12.《ネタバレ》 素晴らしい!!なんて素敵な映画なんだろう。今から66年も前の映画で腹を抱えて笑うなんて思ってもみませんでした。あのロシア人が社長にいきなりレスリングの技を掛けたり花火の豪快な爆発っぷりも俺には爽快でした。留置場での場面の会話は、胸を打つしその後の裁判の場面では罰金を払えない家族の為に地域の人がなんとかしたりするシーンはぜひ見て体感して欲しいです(裁判長の粋な計らいも見逃せない!)。ラストはどうなるのかなぁ?と期待と不安が入り混じった状態で見ていたのですが、ズバリ!大満足。今まで数々の大団円を見てきたけどこれにまさる清々しさを感じたことは無かったと断言しましょう。どこまでも気持ちいい映画その一言に尽きるかな。勝ち組、負け組なんていう言葉が流行る今の日本にはピッタリの映画だと思います。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 10点(2004-11-01 00:36:40) (良:1票) |
11.ほぇ~、この作品はちょっとびっくりしたなあ。キャプラって「古き良きアメリカ」を愛する、ある意味保守的な人なのかな、と思っていたのだけれど、この設定って言わばコミューンみたいなのを作ってる家族の話な訳でしょ?しかも家長のバンダーホフは「税金なんて払わねーよーだ、だって政府なんてムダに戦争とかして全然俺らの役に立ってねえじゃん」などとのたまうし、ま、通して観た後はやっぱしいつものキャプラ節(お金や地位よりも、友達とか家族を大事にしようよっていう)が発揮されてるのだけれど、ずいぶんラディカルでアナーキーな設定だよなーと思いました。思うにキャプラって、いわゆる左翼とかイデオロギーの人ではなかったけれど(作中でもイデオロギーを盲信する人たちを“イズムマニア”と呼んでおちょくるシーンがあった)、かと言って「反動」的でもなく、なんというかホントに地に足のついてて、なおかつ柔軟な発想のできる、アメリカの良い所を体現していた人じゃなかっただろうか?少なくともその作品を見る限りはそう思えるなぁ。それにしても留置場に入れられても飄々としてるバンダーホフじいさん(演ずるはドリュー・バリモアの大伯父ライオネル・バリモア。っていうか、えっ、この人って「素晴らしき哉、人生!」で悪役ポッターやってた人!?気づかなかった・・・)は、のんきで、素敵です。それに、これはヤボな話だけれど、大企業の寡占化が進む現代(困ったことに映画会社もなんだよねぇ・・・)に観るとなかなかに示唆的で、古いのに新しい作品、でもあるなあ。正にこれ、うんこちんち・・・・・・もとい、温故知新。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-07-17 16:48:43) |
10.まるで舞台劇のようだった。最初にシカモア家が紹介されるシーンでは、観る者を完全に置き去りにする程のスピード感。勿論いい意味で。次々に現れるヘンな住人たちに、一気に引き込まれずにいられない。全体を通して、一見支離滅裂でありながら緻密に計算された演出が心地よく、散りばめられた小ネタも楽しい。とにかく古さを感じさせない。大企業の社長さんが堂々とした演技を見せており、見事な人間像だった。「どんな大団円なんだろう」と先が読める展開だったにも拘らず、ラストも不満の残らない形で締めてくれたのは、監督のさすがの力量か。 【やすたろ】さん 8点(2004-04-15 22:49:44) |
9.《ネタバレ》 私はあの「楽園」と同じような生活をしているので、羨ましいというよりは、大変だなぁ〜という目で見てしまいます。確かにお金よりも大切なのは友情だけれど、私のどこかに社会的な責任を果たしていないというひっかかりがあって……。それが税務省の役人が未払い税金を払え!とやってきたときの屁理屈で明らかになってしまいました。いくら孫娘のためとはいえ、地域住人のために売らないといっていた家と土地をあっさり売ってしまうっていうのも納得できません。自分たちの生活だけを守る、自分たちさえ楽しければいいじゃないかという自己中な人間に見えてしまったのです。価値観の押し売りっていうのでしょうか、なんか気にくわないですね。あの娘だって、独りよがりなためJ・スチュワートの気持ちをないがしろにして自分だけ傷ついたような振りをする……(私はスチュワート贔屓なのでどうもあの娘の態度は許せませんね 大汗)。度々落ちていた額(我が家の楽園って書いてあったのかな?)を掛けなおすシーンなんかが、どうもほころびのある楽園生活を騙し騙し送っていることへの風刺のような気がしてしょうがありいませんでした。多分、邪推なんでしょうがね(汗)。しかも裁判中、J・スチュワートは今まで反抗していた母親のカタをなんの前触れもなく持つ。ただ単に、彼女を怒らせるためだけにあるようなエピソード。なんで彼がああいった行動に出たのか全くわかりません。ただ、雲の上を歩くようなJ・スチュワートが好みだったので、良かったかなぁ〜って思います。ボクは一人息子だから甘やかされて育っているんだと堂々という彼は、かわいらしいです。蛇足ながら、文鎮かわりの猫がとっても可愛かったなぁ♪ 【元みかん】さん 6点(2004-03-01 16:03:04) (良:1票) |
8.仕事は、最低限の生活の糧を得るためと割り切って、ほどほどに。それ以外の時間は、趣味のためなどに、自由に使いたい。現在、ほとんどの一般大衆は、こうした人生を指向しているのではないでしょうか(もちろん私自身も)。それは、ある程度の経済的富裕を成し遂げた社会において、ほとんど必然といってもよいほどに表れてくる国民性でしょう。本作当時のアメリカも、フォーディズムの完成に象徴される通り、まさにそうした社会でした。しかし、その後に来るのものは――自由という名の退屈、豊かさと裏腹の不遇感、何物にも囚われずに生きたいという願望の先に忍び寄るニヒリズム。単に拘束から解放されたいだけの「○○からの自由」ではなく、自分はこれをやりたいんだという「○○への自由」なくしては、そうした「自由の陥穽」にハマってしまうのでしょう。それぞれの生きる道を見つけ、生き生きとした表情で人生を謳歌する『我が家』にこそ、「自由」の本源的な価値が見出されます。 |
★7.《ネタバレ》 うんうん、そうだよ、お金なんかより大切なのは友達だよ。観て良かった、いい映画だった。コミュニケーションも希薄で正直に生きる事が恥ずかしくさえある現代で、これほどストレートな美しい感動物語をつくったとしても笑われてしまうだろう、それはとても悲しいことだけれど。だけど、いやだからこそ僕たちは古い映画を観るのかもしれない。この白黒の物語の中でなら、友情や愛情に素直に感動する事が出来る。そう、クラシック映画は永遠のイノセンスだから。 【紅蓮天国】さん 8点(2004-02-16 23:25:21) |
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6.こんなに楽しいコメディー初めてです。 思わず笑ってしまう場面がいくつも有りましたが、一番良かったのはトニーの両親を初めて家に招く場面です。姉は下手なバレイを始めるし、母親は母親でおかしな衣装でポーズをとった砲丸投げのおっさんをモデルに絵を描いているし、黒人のメイド夫婦は奇妙なダンスを踊っているし、比較的まともなお祖父ちゃんもダーツを投げて遊んでるし、婚約者のアリスまでも階段の手すりから滑り降りてくるんですから・・・、最高に楽しい場面ですね! ちなみにお祖父さんが最初のほうで「孫が手すりから滑り降りるのをマネして足を怪我した」と言っていましたが、まさかアリスのマネだったとは(笑)、もう最高ですね。 メッセージにも惹かれますよ。“現代人は怯えながら暮らしている”“やりたいことをやる幸せ”という言葉はすごく共感できるし、本当に大切なことだと思います。カビー(トニーの父親)もハーモニカを通じて“人間らしい生き方”に気が付きます。最後に2人でハーモニカを吹く場面では泣いてしまったではないですか! 侮る無かれ、この作品は完全にツボにはまってしまいました。 【おはようジングル】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-02-15 16:27:16) (良:1票) |
5.いや~かなり笑わせてもらいましたよ。だけど、私の目には少し勧善懲悪に徹しすぎかな、というふうにも移りました。まあ、何はともあれ、結局みんないいやつになっちゃうラストは大好き。おじいちゃんもいい。ってゆーか冒頭のうさぎの人形欲しい(笑)あと子猫も(笑) |
4.BSのアカデミー特集で観ました。フランク・キャプラのヒューマニズムはいつ見ても自分を勇気付け,元気にさせてくれる映画である。この作品も、登場人物の言葉の軽快なやり取り、自由主義、楽天主義といったキャプラの魅力が存分に発揮された傑作でしょう。そして、上流社会に対するチクッとした皮肉と、人生とはなんたるものかという問いかけも見逃せない。いやー、いい映画を観たという気分にさせてくれました。キャプラとジェームス・スチュワートのコンビはやはりいいいですねー。 CG全盛の今の時代にこういう映画がほしいです。 【たましろ】さん 9点(2004-02-11 00:10:42) |
3.《ネタバレ》 キャプラが描く最高級の人生讃歌です。笑いどころも満載で、これほど笑わせる映画との出会いは特別なものでした。と言いつつも、いつも思うのは、キャプラのヒューマニズムによって高らかに謳いあげられる人々は極めて少数の限られた人達であり、裏を返せばその本質は少数派ゆえの「いばらの道」であるということです。それゆえに予め敷かれたレールの上を歩むのではなく、これをはみ出して歩もうとする人々の勇気を賞賛し、その第一歩にスポットライトを当てていきます。「Do You Like it(そんなことして楽しいかい?)」。「我が家」の大黒柱であるバンダーホフが黙々と仕事をする事務員に唐突にかけたこの言葉によって物語に一気に引き込まれます。仕事は楽しいものではないと言うのが一般論で、楽しくないことをやっていてもしょうがないから、大好きなおもちゃを作りましょうというのは、その価値観はあっても行動するには大変な勇気が要ることでしょう。「我が家」で暮らす人々はこの勇気を持ち得た人々で、社会的にみれば、少数派で風変わりなおかしな人々です。当然、少数派の彼等の存在を高らかに謳い上げる行為は社会批判や風刺につながっていき、それを特に体現しているのが、バンダーホフと税務署とのおかしなやり取りのシーケンスで、キャプラのヒューマニズムにはこうした風刺は必然とも言えるでしょう。レールをはみ出す勇気。輝かしき第一歩。それどころか、この作品ではそもそもレールなんてないんだよ、というところまでメッセージしている気がしてきます。「我が家」の仲間入りを果たす勇気は持ち合わせている人は少ないけど、実は価値観を持ち合わせている人は多い。ラストで大富豪のカービーがハーモニカを手に取り、「我が家」に仲間入りした瞬間に、感動とともに大きな拍手を送りたくなったのは、自分がそんな価値観を持ち合わせており、映画の中でその勇気を体験したような心持ちにさせてくれたからなのでしょう。それにしても「我が家」の人々は面白い。傑作中の傑作だと思います。 【スロウボート】さん 10点(2004-01-30 23:24:41) (良:1票) |
2.変人ばかりが集団生活している家と周辺の立ち退きを迫る実業家がいる。古臭い一帯を開発してビルを建てようというのだ。昭和13年にこんな今風な話がアメリカではあった、というのが驚き。変人一家を束ねるライオネル・バリモアのおじいちゃんに対する実業家氏、「人生はお金じゃないよ、人情だよ」というキャプラの人間賛歌のメッセージはここでも高らかに歌い上げられ、実業家氏は一転お金の亡者から生還してめでたし、めでたし。楽天的なヒューマンな作りはメルヘンに近いような気もするが、善人が報われるという話は気持ちがいい。 【キリコ】さん 8点(2003-11-16 15:42:23) |
1.《ネタバレ》 終盤は観ていて本当に辛かったです。良心に目覚めていくカービー氏に感情移入してしまい、この上なく惨めな気持ちになりました。まるで一人だけ除け者にされているように…。「フランク・キャプラ、何て酷い映画を撮るんだ!」と思っていると、最後の最後に世にも素晴らしい大団円が…最高のカタルシス。「フランク・キャプラ、あんたは何て良い映画を撮るんだ!!」これだから人生はやめられない。【余談】それにしてもライオネル・バリモアの役は『グランド・ホテル』のキャラクターをそのまま受け継いだような感じですね。 【かんたーた】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2003-10-06 14:41:49) |