのだろうけれど、作品自体は想像以上に真っ当な娯楽映画だったと思う。
業界随一の“揉み消し屋”としてしのぎを削る二人が、ダブルブッキングによって同じ現場に遭遇してしまったことから始まるクライムアクション&コメディ。 ストーリーのテイストや性質的には、過去のハリウッド映画で幾度もなぞられたものにも見えるけれど、そこは御大二人の圧倒的なスター性が独自性を生み出している。
ブラッド・ピットもジョージ・クルーニーも、二人とも60歳を越えて、本作においても“老化”への自虐ネタが随所に挟み込まれるが、それでも世界屈指の“イケオジ”ぶりは流石で、公私とも旧知の間柄である二人のやり取りを見ているだけでもしっかりと楽しい。 90年代以降、彼らが主演する数々の映画に心湧いてきた世代としては、映画世界内外を包括したメタ的要素も多分に加味され、そういう部分も含めて本作のエンターテイメントを心から堪能できたと思う。
とても楽しい映画だったので、当初の企画通り続編も期待したいけれど、願わくばスターたちの映画がきちんと劇場公開され、しっかりと動員されるように、映画産業の最末端を担う一観客として、健全な映画鑑賞に勤しみたい。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-10-13 00:40:14) |