27.《ネタバレ》 主人公がお兄さん夫婦にビアンカを紹介するまでは笑えましたし、この後どうなるんだろうという期待が持てました。しかし内容は面白いものではありませんでしたし、心温まるものでもありませんでした。何とも言えない映画でした。お兄さんと大人になることの自覚について話す場面は良かったと思います。マーゴ役の女性は自然な演技でチャーミングで良かったです。途中で観るのをやめようと思いましたが、マーゴは最後どうなるのか気になって観終えることができました。実際にはかなりヘヴィーな内容の映画です。コメディーやハートフルを期待せずに観ることをおすすめします。 【大谷イレブン】さん [DVD(吹替)] 4点(2010-08-15 20:03:41) |
★26.《ネタバレ》 体が傷ついて血が出ればすぐ気がつくので治療できる。しかし心が傷ついた場合、気がつかないことが多い。そしてその傷は長い年月を経て、突然本人に異変を与える。これをトラウマと言います。ラースのトラウマは、母親の死や、兄の家出、父の人間嫌いなどが遠因に挙げられる。彼のトラウマが突然発症した原因は、数人のレビューワーさんたちが指摘する通り、兄嫁の妊娠により、出産で死んだ母を思い出したからだと考えます。そういう意味ではラースの妄想は笑い事どころか、目を覆いたくなるほど痛々しい。表面的にはコメディに見えますが、実は心が壊れてしまった1人の男性が再生するまでを描いたヒューマン映画なのです。ラースには同僚の女性や兄嫁のように好きな人がいました。しかし好きな相手がそばに寄ってくると彼は逃げる必要がありました。彼が他人から体を触られると痛みを覚える理由は、肉体がラースに対して警告を発しているからです。「気をつけろ、またお前は、お前を愛するすべての人々から傷つけられるぞ」という警告です。もう二度と傷つきたくないという思いがそうさせたのです。心の傷は必ずこのように肉体に表れます。もはや人に触れることさえできない彼が愛することができる人間はこの世にいなかった─。人形ならば愛しても傷つけられない。抱きしめても痛みを感じない。こうして「ビアンカ」は生まれるべくして生まれたわけです。皮肉なことに兄嫁の深い愛情から逃れるために、ラースはどんどん追い詰められたのでした。ラースの壊れっぷりは凄まじい。そんな彼を周りのみんなが必死になって助けようとする様子は現実では中々見られない。あのボーリングのシーンで突然乱入してきた男たちは、通常だと「お約束ごと」のように、いじめっ子役だ。それがリアルだと言われる。しかし単に現実を知りたいならば新聞で間に合う。映画は現実をなぞるだけのものではない事をこの作品は教えてくれる。「ビアンカ」に生気を吹き込んだのは、まさにラースを愛する周りの人々たちの勇気でした。稀に見る斬新なアイデアを見事に活かした傑作です。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-04-26 20:26:34) (良:1票) |
25.《ネタバレ》 ビアンカはラースのイマジナリーフレンドだったのだと思います。ビアンカとの決別は彼のこころの成長を。リアリティのために下世話な描写も若干ありますが必要最低限におさえているので子どもと鑑賞しても大丈夫かな? 【かれく】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-04-03 11:59:35) |
24.《ネタバレ》 何だか暖かい気持ちになれる良作。 敢えてそうしているのだろうけれど、実在の人間であるマーゴさんの描写が生き生きとしていて良かった。 テディベアに人口呼吸と心臓マッサージをしてあげるシーンは素晴らしい。愛すべきワンシーン。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-13 21:39:53) |
23.要するにダッチワイフの話という点で本作は「空気人形」と似ている。しかし、心を持った空気人形が、「心なんか持ったら面倒だ」と言われるのに対し、本作は心がないはずのビアンカが、さも心を持っているかのように周囲から生かされているという話で、全く正反対である。不思議なことに、人形が動き出すという設定上、ファンタジー要素は前者のほうが強いはずなのに、本作のほうがよりファンタジックである。多分、現実ならば、この映画の登場人物たちのようにラースを温かく見守る人は皆無で、どちらかといえば、大多数の人間がラースを気味悪がるはずだと思うから。そういう意味では、「空気人形」の登場人物たちのドライさが私にとっては現実的で、ラースの周囲の温かい人たちは何だか出来すぎた感じがした。だが、虚構ゆえに、と切り捨てたくない気持ちがあるのも確かだ。「ビアンカの存在は我々の勇気を試した」という神父の台詞があったが、そのまま私自身にも投げかけられたような気がしている。 【よーちー】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-08 20:19:05) |
22.《ネタバレ》 ビアンカとの別れには涙しましたが、 ビアンカはラースが心を許せる唯一の人っていう設定が、なぜLOVEDOLLだったのか? ラースがただ単に年頃だからなんでしょうか?ラースは本当に心が病んでいたのか? 周りに良い人が集まるのはその人が良い人だから?残念ながら私には分からなかった。 【hinasakusu】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-02-11 11:41:28) (良:1票) |
21.《ネタバレ》 人と人との距離感って人それぞれで、その距離の取り方を、周囲の人々が徐々に見つけていく所が良い。勿論、ラースがそれを徐々に気付いていくのも。好意を寄せる相手ってのは自然と寄り添いたくなるもの。でも、その相手のことも考えないで近づいていってしまうと、ラースにとって心地よい距離感を侵してしまう。不慣れなうちは、兄嫁もマーゴもその領域に土足で踏み込んでいく。ラースも混乱し、恐怖が勝ってしまう。ただじっと待ってあげるってのが、どんなに困難であたたかいことなのか。世知辛いこのご時世では、現実的な話じゃないんだけどね。普通は意地の悪い連中をそこかしこに配置したくなる。この映画はあえてそれを省くことで、ぐっと包容力がましている。余計なものは描かないという、すごく省略の上手い映画だと思う。そのお陰でテンポも良いし。あと教会のオバサンもいいね。ビアンカの女としての扱いに怒るととか。他の人はどちらかというとラースの為に演技しているようにも見えたけど、あの人はビアンカを生身の人間として扱っているように感じた。 【Nujabest】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-13 03:49:36) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 人形のことを知ってから注文し届くまでの間にどのようにして本人が話を作り上げて受け入れていったのかということから既に理解しにくいところがあるし、病気になってなくなってしまうことにしたことのは人間は無意識にも自分勝手なところがあるんだなと感じてしまう。一見するとかかわってはいけないと思ってしまうようなラースの行動を暖かく見守っている周りの人々(もちろん葛藤があることも描かれてはいたが)に感銘を受けた。自分ももう少し人に優しくなりたいなと思うときにまた見たいと思う。 【HK】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-18 17:55:29) |
19.《ネタバレ》 ◇先日「空気人形」を見た読後感(鑑賞後感?)から、ちょっと気分を変えたくて、似たテーマの本作を鑑賞。◇特に印象に残ったのは、「イエス様ならどうされたか」というセリフ。悪人が一人も出てこなくて、暖かく受け入れようとする街の人たちの姿勢に癒されました。◇だんだん「ビアンカ」に表情がでてくる気がするのは、撮り方が上手いからなのでしょう。◇ラースとマーゴが今後、上手くいきますように。 【ハクリキコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-11-26 01:00:22) |
18.《ネタバレ》 コメディーかと思って観たら全然違った。本気で病んじゃってるんだよね~。街のひとが嘘っぽいんだけど、「みんなラースが好きだからビアンカを歓迎してるんだよ!」てのが泣けた。 【kaneko】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-11-18 22:36:18) |
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17.《ネタバレ》 徐々に明らかになるラースの出生。母はラースの出産後すぐに亡くなり、兄は早くに家を出たため、人間嫌いの父親と二人で暮らしていた。父の死後、兄夫婦が実家に戻ってきたため、ラースは離れにひとりで暮らすことになる。ラースがビアンカを連れてきたのは、義姉の妊娠と、自分に好意を寄せてくれる女の子が現れた頃。「大人になるための通過儀礼」としてのビアンカ。一見人間嫌いのように見えて、実は心に愛が溢れているラース。母の死から人に触れられるのを畏れているラースは、「妊娠=死」という概念から逃れられず、愛する人に触れたい、触れられたいという当たり前の感覚があらかじめ失われている。それをリアルドールという形で克服していく様を実に穏やかに描いている。小さな町の人々の温もりも忘れがたい。ライアン・ゴズリングが嫌味なく純粋なラースを演じており、鑑賞後は不思議な感動を覚える。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-11-14 00:48:28) (良:1票) |
16.隅から隅まで優しさであふれている映画でした。ラースの成長を街ぐるみで見守り後押しする。ホントにいい人だらけで心が洗われました。 彼にとってビアンカは母親の投影であり、彼女であり、友達であり、先生であったのではないかと思いました。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-14 00:45:27) |
15.《ネタバレ》 日曜日の教会で、主人公ラースは顔見知りの老婦人から、新しく町に来た若い娘マーゴにプレゼントするようにと、一輪の花を渡される。極端に内気なラースはマーゴを前にして、渡されたその花を明後日の方角へと天高く放り投げてしまう。心優しく繊細なラースにおよそ似つかわしくないその行動は、まさに、気になる女の子を前にした時の幼い男の子のそれだ。人を特別に意識する初めての気持ちにとまどうラースは、何をどうしたらいいのか、皆目解らないのだ。ビアンカが彼の家に「届く」のは、その出来事の直後だ。完全無欠の美女ビアンカとのロマンスと死別を、愛情とおかしみをもって綴るこのストレンジラブストーリーは、内気なラースが可愛いマーゴと向き合えるまでの彼の壮大な恋の予行演習でもある。ビアンカがラースを大人の男に成長させた偉大なる女性として、その役目を終えても、きちんと最期まで敬意をもって描かれ、さらに弔われるのが実にすてきだ。その上で描かれるLars and the Real Girl。リアルガールは勿論ビアンカではなく、マーゴだ。二人が見つめあうだけのささやかなデート。そんなありふれた恋愛映画のオープニングが、この映画ではエンディングだ。ようやく、そしてついに、はじまるだろう愛すべきラブストーリー。そのスタートラインに立ったラースと「その彼女」に、幸あれ! 【BOWWOW】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-10 01:10:17) (良:5票) |
14.《ネタバレ》 期待以上だった。シチュエーション勝負の映画かと思いきや、人物の描写が結構しっかりしていて、引き込まれた。キャスティングがパーフェクトだった。「17歳の合衆国」とか、ライアンゴズリングはこういう感じの役がすごくハマる。物語として、登場人物全員が綺麗すぎかも知れないけど、出演していないシーンでも常にラースを感じられたことと、映画全体がラースを壊さないようにしているかのような雰囲気が良かった。邦題はイマイチ。Real Girlをもうちょっといい感じに訳せなかったんだろうか。原題がそこまでいいとも思わないけど、もうちょっといい邦題だと魅力が倍増するような映画だったと思う。 あと、ゴズリングの歌が上手いのに驚いた。 |
13.《ネタバレ》 おもしろかった! ビアンカの登場シーンは笑いをこらえ切れなかったのに、物語が進むにつれほろりと涙が。 一緒に観ていた人の「この映画にはいい人しか出てこなかった」という感想に納得。 確かに。登場人物みんな、徹底して優しいです。ほんとによかった。 個人的にはかなり好みです。 【Catherine】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-11-05 21:46:00) |
12.《ネタバレ》 ヒロインのビアンカの表情が、もろリアルドールから、確実に憂いを帯びた女性に変わった・・・ように見せる手腕が素晴らしい。アメリカ映画らしくない良い作品。女医の優しさが印象的。 【ブタノケ2】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-11-03 19:24:32) |
11.この映画、好き嫌いはあるかもしれないけれど、一度見て感じてみることをお勧めしたい。ほとんどの人が兄と義姉の立場で考え、リンクしながら、彼自身さえもどう温めたら良いのか解らないラースの心に少しずつ近づいていけると思う。まさかァ…でもありそう、ちょっと滑稽…でも決して笑えない、そんな気持でラースを見続け、自ら決着を付ける彼の姿と牧師さんの言葉に出会うことになる。私は大いに泣いた。少ないセリフと薄暗い景色の中で、人の表情を上手に表現しているのも良かった。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-18 00:22:28) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 ライアン・ゴズリングがいいですね。『君に読む物語」でも素晴らしい演技を見せてくれましたが、この映画の中でも、見事にその役にはまっています。小さな町の中でこんな温かい人間関係があり得るのだろうかと思ってしまいますが、是非、こんな社会の中で暮らしてみたいものです。涙を誘うシーンが幾つもあるんですが、その一つ一つがいかにも「泣かせよう」としているのではないところが良いです。ほろりとほおを伝うほどの涙を誘います。ラースが兄に「いつ、大人になった?」と問うシーンがあります。そう問われて私自身も「いつ、どんな時に、どういうことで大人といえるのかな?」と、改めて考えてしまいました。それに対する兄の答えがごくごく真っ当な答えなんです。でも、自信を持ってあのように言えないなあと感じました。日本でリメイクしてもとってもいい映画になりそう。せっかくだからオリエント工業・・・・・。 【蝉丸】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-08-20 15:45:43) |
9.《ネタバレ》 この作品は、人形を恋人と勘違いしている変な男の話だと思われているが、そうではない。ラースという心やさしい青年が、かけがえのない人の「死」をどのように受け入れるのかという物語なのである。ラースの母は、ラースを産んだときに亡くなっている。いわば、ラースはかけがえのない母を初めから失った状態で産まれてきたのだ。それは、大切な人を喪失するという体験ができないままに、失ってしまったということを意味する。ラースの兄夫婦に子供が授かり、やさしい義姉の出産が近づくことでラースに変調が訪れるのは、義姉が出産によって死んでしまうという恐ろしさゆえと考えられるだろう。だから、ラースは、人形であるビアンカの死を看取ることによって、たとえ義姉が出産ゆえに亡くなってしまうとしても、受け入れられる自信を得たのではないか。大切な人を愛するということは、その人をいつ失ってしまうだろうかという恐れと隣り合わせである。ラースの愛は、たとえ大切な人が死んでしまったとしても、ラース自身は歩き続けて行けるんだという自信に支えられている。この洞察はものすごく深い。 【wunderlich】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-08-10 15:54:24) (良:2票) |
8.《ネタバレ》 主演女優のビアンカがだんだん可愛らしく思えてきて捨てないであげてと思ってしまいました。コメディタッチで出演者はいい人ばかり悪役もあえて登場しない夢のような作品なのに見終わった後はほろ苦い気持ちになりますね。最後は話がうまくまとまり過ぎていて少し物足りないけど、ファンタジー映画なのでしょうがないのかな。人と人との繋がりについていろいろ考えさせられますね。 |