6.邦題で損をしているようだけれども堅実で真摯な英国文芸映画。 ポランスキーの「テス」に並べても恥ずかしくないと思う。 ジョゼフ・コンラッドの小説を下敷きにした作品はハーディのように宿命的であっても最後まで重くすることなく解放があり、女性監督の繊細さが生かされた作品。 「灯台守の恋」のようによそ者が虐げられ、不幸な生まれの娘が疎まれる海辺の村での彼らの結びつきは天命といえ、お互いに相手しか持たぬ彼らの情愛は「僕の家は君だ」という言葉に表されるように深く、結末では哀感も含みながらそれまでの苦しみが氷解して静かな歓びに満たされる。 髪をまとめ質素な服に身を包んだレイチェル・ワイズが言葉より目で語るヒロイン。 母親までが自分の不遇の過去の遺物として娘に辛くあたるのは理不尽に思えてならない。 フランスのヴァンサン・ペレーズがロシア語とロシア訛りの英語を修得するのは難儀したのではと想像され、思わぬところで再び言葉の壁が立ちはだかる場面では熱演。 ヤンコには息子のように慈愛を注ぎながらエイミーには村人同様偏見も持つ医師のイアン・マッケランが重厚。 ヤンコを導いた海も「ライアンの娘」のように物語に添う美しい背景となって、ラストシーンは未来への希望を感じさせる。 【レイン】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-03-06 00:00:04) |
5.物語の結末がとても悲しいです。冒頭のシーンと結びつけると、泣けてきてしまいます。でも美しい物語には、悲しみがつきもののような気がします。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-21 11:38:34) |
4.《ネタバレ》 切なくて良い映画でした。ヤンコとエイミーのひたむきで強い愛情に終始胸の打たれる想いでした。他の村人にヤジを飛ばされても、腕を組んで歩いていく二人の姿が凛として綺麗です。エイミーはヤンコからプレゼントされたリボンを首に巻き、結婚式でもそれがしっかりと巻かれていたときに、口数少ない彼女の強い内面が見えたようでした。お互いが何より代え難い存在なのを十分知っていて、過酷な状況下で生活していても「僕たちはラッキーなんだよ…」と話すヤンコの言葉に、生きていく上での底力を感じます。最後の最後、医師の言動がちょっと理解できず残念でしたが、逆境の中前を向いて寄り添った二人に泣かされました。役者は上手い人揃いです。とくにレイチェル・ワイズには感心のひとこと。イギリスの海辺の田舎風景は、高いところから捉えた画が特に綺麗で、広々とした草原や踊り狂う波が印象に残りました。 【のはら】さん 8点(2004-11-15 22:09:06) (良:1票) |
3.あのヴァンサン・ペレーズがすがるような目でこっち向いてるんですよ・・・助けなかったら女ちゃいますで・・・と勝手に言うてますが、ストーリーはまるで子どもに聞かせる昔話のよう。’よそもの’を受け入れることと偏見、このギャップが印象的でした。私の好きなキスシーンBEST10に入ってます(「風~」「花嫁はエイリアン」には及ばないですが。)。 コスチュームのレイチェル・ワイズが麗し~ですね。(ケイト・ウィンスレットに似てるとこあります。メンデス監督が好きなタイプなんやね。) 【かーすけ】さん 5点(2004-11-10 00:23:07) |
★2.レイチェル・ワイズが好きで観ました。全然裏切られなかったです。最後まで観終わったら涙ぼろぼろでした。すごくいい作品だと思います。 【Gene】さん 8点(2004-10-29 00:40:55) |
1.レイチェル・ワイズがとても綺麗。海の風景とか自然もかなりいい。でもちょっと退屈。ストーリーはそんな悪くもないんだけど、なんかいまいちなのはヴァンサン・ペレーズがあまり魅力を感じないからかも。でも台詞が詩的で好きですね。偏見とかがテーマだろうけど、小さな村とかでは当然だと思う。あとイアン・マッケランがよかったと思う。 【バカ王子】さん 6点(2004-02-10 20:30:31) |