25.《ネタバレ》 邦題に恵まれない女優(笑)リース・ウィザースプーンの出世作にして、アレクサンダー・ペインの監督デビュー作。主人公の1人トレーシーは、日本的な意味での「優等生」というよりは、本作中にも出てくる「overachiever」という言葉がぴったり。何にでも必要以上の努力をしてしまう非人間的でちょい恐ろしげなトレーシーの人物像を、嫌みにならない程度のユーモアで包むことに成功したのは、なによりリースの好演がある。一方で、彼女に振り回されるマクリスター先生役のマシュー・ブロデリックは、中途半端に人がよさそうな感じが彼の行動への嫌悪感というか、いやーな感じを増幅させていて、これを映画として楽しめるかどうかが、映画の評価の分かれ目になりそう。個人的には、彼の行動は、いわゆる「小市民」的な人がハマってしまいそうな落とし穴の描き方が見事過ぎて、ちょっと笑えない程度に怖かった。たぶん、同じ系統の作品としては『ファーゴ』があると思うけど、仕事とか不倫とかを扱ったこっちのほうがはるかに怖い。とくに、冒頭の冷蔵庫から掃除したばかりの床に食べ物を投げ捨てるシーン。本人に悪意はないのに、ちょっとした配慮のなさが、その身の破滅をもたらすのだよ・・という恐ろしい教訓でした。ただ、この作品の面白いところは、悪夢的な終盤の展開の後、物語の結末がなぜかハッピーエンド調になっているところ。共和党の(←トレーシーらしくてちょっと笑う)代議士の秘書になっているトレーシーだけでなく、破滅したはずのマクリスターまでも、なんとNYでそれなりに楽しそうに生きているのだ。なんという懐の深さ。見てる自分もちょっとホっとして、人生というものの深みをじんわりと感じさせてくれる。単なる破滅型ブラックコメディで終わらない、アレクサンダー・ペイン作品の魅力の片鱗が味わえます。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2020-02-25 03:51:10) |
24.《ネタバレ》 シナリオがよくできているにも関わらず、登場人物に共感できる人物もいなければ、応援できる人物もいない稀有な作品。 トレイシーはポスター破っちゃった挙句に、代わりに名乗りでたタミーにあろうことか罵声を浴びせて、全然笑えない。デイブと不倫していたっていうエピソードも微妙にキャラと合っていないような気がするんですよね。 そしてもう一人の主人公、マキャリスターはもっと最悪。転落人生っていうか自業自得も良いところで、人のことどうこう言う前に、お前がまず真っ当に生きろって話です。 この二人が中心になって物語が進んでいって、楽しいわけないです。 コメディであっても、倫理観は大切にしてほしいものです。『倫理や道徳を教える教師が、一番そこから遠いところにいる。』って、そんな設定は要らないのです。『コメディ楽しい』と思えるのは、一線を越えないからであって、何でもアリになっちゃえば楽しくないです。実際に、マキャリスターの不倫はドン引きも良いとこです。奥さん泣いていたのに、『愛しているよリンダ』じゃないでしょう。で、ラストは前向きに人生やり直していますよ、って被害者面して、あなたは加害者でしょう。 勘違いしまくり、倫理観ゼロの人物を見せられて、不愉快な気持ちでいっぱいでございます。 むしろ、終始ヒール役と、情けないお人好し役で一貫していたメッツラー兄妹のほうが良かったです。特にタミーは最高でしょう。 それと冒頭5分のところで、『掃除したばかりなのに』と無言で怒りを表現していた掃除夫が、ラスト、最悪の形で復讐を果たすところなんかは、なかなか上手いです。 ですがどちらにせよ、これはとてもつまらない映画です。面白さのかけらくらいしかない作品です。 【たきたて】さん [DVD(吹替)] 3点(2014-11-26 05:43:48) |
23.《ネタバレ》 まず邦題がどうにかならんものですかね。原題の方を前もって知っていたので、やっと見つけた時に「分かるかこんな邦題!」と心の中で叫んでしまった。内容はと言うと非常に脚本が秀逸な作品ですね。伏線の回収の仕方が上手く序盤からグイグイ引っ張っていく。キャラクターに感情移入し難い作品になっていますが、これはこの映画の"選挙"が象徴しているものを考えると仕方が無いでしょう。恐らくですが、3人の立候補者と主人公はアメリカの色々なタイプの人間を表している。トレイシーは勝つ事で人生が手に入ると思っている上昇志向な中産階級、ポールは典型的なプロテスタントのワスプで基本的に頭はカラッポのスポーツマン、タミーはレズビアン(バイセクシャルかも)であるが故に反体制的態度を取るリベラル、主人公のジムは中産階級のセックスしか考えて無い馬鹿なオヤジってところでしょうか。個々のキャラクターがそのシンボルをめちゃバイアスが掛かった演技で表現されているのでまあ感情移入し辛いのも納得。様々な象徴の彼らがどういう風に干渉し合い、勝ち、負けていくのか。それを面白おかしく皮肉って描いたアレクサンダー・ペインの手腕に驚かされました。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-06-02 14:53:45) (良:1票) |
22.リース・ウィザースプーンが・・ぬぁにぃ!!おもくそ変顔に挑戦してるじゃないか!!しかも動きを止めるところが絶妙で有名女優の変顔は見てるとなんか楽しい(笑)なんでどう見ても優等生ギャルには見えないんですが生徒会長になるためになりふり構わず突き進んでいくある意味ではサクセスストーリーであり対照的にそれをよく思わない一教師の転落人生をブラック要素たっぷりに描いててめっちゃアメリカらしい。マシュー・ブロデリックの軟い男も絶妙でブラックなんだけど最後は軽いハッピーエンドな感じですがこんなゆる~い選挙がお堅い国日本でもあったら、楽しいだろうなぁ~。 |
21.《ネタバレ》 原題は『選挙』、高校の生徒会役員選挙なんですが、シニカルでブラックな視点で描かれていて、ひどい邦題からは想像つかない奥の深さに感心しました。リース・ウィーザースプーンの顔芸にまず苦笑、クリス・クラインの演技とは思えないバカっぷりもおかしかったけれど、マシュー・ブロデリックの小市民根性丸出しの小物ぶりを見て、これは彼しか演じられないキャラだと感心しました。これは意外な拾いものですよ。なんでも、リースの役は最初ソーラ・バーチだったが撮影開始直後に降板しちゃったそうです。きっと変な顔撮られて怒っちゃったんだろうな。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-04-21 01:33:23) |
20.結構期待していましたが…。あまり可笑しくなかったです。登場人物のイヤな部分が出てくると、苦い食べ物を噛んだ様な感覚になりました。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-08-12 18:37:56) |
19.《ネタバレ》 リース・ウィザースプーンは本当にマルチな女優さんだ。 シリアス・コミカル・キュートな役柄どれも簡単にこなしてしまう。 近年の彼女のアカデミー賞受賞にも、何の不思議もない。 『和製・濱田マリ』『猪木アゴ』の称号を感じさせない豊な表情は本当に魅力的だ。 彼女の笑顔とクルクル変わる表情が映画に活気を与えてることは間違いない。 ストーリーは意外と淡々と進むが、そのおかげで所々のシニカルさが際立つ。 男と言うのは、本当にいくつになっても純粋すぎるというか、おバカというか・・・。 そして女と言うのは、いくつであろうが本当に強かで計算高い。 リースの存在感がたっぷりだし、まさにこの役柄はリースが適役だったのだろう。 あんなブサイクカットを笑って許せる女優さんなんて、リースぐらいだろうし(笑) ただこの邦題はいただけない。 邦題がもう少し違えば、ビデオ屋さんで手に取る人も多いと思うんだけどなぁ・・・。 その点がマイナス。 あとは全体的なストーリーの読めた感で少しマイナス。 兎にも角にも、『下半身のだらしなさは破滅への近道』ってコトですね。 |
18.この邦題・・・うける。優等生ギャルなんて出てきたっけ。 【あしたかこ】さん [地上波(吹替)] 6点(2005-05-02 05:01:07) |
17.この映画、描き方を変えればすっごく暗くてドロドロした話にもなりそうなのに、それをコミカルにおかしくしているところがとってもイイ(^^!あの主人公の先生、とんでもないことしているのに、どこか憎めなくて、その結果すべてを失ってもまたやり直して頑張って、最後にはけっこう幸せになったところなんか、良かったな~と思えた。優秀で小生意気な生徒にムカツくところなんか人間臭い(笑)けど教師としてはイカン(大人としても)。選挙戦のお人よしな坊ちゃんと、あのキレ者の妹もそれぞれハッピーになって良かった。ただ、リースの野心家の女子生徒は、実は母親の影響であんなふうに踏ん張っていて本当の自分をさらけ出せず、ラストでも変わらずそのままで人生を歩んで行くという感じだった。あと、劇中で流れるサイレンみたいな変な曲!?がおかしかった。 |
16.社会の縮図のような生徒会選挙。登場人物の個性が巧みに表現され、コンパクトながらユーモアもたっぷりの小気味の良い佳作でした。何といっても、良かれ悪しかれ皆が前向きなのが気持ち良い。先生なんて失業し家庭崩壊してもミルクを投げつける元気がある。何事も悪く取らないおぼちゃま思考の彼も気に入りました。 【チューン】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-01-13 03:31:00) |
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15.えらい楽しめましたですよ。痛快~~~(^Q^)Pick FLICKカップケーキ食いたぁい。 皆素直すぎていいぞー(笑)タミーの演説最高!かっこいい! 【クロエ】さん 7点(2005-01-05 13:31:05) |
14.リース・ウィザースプーンって結構ファニーフェイスだ。彼女にはこういう癖のある優等生役が一番合ってるんじゃないかと思う。絶対いるよね、生徒会立候補に妙に熱入ってる女って。そういう時私は、後ろの席で半目開けながら寝に入っていたタイプね。 |
13.《ネタバレ》 破滅したのは主人公なのに結局女より主人公の方が幸せそうなのが面白い 人生なんてこんなものかもね 【ムート】さん 7点(2004-09-24 02:23:35) |
12.普通の青春学園コメディと思っていましたが違いました。トレイシーの行動にむかつきながらもおもしろかった。リースとマシューの演技がよかったです。 【ギニュー】さん 6点(2004-07-02 01:51:25) |
11.リースさんは似たような役が多いですね.皮肉タップリの映画と言われますが,逆に言うと,この女優さんにはベタベタのプラムものとかは似合わない気がします. 【マー君】さん 4点(2004-06-11 21:55:19) |
★10.《ネタバレ》 少々お下劣な部分もあり、重い映画を見た後にちょいと見るにはいいかも。スクール内外でのビミョーな人間関係の連鎖が描かれていて面白い。結末もそれぞれ戻るべき鞘に収まった感じで、まあこんなもんかというところ。個人的にはタミーが一番幸せに終わったのかなと思う。正直者がバカを見ることはない、と。あと、リースの衣装にはちょっとダサすぎて幻滅。あんなダブダブのズボンはやめてくれー! |
9.「高校の生徒会長選」という、常人なら映画の主題にすることなど考えもしないようなことをここまで真面目に仰々しく取り立てるセンスが素晴らしい。しかしその中にも、皮肉と示唆を織り交ぜ、人生をも考えさせるほろ苦い裏青春映画にまで作品を高めています。これであのしつこいナレーションを5分の1くらいに削って、邦題をきちんと考えておいてくれればねえ・・・。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2003-12-29 20:58:33) |
8.1年前くらいに見たんだけど面白かった!「リトル★ニッキー」で、誰これ?って思ってたリース・ウィザースプーン(トレーシー)。すばらしいです。ファンになりました(このあとキューティ・ブロンドは期待しすぎたせいかいまいちでした)。ポール役のクリスもほっぺが赤くて可愛い!登場人物すべての感情が良くわかって(映画が、登場人物それぞれの視点&コメントから描かれている)すべての人物に共感できましたが、私は頑張るトレーシーが一番好きでした。(必死な分 一線を超えてしまうことがあって、反感を買いやすいですけど)MTVプロデュース作品らしいです。難を言えば、DVDの画質がいまいちだったかな。タイトルが馬鹿みたいだけど、現代はELECTION(選挙)とても真面目?な映画ですよ。 【kithy】さん 9点(2003-12-06 00:34:37) |
7.リーズのブサイクカットが意外~。今じゃラブコメ女王だもんね。マシュ-の腫れまくった顔もちょっと××。キレイなものはキレイなまま見たい!しかし、孤独な選挙だなぁ…。 【桃子】さん 5点(2003-10-01 19:12:52) |
6.これって邦題がアレだから、ビデオ屋で手に取る人は少ないかもしれないけど、「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン監督の作品なんですよね(確かアメリカで「ナントカ批評家賞」みたいなのも獲ってたと思います)。なかなかポップで凝った演出(リース・ウィザースプーンの顔のアップをわざとヘンな顔のところで静止画にしたり)が楽しかったです。主役のR・ウィザースプーンはハマり役だし、ポール役の人(この人、「アメリカン・パイ」にも出てたけど、朴訥としててお人好しなスポーツマンが似合いますね)もいい味出してました。これって多分やたらと上昇志向なアメリカ人体質をおちょくってるわけで、別に努力してる人を馬鹿にしてる作品ではないと思いますよ。要は「一生懸命勉強して、いい学校入って、大企業に入って出世して、だからどうよ?」っていう。個人的には「佳作」っていう言葉がピッタリな作品だと思います。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-08-17 19:40:14) |