12.《ネタバレ》 恥ずかしながら、10年位前、白いノートパソコンに蟻が1匹歩いていて「あらま」始末して1分も経たないうちにキーボードからワラワラと現われて「ウワァァァ!」以来我が家は万全の蟻除け対策を。 トンデモ作品なのですが、ソウル・バス監督、ナイジェル・ダヴェンポート出演に釣られて怖々鑑賞。 超どアップ及び大群ウジャウジャは閉口しましたが、蟻と専門家2人の対等な対決模様は見応え満点。 女王蟻の元へ薬品を運ぶ際のリレーには嫌いなヤツなのに胸熱に。 お目当て二人も良い仕事をしており、蟻は大丈夫な方にはお薦めの逸品です。 |
11.《ネタバレ》 うーむ。何かの偶然でアリの中で発生した凶悪な遺伝子が、ストレス(黄色い薬)などを受け変異し、とうとう人間に寄生した。その状態がフェイズⅣ、これから本当のパニックが始まる。という解釈でいいんでしょうか。もう、まるで自信がない。コロナ禍を経験した現在ではシリアスな作品のような気もするが、どうしても滑稽にみえてしまう。小さな生物の活動にライフラインを止められたりすると、ヤツらは頭が良いと誤解してしまいそう。COVID-19が、感染しても発症しない人もいると知った時に、なんて巧妙な繁殖戦略、と思ったみたいに(本作のとはちょっと違うけど)。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 5点(2023-05-14 16:15:34) |
10.《ネタバレ》 タイトル的には昆虫がワラワラと襲ってきて人間どもを襲いまくる!という感じの雰囲気を出していますが、実際は全然違います。 ドキュメンタリーか?と思わせるような蟻たちの接写、事実や実験の結果を積み重ねてある仮説を立証していくというある意味「淡々と」進んでいきますが、これがなかなか見応えあり。 個人的に「アンドロメダ・・・」などの雰囲気の作品が好きなので、これも非常に面白かったです。 聞くところによると、「サイコ」のシャワーシーンの件で色々とあった人らしいのですが、止め画の画作りは本当に素晴らしいと思いさすがだと思いました。 【クリムゾン・キング】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-09-23 13:13:57) |
9.《ネタバレ》 邦題が意図したのかミスリードです。普通、こういうタイトルの作品は、異常な攻撃力を持った生物が人間社会に侵入しますが、大抵、騒ぎの末に撃退されて終わりです。パニックも一時的です。しかし、本作は最終的に蟻側の狙いが明かされると、パニックどころか人間界への革命まで暗示されます。物語の前半から複眼で見た人間の様子が繰り返し挿入されますが、人間並の知性を備えた蟻が人間を観察していたと分かるとゾッとします。あの小さい蟻の一匹一匹がそれを持ってるというんですよ、絶対に怖いですよ。それにしても、蟻たちの撮影ってどうやったんでしょう。パペットじゃない生身の蟻にちゃんと演出してるとしか見えないんですが・・・。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-09-19 22:52:28) |
8.《ネタバレ》 邦題と製作年から見て「キラー・ビー」や「燃える昆虫軍団」とかアッチ系統の派手な昆虫パニック映画かなーと思ったんだけど全くの見当はずれ。ややドキュメンタリー的な要素を入れての人間vs蟻の静かだけども壮大な戦争・・・というかソウル・バスの芸術センスの凄さとどうやってここまで撮影してんという何回も出てくる蟻のドアップだったり生活スタイルだったり、すんげえ驚きがいっぱいでした。シリアスですけど蟻が人間を追い込んでいく展開は見事だし段々と追い込まれていく人間の描き方も見事。爪よりちっちゃなものに恐怖を覚えることなんて生きてる内にあるかどうか・・なレベルだから怖い。こんな映画今映画館で公開したらすんげえ苦情が来そうな感じたっぷりだけどラストの太陽と人間を写すショットは新たな世界の誕生を表現してるようで感動を覚えた。 |
7.《ネタバレ》 タイトルバックの名デザイナー、ソウル・バスの監督作品なんですが、なぜか虫のシーンが異様に多い映画になってます。最後のほうはすぐ前に見たスペース・バンパイアみたいになって終わるという不思議な作品。名匠は何がしたかったのかは自分には分かりません。 【溶解人間】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-03-12 00:14:02) |
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★6.《ネタバレ》 聞きしに勝るカルト的なSF映画だった。 ただし、決して奇をてらった“とんでも映画”というわけではなく、気が遠くなりそうに緻密な演出と撮影、そして揺るがない美意識に支えられた極めてアーティスティックな映画だった。
とある宇宙線の影響により、砂漠地帯の“蟻”に劇的な「進化」がもたらされる。 高度な知性を得た蟻とうい種が、徐々に周囲の環境を支配し、ついに人類と敵対する。 というのがこの映画の導入部。即ち“PHASE I”である。
その進化にいち早く気づいた科学者二人と蟻との攻防が描かれるわけだ。 この映画が、邦題「戦慄!昆虫パニック」というテイストの通りだったならば、良くも悪くもB級モンスター映画に仕上がっていたことだろう。 しかし、この映画の邦題は大いに見当違いであり、そんな生半可な仕上がりを許すものではなかった。
この特異な映画が描き出すものは、この世界の支配者とされる人類とそれを脅かすものとの攻防などではなく、現状の支配者が新たな支配者によって確実に速やかに取って代わられる様そのものだ。
蟻の脅威的な進化に対して、人間は必死に抵抗を試み、攻防を演じているように見える。 だが、実際はそうではない。 観察者であった筈の人間が、実際は蟻によって観察されていたことを知った瞬間、そもそもそこに攻防などという関係性は無かったのだと気づく。
この映画に映し出されていたものは、その“資格”を持った新しい支配者が世界を支配するという、あまりに自然的で、だからこそ残酷な生物の「理」だったのだと思い知った。
ついに支配を受け入れた人間の雄と雌が、禍々しく赤く灼けた太陽を臨むシーンでエンディングを迎える。 一寸それは夕陽に見え、世界の終末を感じさせる。 しかし、すぐにそれは昇る朝日だと分かる。“終末”ではなく、新しい世界の“はじまり”だったのだ。
そして「PHASE IV」というタイトルバック。参った。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-10-19 08:58:58) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 なんとなく、巨大な昆虫が人類をワ~っと襲うパニック映画を想定していたのですが、全く想像とは違っていましたね。知能を持った蟻と科学者が地味ながらも頭脳戦を繰り広げていくという、他に類を見ない内容。語り口もシリアスで、「カルト」作品と言われるのもわかるような気がします。ただ、個人的にはシュールすぎて入り込めない面も。どアップで映し出される蟻たちのシーンだけ見ると、なにかの教育映画みたいですけど(笑)。今だったらCGでなんでも写実的に表現されるんだろうけど、当時はそういう技術もないからか、冒頭やらラストやらの表現がサイケデリックなのよね。こういうのもまた時代を感じさせます。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-07-19 19:58:01) |
4.《ネタバレ》 「カルト」なんて言葉に軽く流されないようにしなきゃ、と思いました。ものすごく退屈でした。製作されたのは『エクソシスト』と近い頃のようですが、そう考えるとあまりにも表現力がチープすぎる気がします。ミラーでキラキラとか食われネズミの早回しとか。ミラー攻撃は表面に何の素材張り込んだか分かるようなカットが欲しかったです。博士の右手は意味なしに終わるし。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 2点(2014-07-12 21:08:22) |
3.《ネタバレ》 この知る人ぞ知るカルト映画が遂にDVD化され気楽に観ることが出来るようになりました。良い時代です。 「蟻を調教して演技させた」というウソ臭いエピソードは聞いていましたけど、観終わってひとこと、「これはホントに演技しているとしか言いようがない…」。生き残った蟻が死んだ蟻を並べてゆくシーンがあるのですが、まさかこんなシュールな映像を見せてくれる映画があったとはただただ驚嘆するばかりです。またどアップで映し出される蟻の姿がもう凄い迫力で、まるでエイリアン・モンスターみたいです。そう言われれば女王エイリアンを中心にしてコロニーを造る生態は、モロに蟻の世界のメタファーなんですね。ですから、昆虫アレルギーというか虫嫌いの方はこの映画を避けた方が無難でしょう。 監督はタイトルデザインの巨匠、ソウル・バスです。意外ですが、長編はこの映画だけですが短編映画は何本も監督していて、オスカーの短編映画賞も受賞しているんですね。でも本作ではパラマウントには受けが悪くてラスト10分をカットされてしまったそうです。それはマイケル・マーフィとリン・フレデリックが蟻に管理されて人類が異質なものに進化してゆくところが描かれていたそうで、「なんでカットしちゃったの!」と悲鳴を上げたくなるような気分です。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-07-05 20:55:17) |
2.《ネタバレ》 こりゃすごい・・・。本当にアリが演技してます。怒りとか悲しみとか軍隊風に規律を重んじて動いてる感じとか、どうやって撮影してるんでしょう・・・。というかグラフィックデザイナーの巨匠ソウル・バスが何故この長編1本のみを撮ろうとしたのかという所まである意味SFですね。「2001年宇宙の旅」のコンピュータの暴走も怖かったですが、このアリコンピュータが局面ごとにじわじわフィールドを固めてくる恐怖もものすごいです。何度も観返したくなる映像、きっとそれは唯一無二の映像作品だからかもしれません。研究に没頭し、あくまで対決姿勢で挑む人間、アリの最終目的も分からず取り込まれる人間など、その終わり方は絶望的であるはずなのに、同時に人間の愚かさまで描かれているようで、アリ側に感情移入しながら見てしまう自分がいたり不思議な気持ちになりました。あとリン・フレデリックがめちゃくちゃ可愛くて、アリがその身体を這うシーン等はとってもエロチックに感じました。そこも点数高いです。最後に陽をバックに風がすさぶ中でタイトルが表示されるあの終わり方、カッコいいです。邦題で損してますが町山智浩さんのおかげで素晴らしい作品を見ることができました。 |
1.題名から想像するような昆虫が人を襲う派手なパニック映画を想像するとまったくの期待ハズレに。蟻の知能が進化し人を襲うって設定なんだけど、内容が普通のパニック映画ではない。登場人物は主に3人だけ。科学者二人と現地の住人の女の子。舞台は主に荒野に建てられた研究所。そこでこの科学者二人が進化した蟻をたんたんと研究するとゆうかなり硬派な展開なのだ。雰囲気としては「アンドロメダ・・」に近いかも。俺としては蟻の映像がすごかった。まるで映画に合わせて演技してるよーな演出。調教して撮ったそうだけど、本物の蟻なのでリアル感がすごい。蟻が自分たちを殺す薬の塊を、一匹づつ橋渡しで女王蟻のところまでは持っていくくだりは特にすごかった。一匹が必死にその塊を運び、途中で死んでしまう。すると奥からもう一匹あらわれ、またそれを運び途中で死ぬ。こうやって女王のところまで持っていき、最後にそれを女王が食べる。すると次はその薬の色をした蟻が産まれる。ここの映像のドキュメンタリーチックな不気味な迫力はかなり見ごたえがある。他にも蟻の死骸が並べられ、その間を見回るように悲しんでるように歩く蟻の姿とか。本当に彼らが高度な知能をもってる感じがしてくる。いったいどーやって撮ったんだろう?それくらいの驚きの出来。この蟻の映像はまさに戦慄ものだ。展開も蟻の攻撃に対して、冷静に淡々と対処する科学者の姿がなんだかリアリティーがある。知能をもった危険な蟻をあくまで研究対象としてとらえ、あまり恐れたりびっくりしたりしない。そこがすごく科学者っぽい。蟻の脅威より研究への探究心のほうに欲求がいってしまっている。これぞ科学者って感じ。蟻の攻撃も、実に不気味で、集団で襲ってきたりせずに、変な蟻塚を作り、研究所のまわりを取り囲み研究所の温度を上げたり、心理的においつめたりなど静かなる攻撃。この淡々とした戦いが、異様な空気を作りだし、淡々としてるのに観ててジワジワテンションがあがる。派手映画好きには眠くなるかもしれないが、この静かな戦いにはまれば、それなりにおもしろい異色のハードSF映画だと思う。 【なにわ君】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-01-21 21:39:29) |