1.初リタ・ヘイワース。いっやあ惚れますね~あのアバズレっぷり!
いま GyaO で配信されてるんですが、動画特有の画面の暗さでちょっと残念。総天然色のテクニカラーなので、できればDVDが望ましい鑑賞環境でしょう。
…で。
とんでもねー映画です。『カルメン』を観始めたつもりなのに、途中から「なんじゃこりゃああ~っ!」ってひっくり返って悶絶するコト請け合い。だってスペインの話なのに、途中から風景がメキシカンになっちゃうんですよ! 後半はドン・ホセと追撃隊の銃撃戦なんかもあって、ほとんど西部劇です。豪快で爽快な翻案でした。
でもそこが『カルメン』の奥深さというか、どれだけ風景が変わっても物語の本質は同じ。史上最多の映画化数を誇るストーリーってだけはあります(リタ・ヘイワースは史上15番目のカルメンなんだとか…)。
リタが独立してプロダクションを起こした時の第一作ですから、顔ぶれは知り合いで固めたんでしょうか、ドン・ホセには盟友グレン・フォード。過剰に朴念仁なドン・ホセを演じ、リタとの相性は非常にシンクロ度が高いというか演技過剰なリタ版カルメンの魅力を引き立てるのに成功しています。
こんな凄いアレンジを施して壊れない物語ってのも凄いですが、確信犯的にそういう改変をやって、自分たちの魅力を最大限に引き出す脚本を手にしたリタ・ヘイワースの製作力も素晴らしいんじゃないでしょうか。
…余談ですが、フラメンコを踊る時のカルメン描く構図は、必ずパノラマ的なロングショット。群集に囲まれて踊り狂う彼女はなかなか絵になってます。でも足元が映らないんだなコレが。
リタ、怒らないから正直に言ってごらん。フラメンコ踊れないんだね…?