28.フランク・キャプラが作るのだから、アンハッピーエンドはありえない、と解っていても、つい夢中になり過ぎてその事を忘れ、終盤では、自分の心臓の音が聞こえそうなほど心拍数が上がってドキドキバクバクと物凄く興奮していた。そしてラストはやっぱり最高。僕はやっぱりキャプラさんの映画が大好きッス!九点! 【ボビー】さん 9点(2004-08-06 15:53:19) |
27.・・・・・・この作品のレビューは難しい。なぜかというと、観た後何だかモヤモヤした、アンビバレントな気持ちになってしまったから。確かにジェームス・スチュワート演じるスミスのひたむきな姿には感動した。ただ、彼の、アメリカの民主主義や「失われた大義」に対するあまりに無邪気で「信仰」に近いような信念に対して、「ひく」というより、恐怖に近い感情が沸き起こってしまったのも事実なのだ。21世紀に入り、様々なものを見聞きしてしまった自分は、例えば「イラクを独裁者から開放して、民主主義を授けよう」という気持ちからブッシュを支持した人々の中にスミス氏のような「まっすぐ」な善人がいなかったか?というような事を考えずにはおれない。 ただ、だからといってこの作品を「アメリカ的欺瞞」と一蹴するのもためらわれてしまう。この作品は、政治的な題材を扱ってはいるものの、そこにあるのは普遍的な人間の姿であり、普遍的なメッセージであり、人間を肯定しようとするキャプラの姿勢が現れている。それに対して斜に構えてニヒリスティックな態度を取るのは、とても淋しい事だと思ってしまうのだ。 それに何よりもまず、この作品は優れたエンタテインメントであるという事を認めないわけにはいかない。クライマックスのスミス氏がクラリッサの助けを借りて陰謀に立ち向かう姿は政治的云々より「闘う男のドラマ」として素晴らしいし、スミス氏を信じた地元の少年達の健気な姿には涙を禁じえなかった。そしてキャプラ作品に顕著なチャーミングな人物(本作では議長役の俳優が素晴らしかったと個人的に思う)も楽しませてくれる。 で、「結局どっちやねん、エエんか悪いんか、はっきりせい!」と自分でも思うのだけれど、一方で「いや、そんな簡単に白黒つけなくても良いんじゃないの?」という気持ちもあったりして、観た後「もやもや」は広がるばかりなのでした。もしこれを読んでいる人にまで「もやもや」が感染してしまったらごめんなさい。でも人生、割り切れる事だけでなく、曖昧なままで捉えなくちゃいけないときもあるし、かといって時には割り切んなくちゃあ前に進めないこともあるし、なかなか難しいもんです。 【ぐるぐる】さん 9点(2004-07-21 20:43:37) (良:1票) |
26.先日の参議院選挙を含めて、ぼくは選挙権がありながら選挙で投票したことがありません(世の良識ある方々、スミマセン…)。一票を投じたい政党や人物がいない…というより、どこに、誰に投票するにしろ、それは現体制を「肯定」することになってしまうと考えているからです。一票の格差などの、まずはあまりにも公正を欠いた選挙制度そのものを是正することもなく、そのくせ「投票に行こう」と、膨大な税金をつかってタレントを起用し、PRする国側の“欺瞞”もウンザリですし。 そんなぼくも、この映画のジェームズ・スチュアート扮するスミス氏になら喜んで投票するかもしれない。するかな。するよな。うん、きっとする!(笑) この、リンカーンを崇拝する田舎の州出の青年が、周囲のあまりにも汚い権謀術数にうちひしがれ、リンカーンの像の前で泣く時、まるで「アメリカン・デモクラシー」そのものが泣いているかのようだ。そんな彼が議会で延々と演説を繰り広げ、その孤軍奮闘を議長(ハリー・ケリー…涙が出るほど素晴らしい!)が秘かに共感の笑みを浮かべて見守る姿に、少なくともぼくは「アメリカ(人)の良心」を見る思いがする。たぶん、公開当時も今も、この映画を見るアメリカ人はみんなあの議長のように主人公スミス氏のことを見守り、微笑んでいるんだろう… それを、「ただのおとぎ話だ」とか「いかにもアメリカらしい偽善じゃん」とせせら笑うのは簡単だ。ぼくらは、あの国のイヤな面をこれまでも(そして、今も)さんざん見せられてきているのだから。 けれど、ぼくは、自身が移民だった監督のフランク・キャプラ自身もとっくにそんなことなど承知していたのだと思っている。彼がこの映画を撮った1939年は、世界中が戦争の危機に直面していた。そうした時に、「アメリカ(人)の理想主義と良心」をひとりの純朴な青年に託したキャプラは、「この世の中はマヌケといわれてきた人たちの賜物なのよ」とジーン・アーサー(これまた素晴らしい!)に言わせた通り、最後には人間の〈善〉が勝つという「夢物語」こそがアメリカの理想主義じゃないか。それは「夢」だからこそ「理想」なんじゃないか…と静かに、だが毅然と述べているのだ。 ぼくも、国家としてではない、アメリカ(人)の夢見る「理想主義」には、心からの“一票”を投じよう。それが、どれだけの失望を招こうとも。 【やましんの巻】さん 10点(2004-07-16 14:58:36) |
【ゆきむら】さん 8点(2004-05-01 05:05:52) |
24.《ネタバレ》 芸術作品は大抵正義の欺瞞を暴き、善悪を相対化し、倫理の底を掘り下げていきます。だが、そんなのだけじゃない。あえて正気で善悪の姿をはっきり提示するものもあります。映画で言うならキャプラ作品やチャップリンの幾つかの作品なんかそうでしょう。私はこちらの方が大変だと思います。自分があえて相対化のまな板の上に乗るんですから、説得力はもちろん勇気が必要です(凡人の説得力だと目もあてられない駄作となるでしょう)。この作品のはっきりした善悪の描き方の潔さ、その説得力には拍手したいと思います。文句なしに引き込まれてしまう面白さは相当なものだと個人的に思うのですが・・人それぞれでしょうけど。良心の呵責にさいなまれて耐えきれなかった敵役先輩議員のラストの決断は現実ではあり得ないですよね。主人公がどんなに感動的な努力を払おうともあれがなければ敗北なわけで、これはやっぱりがんばれば報われる、人間の良心や理想を信頼しよう、という甘っちょろい話だとは思います。私自信甘っちょろいし、偽善者なのでこういうのには弱いんです。スミス君の議会での行為は牛歩戦術的な、制度の間隙を突いたものだと思いますが、あれが肯定できるかどうかは難しい問題だと思います。ただ一点文句なしに許せないのは、全体の雰囲気からすれば突っ込んでもしょうがないかもれませんが、スミス君が中傷記事書いた記者連中を殴ってまわる行為です。言語道断でしょう。あれだけで議員失格です。現実でもクビでしょう。他人の名誉を不当に侵害する表現行為が許されないのは当然ですが、彼は公人の議員だし、記事の内容も子供の悪口っぽいし、自力救済の暴力行為で報復するのを放置したら表現の自由なんて無意味になります。アメリカはそういうのには敏感だと思うんだけど・・。監督の悪いアメリカ的正義感や独善性が透けて見えるような気が・・。マイナス10点してやりたいくらいですが、映画がとても面白いので1点しか引きません。あ~、また正義ヅラした目もあてらられない偽善的コメント書いちゃった。 【しったか偽善者】さん 9点(2004-04-13 22:02:34) |
23.《ネタバレ》 議長がいい味出してましたね。こんな映画に出会えて幸せ。 【クルン】さん 9点(2004-03-17 23:47:27) |
★22.生まれたときは真っ裸の人間も、歳を重ねるにつれ濁っていってしまう。たとえ本人が望んでいなくとも、この空気の悪い社会の中では。金権政治、スキャンダル、汚職事件、圧力団体、あっせん、鉄の三角関係・・・。これらの言葉は、実際にいま日本の高校の教科書に載っている言葉である。自分達高校生は学校で、日本の政治の黒い部分を学んでいるのである。居眠りを続け、野次を飛ばしあい、スキャンダルばかり報道される日本の政治家に何を期待すればいいのだろうか?自由にものを考える事が出来、自由にものを言う事が出来る。今となっては当たり前の事だが、この自由がどれだけ困難な戦いの末に勝ち取られたものなのか、どれだけ尊いものなのかをスミスは教えてくれる。もっと自覚をもって大事にしなくては先人の方々に申し訳が立たないじゃないか。すべての政治家の方々に是非ともどうしてもこの映画を観て頂きたい。信念を持ち続ける事が想像以上に困難だということは分かるが、しかし信念がなくてはどうにもならないだろうから。 【紅蓮天国】さん 7点(2004-02-17 23:42:30) |
21.観た後に心が晴れ晴れとする映画でした。 この映画の主人公、スミスのような確たる信念と、誠実さと純粋さがあれば、それは時に暗く、汚れた現実にも打ち勝つものなんだ、ということを自分はいつまでも信じていたい、と思いました。この映画を観て元気が出ました。 |
20.よくもわるくもアメリカだからこそ作りえた作品。そしていまやアメリカではつくれない作品。いまつくるなら、いつのまにかスミスと悪玉の立場が入れ替わり、わけがわからなくなって、、、という展開か。 【バッテリ】さん 7点(2004-01-30 23:30:34) |
19.《ネタバレ》 いかにもフランク・キャプラといった、直球ど真ん中映画。昔観たときには理想を謳いあげる若いスミスに共感したが、今となっては、議会制民主主義の陥穽にはまったペインに惹きつけられる。ペインはかつてスミスだった。平凡な若者の熱い理想がいつしか猟官と保身に変わったのは、彼が過ごした年月のせいだけではないだろう。「立っている限り発言し続けられる」という議会のルール。ペインはそのルールを知ってはいたが、それを信じるには彼は賢すぎ、逆にスミスは愚かであるがゆえに自由でいられた。そこに両者の大きな違いがある。彼がスミスの行動に心を動かされるシーンは、同時に彼が自分の壁を乗り越える術-「愚かになること」-を知ったシーンだ。自分の闇を克服し、「愚者」となったペイン。恐らく彼は、スミスよりも優れた政治家になったに違いないと私は思う。 |
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18.《ネタバレ》 キャプラっていうヤツは、本当にくだらない映画を作るねぇ。あまりの辛気臭さに息苦しくなってしまった。ラストも安直なハッピーエンドでシラける。もっとも、これがキャプラ映画の定番なのかもしれんが、私にはこんな、ただただ理想論を語るだけの映画は合わない。 【マムゲン】さん 4点(2004-01-29 17:40:22) |
17.終わり方がちょっと唐突というか……。もうちょっと時間を掛けて描いて欲しかったのが残念。それにしても、日本の汚職政治屋がこれを観たらどう思うのか、是非知りたいものだ。 【K】さん 8点(2004-01-22 18:57:22) |
16.悪の巣窟のような環境に長い間浸かってしまうと、良識有る人間ですら悪い方向へと進んでしまうのですね。ペインは正義感溢れる人物でしたが、世の中の汚い風潮に流され飲み込まれてしまいます。日本の国会議員も汚職や裏金に関する疑惑の話題には事欠きませんが、それは先人達がコツコツと築き上げてきた悪どい風潮によるものが最大の原因だと思います。世の中、本当に悪い人間は一握りです。しかし、その一握りの悪が長年蓄積され、その結果付け入る隙を与えない程に巨大な「偽りの世界」を作り上げてしまうという恐ろしさ。その世界観は人の良識をも簡単に越えてしまう。 この作品は、そんな「人の醜い部分」に対して痛烈に一石を投じた珠玉と呼ぶべき作品です。 |
15.いかにもキャプラらしい。青臭いが、原点を忘れた政治家に是非見せたい。 【STYX21】さん 7点(2003-11-13 05:36:38) |
14.《ネタバレ》 どうしてスミスは勝てたのか?それはクロード・レインズ演じる上院議員が良心の呵責に耐えかねたから。もちろん、スミスは頑張った。秘書も応援していた。それが上院議員の心を動かしたのかもしれない。スミスを認めることは自らの上院議員の座を追われること。スミスだけではなく、この上院議員の勇気に拍手を送りたい。 【元みかん】さん 7点(2003-10-27 03:50:31) |
13.さわやかな映画だ。ジェームス・スチュワートが光ってるねー。まさに古きアメリカの正義といったところか。 【たましろ】さん 8点(2003-10-15 21:28:51) |
12.単純明快な善玉・悪玉ストーリーですが、丁寧に作られていると思います。アメリカ人の憲法や建国神話への愛着がよく出ていた。エンディングだけもう一工夫欲しかった。 【モリブンド】さん 8点(2003-04-30 01:01:00) |
11.終わりが少し早足に感じたけど、それでも見終わった後スッキリした。スミスが少年団の団長というのが良かったです。あんな人が国政にいて欲しいと思う反面、彼の様な純粋まっすぐな人は政治に向いていないと思う。ずる賢さも必要です、政治家として生き残るには。あと新聞を配送するとき、子供が車を運転していたけど、あれはあり? 【プミポン】さん 7点(2003-04-13 18:11:00) |
10.ジェイムズ・スチュアートはいつもこういう役を貰ってホントに得してるなー、って感じ。でも自分はこういう良い人好きだから、彼の出てる映画は大好き。後味いいし。最後にペインが「私なんか生きている価値が無い」って言ったとこがスミスの情熱が優ったシーンとして印象的。 【kett】さん 9点(2003-04-11 23:22:16) (良:1票) |
9.民主主義の真髄を見た気がしました。日本の政治屋にぜひ見てもらいたい。 【ちゃぼ】さん 10点(2003-01-03 23:05:21) |